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2013年2月

2013年2月27日 (水)

国の審議会について思うこと

以下は学問的に検討したものではなく、単なる感想です。

法曹養成制度検討会議や法科大学院特別委員会など、国の各種審議会の議事録を読んだり、実際に傍聴してみて思うのは、審議会というのは行政側がやりたい政策を遂行するに当たって実に都合のよい組織ではないか、ということです。

行政機関(具体的には官僚)が、ある政策を遂行したい時には、国民の理解(あるいは無関心)が必要だと思います。そのためには議会の反対とマスコミの批判を極力抑えることが重要です。
それなのに行政側が何の根回しもなく「こんなのことをしたい」と主張するだけでは、「それやる必要あんの?」「本当に効果あんのか?」「金かかりすぎじゃね?」みたいな反論を受けてしまいます。

そこで、行政が高度に政策的専門的になっていることを逆手にとって「私(行政側)じゃなくて、権威ある有識者様がやりなさいと言っているんですよ」というフィルターを中間にかますわけです。それが審議会の意見書とか答申に当たるものです。フィルターではなく「ご隠居さまの印籠」と言い換えることも可能です。

これに対し議会やマスコミは、もともと専門的知識のある人たちの集まりではありませんから、専門家(その代表は学者)といわれる人たちの意見に反論するだけの知見を持ち合わせていない場合がほとんどだと思われます。
さらに審議会に「民間(団体)代表」という人が加わると、議員にとっては「票田」として、マスコミにとっては「販促対象」としての庶民の意見に異論を唱えるのが躊躇されます。特にマスコミは「反権力で庶民の味方」という形式的なスタンスが刷り込まれているので、「権力側でなく民間(庶民)側の意見ですが、何か?」と言われてしまうと、ペンの矛先がついつい鈍ってしまいます。

さらにマスコミにとって弱みなのは、審議会のメンバーにマスコミ代表が入っている場合です。
審議会メンバーのマスコミ代表はたいてい、その社の中でそこそこ偉い人(元職なら偉かった人)ですから、同じ会社の現場の記者は、審議会の答申や意見に反対するような記事を書きづらい風潮が生まれる可能性を否定できません。

こうして官僚は、第三者機関として中立公正かつ専門的な審議会の意見を仰ぐというという形式をとりつつ、自らにとって都合のいい結論を出してくれそうな学者(いわゆる「御用学者」)、民間代表、マスコミ代表が多数派を形成できるように委員を選べば、議会やマスコミの反対をかわして、やりたい政策を遂行できるのではないか、というのが私の素人考えです。

そんなことを考えながら今の国の審議会のメンバーをみると、意外と同じような人がやっているんですね。

おなじみの鎌田薫委員は「法曹の養成に関するフォーラム」「法曹養成制度検討会議」「中央教育審議会法科大学院特別委員会」という近時の司法関係主要3会議のほか、最近ニュースになった「教育再生実行会議」「法制審議会民法(債権関係)部会」の主要メンバーとしても活躍されています。
また、同じくおなじみの井上正仁委員も鎌田委員と同じ主要3会議のほか、取り調べの可視化などをテーマに、やはり最近ニュースになっている「法制審議会-新時代の刑事司法制度特別部会」の委員としても論陣を張っておられます。

でも、思うんです。

審議会のメンバーにいくつも重用されている方は、自分の研究や活動が評価され、自説や持論を実践できる絶好の機会で光栄なこと、と受け止めているかもしれません。

しかし、行政側はもしかしたら、自らの都合のいいように動かす「あやつり人形」のように思っているだけではないか、という疑念も払拭できません。

2013年2月26日 (火)

立命館大学法科大学院の学生定員見直し告知

「立命館大学法科大学院の学生定員見直しにあたって」
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/hoka/news/news_130220-3.htm

の中で

しかし、そのような中でも、法科大学院は、理工学部出身者、心理学を専攻していた方、法哲学など基礎法を専攻していた方、銀行・商社の勤務経験者といった多数の他学部出身者・社会人経験者など、多様でユニークな人材を、法曹界、さらには法律の素養を必要とする公務部門・産業界に送り出しています。これらのうちのかなりの部分は、旧司法試験の制度では司法試験を目指さなかった人々です。

というくだりがありますが、最後の「人々」が実際に立命館ローで学んだ具体的な人たちのことを指すのであれば、きっとそうなんでしょう(その一方でLS制度になったせいで司法試験を目指せなくなった人もいると思うんですが)。

そうだとしても、一般的に、ここに列挙された部類の「多様でユニークな人材」が旧司法試験下では司法試験を目指さなかったのか、と考えると、そんなことは決してないと思います。

