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2012年11月19日 (月)

旧司法試験の方が法曹養成の多様性に優れていた

法曹養成制度検討会議の第3回会議提出資料「法曹養成制度の理念と現状」の中に、私にとっては未知のデータがありました。司法試験最終合格者の法学部系(法学部系学部卒業者)・非法学部系(それ以外の学部卒業者)別の割合を示したデータです(資料17の32、33ページ)。
旧司法試験と新司法試験における非法学部系合格者の割合を、未修者受験が始まった平成19年度以降で比較してみました。

      旧試験    新試験(単位%)
19年 
22・98 22・26
20年 
20・83 21・65
21年 
27・17  > 20・85
22年 
22・03  > 19・05
23年
(33・33)   18・13
※23年度の旧司合格者は6人

19、20年度はほぼ同じ。しかし、21年度以降は旧司の方が上回っています。そして新司は毎年、漸減です。

法科大学院の理念の一つに、社会人経験者など多様なバックグラウンドを有する人材を多数法曹に受け入れるようにすることがあります。
その多様性を計る指標としては、社会人(有職者)の割合をみるのが最も端的ですが、非法学部系出身者の割合も重要な指標の一つです。

過去の記事「バックグラウンドの多様性の検証(入口編)では、法曹養成の「入口」、すなわち法曹を目指そうとする人の多様性を社会人(有職者)の割合で検証し、法科大学院制度より旧司法試験の方が理念に適っているという結論を出しました。

さらに、続編の記事で、法曹を目指したした人が晴れて司法試験に合格できたかどうかという段階(いわば「出口」段階)の多様性を検証しようとしましたが、検証に使いたいデータが「不存在」という理由で関係官庁から開示れさませんでした。

しかし、今回、「出口」段階の多様性を測る指標の一つである、非法学部系出身合格者の割合において、旧司が新司を上回るか、少なくとも同レベルということがデータで示されました。
「入口」段階で旧司の方が多様性に富んでいたことを併せて考えると、多様な法曹養成という理念は、新制度では実現できておらず、むしろ旧司より多様性が貧弱になっている可能性が高いといえそうです。
行政当局はぜひ、司法試験合格または司法修習採用段階での社会人(有職者)の割合についても過去にさかのぼって調査し、データを開示してほしいところです。

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