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2012年9月12日 (水)

2年前の夏に感じた日弁連の欺瞞的姿勢

以前の記事「給費制のこと(1)」、 「給費制のこと(2)」で、給費制維持の理由として主張される「裕福な人しか法律家になれない」という性質は、そもそも法科大学院制度につきまとっていたはずだ、と指摘しました。

給費制に絡む同様の主張をあまり見かけないと思っていましたが、私の探索力不足でした。
2年前にずばり指摘しているブログがありました。

弁護士のため息「ロースクール制こそが「お金持ちしか法律家になれない」原因じゃないの?」
http://t-m-lawyer.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-47a6.html

私が日弁連に対し「給費制維持は法科大学院制度の廃止とセットで訴えなければ市民の理解を得られない」という意見を送ったのと、ちょうど同じころの記事です。

この記事にコメントを寄せた「ゆたか」さんという方の話に感銘を受けました。
あの「最後の旧司法試験」を受けた者にしか分からない、憤りや無念の気持ちが伝わってきます。

あの年「今年ダメなら法曹への道をあきらめる」という覚悟で臨んだ人は多かったと思います。私もその1人でした。「ゆたか」さんほど深刻な問題を抱えていたわけではありませんが、家族がいる身で会社を辞めてローに行くことはとてもできないと考えていました。

5月の択一試験の時は、試験終了が告げられた午後5時、「もう二度とこの場には来られない」と思ったら涙がとまりませんでした。

灼熱の猛暑の中で行われた論文試験では、受験生から例年にない気迫が感じられました。最後の刑訴の試験が終わり、試験官に「退出して結構です」と言われても、しばらくは茫然として、席から立ち上がれませんでした。10分ほどして、ようやく立ち上がって教室を見回すと、まだ着席したまま、感慨にふけっているような人が何人かいました。

生涯忘れられないあの年の夏、給費制維持運動をめぐる日弁連の欺瞞的姿勢に憤っていた旧司受験生が、私のほかにもいたことは、とても感慨深いです。

※追記(2012年10月13日)
給費制に絡む同様の主張を、ほぼ同時期なさっている方が他にもいらっしゃいました。私の探索不足でした。

弁護士 猪野亨のブログ
「札幌弁護士会会報2010年9月号」

http://inotoru.dtiblog.com/blog-entry-189.html

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司法制度」カテゴリの記事

コメント

お疲れさまです。
給費制活動をしている弁護士です。(最近、少し緩めていますが)

同じ憤り?というか疑問を持っています。

また、日弁連の姿勢は、すくなくとも、現在の会長政権になってからは、
欺瞞といってよいのかもしれませんが、そこまでは断定しません。

もっとも、日弁連執行部の内部には、LSベッタリの人が多く、また、
給費制活動をしている人の中にも、私のような反LSの人間ばかり
ではなく、むしろ親LSの人も含まれており、LSに矛先を向けると運
動が瓦解するということから、最大公約数的に合意が出来る給費
制を中心に運動をしているという事情もあることは一応知っておい
ていただけると幸いです(私もいつも葛藤しています)。

ただ、近年は、地方の単位会を中心に、給費制だけじゃ説得力が
ないことを悟ったかのような活動方針が取られているところも多い
ですし、私も、活動の中で、その部分を少しでも入れ込もうと考え
ながらやっています。

「LSができたから多様な人材が入るようになった」という人が未だ
にいますが、私に言わせれば、「そんな人もいるかもしれないが、
LSができたせいで法曹を断念した人の方が多いっつーの」と、
いつも申しております。

弁護士HARRIER先生、コメントありがとうございます。いつも感銘を受けながらブログを拝読しております。
給費制維持に向け、有志として、あるいは会務して活動しておられる個々の弁護士の方々には日ごろから敬意を抱いております。そして、先生方が運動を瓦解させないために葛藤の中で活動なさっていること、十分に理解しました。ご指摘ありがとうございます。
私などは運動の在り方に文句ばかりつけて、ほとんど役立たずですが、今後は先生がおっしゃる、地方の単位会を中心とした新しい活動方針に注目し、運動に積極的に参加したいと思います。

0302様
ありがとうございます。
もっとも、給費制だけじゃ説得力ないだろう、法科大学院
の問題を無視しちゃいかんでしょというお叱りは、ごもっと
もですし、私もそう思っていて、その旨を常に発言するよう
にしています。
ただ、組織体との関係ですから、葛藤は多いです。

でも、日弁連には、法科大学院の問題について、切り込
まなくてもいいから、ヘンに肩入れするようなことは言わ
ないでもらいたいと思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。

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