現行(旧)65期修習生は、たった73人ですが、その中にも官僚、金融マン、医師など様々な職業の出身者がいらしたそうです。

また、私と同じ業種の出身で、私が直接または間接に個人的に知っている複数の司法試験合格者は旧司組のほうが多く、しかもみな仕事を続けながら合格しました。合格までの期間も比較的短期でした(中には一発合格の方も。私だけが十数年もかかりました・・orz)。
新司法試験で合格した方は仕事を辞めてからLSに行かれました。

旧司と新司のどちらが多様性にすぐれているかは、既に一定のデータに基づく私なりの検証で旧司であるとの結論を出しました。

本当は法務省が社会人(有職者)という括りで合格者割合のデータを出して、新旧できちんと比較することができるはずです。旧試験の出願書類には有職者かどうか、有職者であればその職種を記入させる欄がありましたから(旧司法試験受験案内の12ページ参照)。

でも、なぜかそういうデータが出てきません。

※参考
立命館ロー定員削減(130名→100名)(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52006960.html

2013年2月24日 (日)

法曹養成制度検討会議第8回会議議事録

以前の記事で、鎌田委員の発言要旨について触れました。具体的にどんな発言をしたのか議事録で確かめてみました。

「若い法曹志願者を養成する立場にある者といたしましては,皆様がそういう人たちにより手厚い支援をすべきであると応援していただけることは大変有り難いとは思っていますが,その原資を法科大学院に対する財政支援を削ってということについては絶対に賛成できないということだけ申し上げておかなければならないと思っています。」

想像以上に露骨な言い方でした。
発言の後、佐々木座長に「事柄の性格上,非常に熱の入った議論が続くのですが・・」なんて言われているので、かなり必死に熱弁を奮ったんではないでしょうか。会議が非公開なので確かめようがありませんが。

国から補助金を受けている業者が“補助金を削るなんて許さん”とクレームを付けている。役所の窓口に押しかけてきた、とかではなくて、補助金に関する事実上の決定権を持つ有識者会議の場で、その委員として。

その後の発言もちょっとアレです。
配付資料
の69ページの表を根拠に給費制が復活すれば「給費分だけで100億円」などと発言していますが、この表は給費に戻した場合の費用を推定する根拠にはならないと思います。
鎌田委員は「司法修習生手当・賞与金関連」という項目の単年度ごとの数字を見て言っていると思いますが、「関連」の詳しい費目が分からない以上「給費分だけで」とは言えないはずです。しかも現行(旧)司法修習の期間は1年を超えているので、単年度中に修習生への給付が2期分にわたり、いわば重複している期間があると考えられます。だとすると、この表に記載されている数字は修習期間を現在の1年とした場合のシミュレートには使えないはずです。

給費制下での支給額については「非修小役人ブログ(仮)」さんが詳細な試算をしています。
「給費制と貸与制の比較」

http://blog.livedoor.jp/matatabifurafura/archives/4360422.html

この試算額をもとに、前記配付資料2ページにある貸与制実施状況の申請額別内訳割合を使って、修習生2,000人として私なりに試算したところ、「給費分だけ」(といっても賞与、各種手当も含む)の年間の経費は約71億円となりました。
奇しくも鎌田委員はこの席で、法科大学院への年間の財政支援が年間総額で「71億円」だと言っていますので、あらやだ、法科大学院への財政支援をやめればちょうとぴったり給費分を賄えるじゃないですか!
そもそも、この日の会議は給費制を議論すると事前に分かっているんだから、事務局は給費に戻した場合のシミュレーション資料を出さなきゃダメでしょう。優秀な官僚なら本来そうすべきと当然考えるはずですから、オモテに出すと都合が悪い数字になったと推測します。
ともあれ、こんな公の重要な会議で、確たる根拠にならない数字を持ち出して持論を展開するのはやめてほしいです。

そのあともアレな発言が続きます。
貸与制が志願者減の主要な原因ではないという主張の根拠を

「その一つは給費制から貸与制に切り替わるということはスタート時点から決まっているわけです。今入学して,自分が試験を通ったら貸与制になるという年に受験者が激減したかというと,それは一貫して減っている波からほとんど変化はないわけです。」

と自虐ネタで説明。

「恐らく全ての法科大学院は大赤字でいる」

という発言は学部生、ロー以外の大学院生は覚えていたほうがいいと思います。支払った学費の一部が自分たちへのサービスではなく、法科大学院の赤字の補てんに使われている可能性が高いということです。

あと

「(ロー生が)数年間百数十万円を払って,そして3回試験を受けても未修者の場合には合格率が50%を切っている。そして司法試験に合格しないと,返還猶予などなくて,在学中の奨学金はすぐに返させられるわけであります。そういうところの障害の方がはるかに大きい。」

と言ってるので、ロー生の経済的負担が大きいという認識はあるようです。こうした状況下でもしローへの補助金が削減された場合、授業料を値上げするのは忍びないので、受験資格制限を撤廃してローに通わなくても受験できるようにすべきと考えるのが学生のためだと思うのですが、なぜか

