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2012年12月 8日 (土)

新65期は87%が貸与を申請

法曹養成制度検討会議提出資料によると、新65期の貸与申請状況は以下の通りです。

新第65期司法修習生に対する修習資金の貸与申請状況
○ 司法修習生採用者数
2,001人
○ 貸与申請者数(申請後撤回した者を除く)
1,742人(注)
(申請額別)
18万円・・・・・・・・・41人( 2.4%)
23万円・・・・・・・・1,207人(69.3%)
25万5000円(扶養加算)・42人( 2.4%)
25万5000円(住居加算)・408人(23.4%)
28万円・・・・・・・・・ 44人( 2.5%)
注:平成24年9月27日現在

申請を撤回した人を含めて貸与を申請しなかったのは259人で、全体の13%7・75分の1です。その裏返しで申請した人は87%に上ります。

このデータをどう評価すべきか。

新65期の貸与申請状況に関する報道を今のところ私は目にしていませんが、新64期については朝日新聞が2010年10月に報じたようです。新64期は修習開始直前まで貸与に移行する予定だったので、既に申請が行われていたもようです。記事の内容は以下のブログを参考にさせていただきました。

「司法修習生4分の1、貸与申請せず」(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51768362.html
「司法修習生4分の1、貸与申請せず 給費制議論に影響も」(仙台 坂野智憲の弁護士日誌)
http://jsakano1009.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-7468.html

記事によると、新64期の貸与申請者は1587人。2074人というその年の合格者数との差し引きで「500人弱は生活費の受給は不要と考えているとみられる」とし、見出しにも「司法修習生4分の1、貸与申請せず」と掲げて、貸与不要者の多さを強調する論調です。

しかし、当期の修習生は2022人です。当期は修習前に給費の継続が決定したので、10月4日の時点で貸与を申請した人が、のちに修習を見送るとは考えにくい。そうすると、貸与を申請しなかった修習生は435人だったと考えられます。修習生全体に占める割合は21・5%、およそ5分の1です。朝日記事の論調は、前提としたデータが結果として誤っていたことになります。

もっとも、上記ブログも指摘している通り、仮に「500人弱」「4分の1」というデータが正しかったとしても“貸与不要者が結構多かった”という方向で評価するのは違和感あります。新人法曹の4分の3が、少なくとも300万円近い借金を負っているというのはやはり不健全だし、市民が心置きなく法曹を信頼することを妨げる要因になり得ると思います。

その新64期より大幅に申請者が増えた新65期。データを朝日がどう評価するのか知りたいところです。

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