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2013年1月15日 (火)

法科大学院への財政支援まとめ

法科大学院には巨額の公費(税金)が投入されている―と言われますが、具体的にどれくらいの額なのかを示す公式なデータはあまり見かけません。そこで整理してみました。

国の会議によく提出されるものに「司法制度関係予算の推移」という一枚紙の資料があります。たとえば「法曹養成制度の理念と現状」という資料の82ページです。これによると、「法科大学院に係る財政支援」は以下の通りです(単位億円)。
H16→89
H17→99
H18→98
H19→93
H20→92
H21→83
H22→71
H23→68

H23の金額は資料にはありませんが、文部科学省への問い合わせで上記の回答を得ました。
平成16年度から平成23年度で合計693億円です。
ちなみに、もし年間300万円の給費を2000人に支給すると、費用は総額60億円となり、法科大学院への年間の助成金をすべて給費に回してもおつりがきます。

そのほかに法科大学院を対象とした日本学生支援機構の奨学金事業費があり、同じ資料の下段に載っています。
その表によると平成16年度から平成23年度までの事業費の総額は予算ベースで
905億円
もっとも、この事業費には奨学金の返還金も含まれるので、すべてが当該年度の公費支出で賄われるわけではなさそうです。

これとは別に国会で河井克行議員が示した数字があります。
衆議院の議事録ページの法務委員会の項にある平成24年6月8日の衆議院法務委員会の会議録によると、河井議員は、平成16年度の法科大学院制度創設から23年度までの国の財政支援総額として「1598億円」とした上で「8年間で年間およそ200億円」と言っています。
前述の資料から算出したローへの助成金693億円と奨学金905億円を足すと、ちょうど1598億円になるので、河井議員が示した数字の根拠は、この資料と同じようです。

なお、河井議員は法科大学院生の個人負担を次のように試算しています。

平成十六年度から二十三年度までに法科大学院に入学した人たちは四万七百九十一人でした。全員がそのままずっと勉強を続けたと仮定して、かつ、私立そして未修者という最大限の計算をいたしますと、掛け算をすると、八千百五十八億二千万円。

河井議員の計算は、1人当たりの3年間の負担を2000万円としているようです。その算出根拠は分かりませんが、法科大学院に行かずに就職していれば得べかりし収入も含めているのかもしれません。

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