「多分授業料は更に上っていくわけであって,入り口でかなりのリスクを引き受けながら,しかも時間とお金をかけなければいけないというところの負担感の方がはるかに大きくなる。」

とか言っちゃう。
あくまで自分の実入りのことしか考えず、補助金カット分の補てんは学生側に転嫁する腹づもりのようです。

ロー擁護派の正体見たり、です。

2013年2月23日 (土)

司法制度改革を取材するマスコミ記者の方へ

司法制度改革の柱である新たな法曹養成制度が抜本的に見直されないまま推移していることは、太平洋戦争末期の軍部の迷走に似ていると思います。失敗と破綻は明白なのに「理念」とか「国体護持」を金科玉条に現況や戦況の見込み違いを頑として認めず、事態の好転を妄信して終局の決断をためらっている間に、多大な弊害・損害をもたらし続けている点がそっくりではないかと。

それ以外にも太平洋戦争下と似ている状況があります。
マスコミ報道が管制的情報中心で、弊害や損害を国民に対し正確に伝えていないのではないか、という点です。

新法曹養成制度が現にもたらした弊害やその懸念としては

・LS強制制度が経済的時間的条件を課して法曹への途を狭め、志願段階で法曹の質や多様性を貧弱にしている。
・法科大学院が質の高い教育を提供していないにもかかわらず三振制度があり、しかも法務博士の社会的評価がほぼゼロであるため、多額の学費と時間を投資しながらLSのメリットをなんら享受できない人が続出している。
・法科大学院の高額な学費と、兼業禁止を伴う貸与制により司法修習生が理不尽な経済的困窮を強いられている。
・弁護士の就職難と資格取得までの多額の費用負担が相まって法曹を目指すことがハイリスク・ローリターンであることが広く認識され、法曹を目指す人の激減に歯止めがかからない。
・弁護士の就職難によりOJTの機会が激減し、弁護士の質の低下が懸念されている。
・弁護士の激増、LS・貸与制による多額の借金により、弁護士の経営環境が悪化し、採算を度外視した弱者救済や公益的業務に当たる余力・意欲が失われつつある。
・法曹の激増に伴う淘汰の過程で国民が過誤等による損害を受けるリスクが高まっている。

などを挙げることができます。

これらのことは、マスコミが取材源を官僚、公の会議・委員会、日弁連幹部など管制的なものばかりに頼らず、LS生、第一線で活動する弁護士、司法修習生など当事者とも言える関係者の生(なま)の声に耳を傾ければ実感できると思うのです。

司法制度改革を担当する記者は社によって違うと思います。ふだん裁判所や検察を担当する司法記者がカバーしている場合もあるでしょうし、行政機関としての法務省や文科省を担当する記者がカバーしているかもしれません。あるいは、論説委員とか編集委員という肩書の方が専門的に担当している場合もあるでしょう。いずれにせよ、生(なま)の現状と当事者の声を取り上げつつ、この国の司法の行く末までしっかり見据えてほしいと思います。

マスメディアは戦時中、大本営発表を鵜呑みにし、国民に事実を伝えることを怠り、結果として若者を戦地に駆り立てた戦争責任を戦後に自覚し、猛省しました。
法曹養成は人の生死に直接は関係しませんが、その在り方は国家の重要事項であると同時に、法曹を目指す人々の人生を大きく左右するものです。
ぜひ現場の記者の方々は過去の教訓を思い起こし、戦後に自覚した報道の使命に立ち返って司法制度改革の取材に当たってほしいと願います。
将来、司法制度改革の失敗が歴史的事実となったとき、「あのころの司法担当記者って一体何をやっていたの」と問われないためにも。

※参考ブログ
「『朝日』がくさす本当の理由」(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-639.html

※参考記事=社会人を法科大学院に駆り立てるマスコミの特集記事
「司法試験不合格のリスクは伴うが、確実なキャリアチェンジを可能にする法科大学院」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/ad/clients/daigakuin/guide/vol2.html

2013年2月17日 (日)

続・法科大学院視察の実態

先の記事で、法曹養成フォーラムで行われた法科大学院視察に関する開示資料を考察しましたが、法曹養成制度検討会議でも同様の視察が行われました。その視察に関する開示資料もここに公開しておきます(いずれも文部科学省まとめ)。

視察先は成蹊大ローと一橋大ロー。
視察日はいずれも昨年11月6日で、フォーラムの視察から1年弱後です。
フォーラムの視察以降、法科大学院入学者のさらなる減少など、LSの評判はますます落ちこんでいった(だからこそ改善策が真剣に話し合われている)と思うのですが、相変わらずLS教育を評価する意見が大半を占めています。両校のうち一橋は、いわゆる上位校ですから、まあ、そういうこともあるのかな、とは思いますが。

この手の視察の茶番性は弁護士HARRIER先生も指摘 しているところです。しかし、たとえ茶番でも現実には、ここに列挙された意見がロー生の代表的な意見とみなされ、それを元に法曹養成制度が決まっていくわけです。

この視察での意見交換出席者以外のロー生の方は、これらの意見をどう見ていらっしゃるのでしょうか。受験期間・回数制限に伴う不安などは意見を同じくする方も多いと思いますが、その他の意見も「まさにわが意を得たり」と考えているのでしょうか。

今後は、誰もが自由に発言できるパブリック・コメントに注目したいと思っています。

※成蹊大学法科大学院視察関連開示資料

■学生の主な意見
・ 最初の頃は授業を聞いても分からない。ただ、授業が進んで全体像が見え、かつ他科目も学ぶと相乗的に内容が見えてくる。
・ 学部と比較してLSでは判例を重視している。旧試験の頃、大学では勉強を教えてもらった記憶はないが、LSでは実務を見据えて判例を多く研究する点が重視されている。
・ 合格率については、自分がしっかり勉強をすれば、ここまでやれば合格するという水準が見えてくる。そのための勉強時間を確保することが課題。
・ 経済的不安や合格への不安もあるが、それは覚悟の上で入学している。
・ 将来必要になる文章力や考える力を普遍的に養うことが重要。過去問を用いることはあるが、「ここが司法試験に出るから勉強しておけ」といった授業は無い。
・ 前期・後期の最後にアンケートがあり、学生からの要望を取り入れる教員もいる。例えば、小テストを定期的に行うようになった改善例もある。
・ 補習はあまりなく、自主ゼミが多い。友人が集まって3、4人でやることが多い。
・ 答案を見せて互いに批評したり、お互いに分野を決めてレジュメを作り、説明しあうなどの勉強を行っている。
・ チューターが司法試験合格者なので、受かるために必要なことを教えてくれる。
・ 司法試験に合格できるか、自分の立ち位置が確認できないのは不安。今は授業の試験で周囲と競い合ってモチベーションを保っている。
・ 夜間開講は大きい。また、サテライトが丸の内にあるし、講義の録画ビデオもある。自習室は24時間使えるので助かる。
・ 社会人がいることは、他の昼間コースにいる学生にとっても影響がある。社会人の限られた時間で効率よく学習する姿勢や様々な社会経験は他の学生のためにもなる。
■教員の主な意見
・ 入試担当として志願者の減少を感じる。しかし、説明会等を開くと社会人はとても熱心な者が多い。
・ 演習や実習を除き、全ての授業を録画している。出席扱いにはならないが、ビデオを見て復習する学生が多い。理由があれば教員は録画を拒否することもできるが、拒否する教員はほぼいない。
・ 新しい司法試験は考える力が問われる。基礎をしっかりとやり、それを演習等で実務に繋げる。その中で考える力を伸ばせば試験に対応できる。

※一橋大学法科大学院視察関連開示資料

■学生との意見交換
・ 学部4年間で学ぶ法学知識と法科大学院で学ぶ法学知識に違いはあまりないと思うが、実際に起こっている問題に触れるのは法科大学院の方が多い。実社会に近いと感じる。
・ 初めて法律を学ぶ人と、多少学んでいる人が同じクラスにいることで温度差もあるが、良いところもある。
・勉強が大変。すごいスピードで授業がすすんでいく。こんなに勉強したことないと思う位に勉強している。同級生には若者が多く、社会人経験がある人もおり、話していると刺激になる。
・ 自主ゼミの場で答案を書いてみることをしている。そうすることで他人に見てもらえる。またゼミの場でなくてもわからないところを聞いたり、理解したと思っているところを質問されて自分の理解度が弱かったことに気づいたり、他人に教えることで自分の理解が深まることもあり、周りに助けられているという想いはある。
・ 先生に教えられるよりも学生から厳しいことを言われるほうが効く。友達に質問したら嫌がらずに教えてもらえる。
・ 司法試験に3回受験して受からなかったらどうしょうと思う。1発合格しても修習を終えて社会に出るのは28歳の時。
・ 「法務博士(専門職)」をもっていても司法試験に受かっていなければ、司法試験に受からなかった人という烙印を社会から押される。
・ 法曹倫理で、弁護士としての心構えとかをある程度学ぶが、プロフェッショナルとなり自分が人に影響を与えることになるのだと感じるのはエクスターンシップやゼミで学んだ時だった。エクスターンシップでは、紙1枚でその人の人生が決まるんだと思った。
・エクスターンジップは、受け入れ先にもよるが私が行ったところは2週間。弁護士について行って、裁判所に実際に行って通知書を見せてもらったり起案をしたり、どういう業務をしているのかがわかった。
・ 私は都心の出身だが、弁護士となって地方に行くことに抵抗は無い。しかし今後結婚して子どもが出来たら、その地方で満足がいくように育てられるのかと心配に思うことはある。弁護士に限ったことではないが。
■教員との意見交換
・ 他の法科大学院との違う点を上げると、未修1年次は憲法・民法・刑法・刑事訴訟法・民事訴訟法の5科目に集中して教育をしている。その効果を検証したことは無いが、主要5科目に集中させることが基礎固めに役立っているのではないか。
・ 適性試験では良い点を取っていても法科大学院に入ってから伸び悩む学生はいる。この点はもう少し研究をすることで、もっとよい教育が法科大学院で出来るのではないか。
・ なぜ合格率が高いのか、よくわからないところもあるが、理由の一つは定員が適正な規模になっており、教員は学生に目が届き、学生も教員に相談に行ける環境となっていること。二つ目は学生アドバイザーの存在だと思う。
・ 企業の法務部から、学生に興味を持たせるために説明に来てもらうことをしている。また、大学全体ではキャリア支援室というところで法科大学院生についても企業に採用を呼びかけており、数は多くないが法科大学院修了生を採りたいという話も来ている。
・ 教員と学生の比率はそこまで低くはないが、如何に相手を説得するか、学問の性質上答えは1つではないので、ある程度多彩な人材の中で討論ができるようにと考えてやっている。
・ 教員同士だけでなく学生同士でも討論をしていることが、結果として上手くいっているのではないかと思う。学生が討論していてわからなければ、教員を巻き込むようにしている。

2013年2月14日 (木)

東大文一、足きりなし確定に思う(追記あり)

今春入試で東大文一の足きりなしが確定しました。
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/h25/pdf/saikoutennsaiteitennheikinntenn.pdf

文一で足きりが行われなかったのは「共通一次が始まった1979年以来34年ぶり」だそうです。
https://twitter.com/todai_info/status/301576273849884672

次の注目は二次試験の科類別の合格者平均点と合格最低点です。

ところで足きりのなかった文一出願者のセンター最低点は203点でした。900点満点で得点率約22・5%。ちなみに文三の足きりラインは約78・5%(707点)です。

203点でチャレンジした受験生、私は好きです。
もしかして冷やかし受験かもしれないけど、そうではなくて、予備校の足きり予想やネット上の高度な情報戦(?)に惑わされずに信念を貫いた、骨のある受験生と信じたいです。東大は2次でセンター点はかなり圧縮されるので、2次で高得点を取れば十分にいけます。ぜひ合格して伝説になってほしい。

思えば自分の旧司初受験の時、択一本番直前に受けたWセミナーの2回の全国模試は30点と29点(60点満点)でした。これで本試験を受けるのは無謀かとも思いましたが「自分は本番に合わせて勉強してきたんだから大丈夫」と信じて受けたら通っちゃいましたから、本試験は何が起こるか分かりません(当年の合格推定点は42点)。

もっとも、このビギナーズラックが「俺って天才じゃね?」という妄信と、「続けていればいつかは受かるな」という確信の両方を自分に抱かせた結果、受験生活が十数年に及ぶこととなりました..orz
前者は明らかに壮大な勘違いでしたが、後者は結果的には当たっていたことになります。

この時期、司法試験や予備試験受験生だけでなく、大学受験生もプレッシャーに耐えながら、必死の思いで最後の追い込みをしていることと思います。月並みな励ましですが、周囲の雑音やいい加減な情報に惑わされず、自分の可能性を信じて頑張ってほしいです。

※追記(2月23日)
文一足きりなしが何年ぶりか、に関して

https://twitter.com/todai_info/status/304218490041147392
から引用します。
「一部報道で文一足切りなしは「13年ぶり」とされていますが、00年は足切り予定倍率を上回った上で1人足を切られているため、当サイトでは足切りありとして扱っています。」

当ブログでは東大受験データの把握に関してマスコミよりもはるかに定評がある上記サイトの見解を採用します。

2013年2月 9日 (土)

旧帝、一橋の法学部志願者が軒並み減

今春大学入試の旧帝大と一橋の法学部出願状況を前年比でまとめてみました。東京、一橋の最終確定はこれからですが、既に出願が締め切られているため、ほとんど変更ないと思います。とり急ぎまとめたもので、転記ミス等による間違いが判明すれば随時、訂正します。

2013年度前期試験の法学部出願状況(河合塾調べ)
http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/shutsugan/
※東大は文科一類、阪大は法学科。名大は募集人員が前年比5人増。かっこ内は前年

    募集人員  志願者数      倍率
東京   401    1169(1592)    2.9(4.0)
一橋   155     517(537)        3.3(3.5)
北海道  140        267(318)        1.9(2.3)

東北    140        371(356)        2.7(2.5)
名古屋  105        281(300)        2.7(3.0)
大阪    145        335(358)        2.3(2.5)
京都     320        780(807)        2.4(2.5)
九州     159        390(400)        2.5(2.5)

東北大を除いて志願者数は軒並み前年割れ。法学部離れの流れは確実です。
東大は文一の足きりなしがほぼ確実。文一の不人気は官僚離れが原因という声もありましたが、官僚志願者が特に多いとは思われない他大でも減少傾向にあることを考えると、東大を含む法学部離れの主因が、法曹の価値衰退による法曹志願者の減少にあることは確実だと思います。

これを法科大学院推進派はどう思っているのでしょうか。法曹養成は法学部中心からロー中心の制度に移ったので、むしろ望ましい結果だと思っているのでしょうか。
まさかそんなことはないでしょう。LSの多様性の理念が崩壊し、司法試験合格率を既修者が支えているのが現状です。法学部に優秀な学生が入ってこなくなればロー生、司法試験受験生の質もますます下がっていき、推進派の悲願である合格率の上昇も期待できません。

以前の記事で書いた指摘をもう一度、繰り返します。

これで司法制度改革推進派が政策の失敗を自覚しないのなら鈍感にもほどがあります。

※参考 私大法学部一般入試出願状況
慶應と中央は法律学科のみ。早稲田は一般入試枠が前年比50人増、一般センター利用併用枠(100人)は廃止

       募集人員  出願者
早稲田
 
一般    350        4967(5232)
 
セン利    100        2248(1949)
慶應    
  230        2215(2308)
中央
 
統一入試   35         256(352)
 一般入試   60        1536(1551)
  セン利併用 45        1897(1962)

 
セン利単独 80        2932(2759)
http://www.waseda.jp/nyusi/shigan2/index.html
http://www.admissions.keio.ac.jp/exam/shigansha.html
http://www2.chuo-u.ac.jp/nyushi/nippou.html

2013年2月 7日 (木)

法科大学院視察の実態

ちょっと古い話ですが「法曹の養成に関するフォーラム」で早稲田法科大学院(平成23年12月13日実施)と東大法科大学院(平成24年1月20日実施)の視察が行われました。その際の学生や教員との意見交換の内容を文部科学省がまとめた文書が情報公開請求で開示されました。読み比べてみると、両校で意見のトーンが随分、違います。

以下がその内容なんですが、学生や教員による各意見の冒頭に付いている●印について
・法科大学院制度の現状や司法制度改革の方向性を肯定・評価する意見は青色に、
・法科大学院制度の現状や司法制度改革の方向性に否定的または問題点を指摘する意見は赤色に、
・現状肯定・否定のいずれでもないか、良い点と課題点を両論併記する意見は黒色に、
それぞれ私の独断で分類してみました(分類に迷う微妙なものは黒色にしたつもりですが、あくまで独断です。ご容赦ください)。

初めに早稲田ロー視察の意見交換での主な意見です。

 法科大学院は実務家の先生が多く、実務と理論の架け橋をして教えてくれる。他学部出身者や社会人経験者の人もいて、例えば社会人経験者の人から「会社ではこうだった」等の話を聞くと、法律が実社会でどう役立っているかがわかる。
 1年目のときは正直六法の使い方もよくわからなかったが、授業は法律の基本的な事柄がわかっている前提ですすめられているように感じた。私は他学部出身だったので、周囲にいっぱい助けてもらって何とかやってこれた。
 刑事のクリニックを受け、弁護士の先生に付いて、被告人との接見や実際の裁判にもついて行った。弁護士の先生を見ていると、法律知識だけではなく、関係者と円滑なコミュニケーションを図れるかが重要と感じた。
 NGOにエクスターンし、8月下旬に10日間タイに行き、弁護士が人権について教える場に一緒に行った。日本の弁護士が国際的な人権活動にどう役立つことが出来るのか、また、国内にいたら国内業務がメインの仕事になるが、国際的な場で自分のキャリアをどう活かせるのかについてしっかり考える機会となった。
 学生の質が落ちていると言われつつあり、司法試験合格者数の人数を減らすという話で進んでいるように感じるが、司法試験合格者数は政府として3,000人を維持して欲しい。
 私は他学部出身であり、法科大学院が無ければ法律家になろうと思わなかった。多くの人にチャンスを与える制度だと思う。新司法試験の受験資格に予備試験のルートが出来たが、働きながら予備試験の勉強をするのは無理。
 入学前は漠然と「法曹になりたい」と思ってそのためには法科大学院に入る必要があるから入ったものが、法科大学院に入って実務家教員から実務の話を聞くと勉強のモチベーションが上がるし、勉強する仲間がいるので励まし合えることはいいこと。法科大学院制度を維持してほしいと思う。
● 新司法試験の過去問を解いた感想は、時間が足りないということ。ちゃんと読めば書けると思うものの、今まで勉強してきた成果を全て出すためには時間が足りない。

 旧試験と比べると現場型という印象がある。暗記していていても解けない。
 法科大学院を受ける時に旧司法試験の勉強もしていたが、今の試験は暗記だけでは太刀打ち出来ないとショックを受けた。でも法科大学院で学んだりーガルマインドで、過去の判例がないものを解決する、考える力がついてきた。
 あらかじめ問題が出されてレポートを提出する。実務家となった場合に問題をどう解決するか、現場において事情が複雑に絡まったものをどう解きほぐして答案を書くのかというところを教えてくれる。
 リーガルクリニックでは実務家と研究者が両者で共同して教えるのが特徴。法科大学院でないと出来ないスタイルだと思う。
 事例を出して、実務でやっている内容を学生に考えさせている。問題解決能力を養うもの。あらかじめ学生に課題を提出し、事前にレポートを提出させ、学生はどの点が理解できていないのか、学生の状況を把握しながら授業を行っている。
 司法試験を目指している人に対しては、修了後特別研修生としての身分を与え、アカデミックアドバイザーの活用や自習室を開放するなどして3振するまで面倒をみる体制。
● 純粋未修者はいろいろな者がいる。総代、つまり学年のトップの成績となる者はいつも純粋未修者であったりもする。未修者については、法律の専門試験を課さないため、差はあるが仕方がない。

 模擬裁判でも弁護士顔負けの弁論をする者もいる。今回は時間的に厳しいが、是非見に来ていただきたい。
 悩ましい問題。司法試験は資格試験であるということであり、質についての議論はあるが、我々としては、2,000人と3,000人の間で実際にどれくらいの差があるのか、2,000番の者と3,000番の者にさほど差があるようには思わない。
 3,000人となっていない点はいろいろ議論があるが、法科大学院志願者全体の質が下がっているのが問題
 学生は目の前に司法試験があり、自由な活動が制限されている印象。震災のボランティアなどで現地にという話も時間も余裕もない状況。
 司法試験に受かったものの就職先がないという状況は伺っている。法科大学院側としては、職域拡大とその拡大される職域に向けた教育をやっていかないといけないと思っている。

全20項目の主な意見のうち肯定的意見15否定的意見3その他2です。

次に、東大ロー視察の意見交換での主な意見です。

 法科大学院制度が始まり8年から9年経ち、私達が法科大学院に入学する時は修了者の8割から9割が合格すると言われていた。しかし制度見直し論が言われるなど事態が急変している。落ち着いて学修したいのに、外部から色々と言われて学修環境に不安を与えており、いい気がしない。
 入学してこれまで勉強してきて法律家になるイメージができてきた。私は私なりの法曹像がであり、受かればそのようになりたいと思っている。
 予備試験は法科大学院の進学費用や通う時間が無い人にも法曹を目指せるようにする制度だと理解しているが、抜け道をつくるのであれば、法科大学院制度にこだわりを持って、費用の点で経済的支援制度など考えて欲しいと思う。このまま法科大学院制度が無くなると悲しい。
 純粋未験者に対するフォローアップの方法を多少何とかしてほしい。法科大学院を卒業しても将来は法曹になれないかもしれない、なれても就職できないのではないかと不安になる。
● 司法試験の合格率が20数パーセントと見た目上は低い数字であるが、この数字が一人歩きしているような気がしている。本気で法曹になりたい人は合格して法曹になっている。

 司法試験の時期や入学定員の問題もわかるが、私は司法試験に1度落ちた友人の落胆を見ていて、司法試験の受験回数制限がプレッシャーになっていると感じる。
 今の制度では社会に出るまで時間がかかる。27、28歳になり、法曹三者になる場合は周りも同じ位の年齢なので良いが、公務員や企業に就職した場合は学部卒で就職した者と年齢に差がある。社会に出るまでに時間のかかる状態を何とかしてほしい。
 授業料が高い上に、授業の予習復習をしているとアルバイトができず、私は親のスネをかじっている。スネをかじれる人は良いが、親に負担をかけることができない人もおり、奨学金なども借りているが、経済的に苦しい状態の友人は多い。
 限られた時間の中で教育効果があがるように、学生から答えが上手く出てこなければ別の切りロから質問し、理解してほしいところを考えながら授業を進めている。
 自分達が学生の頃は大教室での授業に加えて予備校に通い勉強していたが、今の法科大学院生は少人数で密度の濃い授業を受けている。長い目で見て、全体として法律家としての素養を身に付けているかどうかが重要。
 いろんな方向から質問することでこちらの問題意識を伝え、共有してもらうようにしている。答えがないオープンな議題については学生と色々と議論しながら一定の方向に考えてもらえるように考えてやっている。
● 未修者入学者数と社会人経験者が減っている一方で、他学部出身者はコンスタンに入学している。未修者の特徴として、純粋未修者は法律の勉強が水に合い既修者を追い越すくらいに伸びる学生がいる一方で、法律の勉強が今ひとつ合わない学生もおり、その格差が激しい。

 未修者は1年経ったら既修者と一緒に学修することになる。1年生のうちは楽しいが、2年生に進んだら既修者とのギャップを感じ、司法試験を見て不安に感じる。制度としてはどのようにケアしていくかは課題かと思う。
● 個人的な意見だが、司法試験問題が難しすぎるのではないかと思うことがある。制度的に司法試験問題の検証や見直しが出来ないのかと思う。
● 自分が学生の頃より法科大学院生は熱心に勉強している。授業開始に遅れると大ブーイングを受けるし、文章を添削するとその内容に食いついてくる。しかし、当初はなかったこととして、未修者はバラツキがある。学生をどう底上げしていくか、教師としての勉強もしているところ。

全15項目の主な意見のうち肯定的意見5否定的意見6その他4です。

両視察ともほぼ同じ時期に行われましたが、ご覧の通り意見の内容はかなりトーンが違います。早稲田の方は、質の高い教育が施され、院生も学習意欲を高めながら充実した環境の中で学生生活を謳歌しているように見受けられ、全国のLSの模範となるべき理想的な大学院像を思い浮かべます。

これに対し東大の方は比較的、現実を冷静かつ客観的に見つめ、将来を決して楽観視せずシビアに見据えているように見えます。現行制度にはいいところもあるけど、問題点も少なくないことを率直に認めている感じです。

でも、法科大学院としての実績や人気は東大ローの方が上なんですね。それなのに内部の評価は逆で、しかも随分とギャップがある―。強烈な違和感を感じます。

どちらの意見が実態をより正確に反映しているのかは、広く国民から意見を募った、「法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書」に対するご意見の募集でロー制度がボッコボコにされたことを思い起こせば明らかでしょう。

ではなぜ早稲田視察はマンセー意見が多くを占めたのか。

もし視察に大学総長が同席していたら、批判的な意見は言いにくいだろうなあ、と思ってフォーラム資料の早稲田大学法科大学院視察の概要をみてみると、さすがに出席委員の中に総長の名前はありませんでした。

しかし、教員側の出席者欄をふとみると、

6 教員との懇談会
(1) 出席者(敬称略)

鎌田薫早稲田大学総長(民法)

―(以下省略)―

これでは少なくとも教員は本音を言いづらいだろうなあ。

それにしてもフォーラムの有識者委員が視察の席で大学院側の意見を述べる方にいたとは。

これが「視察」と呼ばれるものの実態なんでしょう。お膳立てされた場で行われる「やらせ」、茶番とでもいいましょうか。行政上の各種審議会なんて恣意的行政に公正中立専門性を装わせるための道具にすぎないと痛感します。それを知ってか知らずか分かりませんが、審議会等の答申や意見を無批判に受け入れ、時に金科玉条のように扱うマスコミの責任も大きいと思います。

2013年2月 6日 (水)

東大文一の第1段階選抜(足きり)なしがほぼ確実に

平成25年度東京大学2次試験出願状況
  更新日時:平成25年2月6日(水)17:00
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_09_j.html

<前期日程試験>
        募集人員 志願者数 志願倍率 第1段階
                         選抜倍率
文科一類  401人  1162人 2.90倍 約3.0倍
文科二類  353人  1131人  3.20倍  約3.0倍
文科三類  469人  1635人  3.49倍  約3.0倍

出願締め切りは本日必着です。
この数字はあくまで17時までに受け付け処理が終わった数だと思うので、最終的な志願者数はもう少し増えるはずです。それでも増えるのはわずかでしょうから、志願倍率が第1段階選抜(足きり)予定倍率に達せず、足きりが行われないことがほぼ確実になったと言っていいと思います。

文一で足きりが行われなかった例は、少なくとも2001年度以降はないようです。
http://todai.info/juken/data/#1st_4

以前にも書いたように志願者数の多寡は必ずしもその科類の人気不人気を反映しません。そうだとしても足きりがなくなるほど低迷するとは思いませんでした。公務員不人気という状況もあると聞きますが、法曹の価値下落→法学部の不人気が原因であることはほぼ間違いないと思います。東大の法学関係者のみならず全国の大学の法学関係者にとって少なからずショッキングな事態だと思います。
これで司法制度改革推進派が政策の失敗を自覚しないのなら鈍感にもほどがあります。

東大2次試験出願状況速報(2月5日17時)

東大2次試験出願状況速報(2月5日17時)
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu03/e01_09_j.html

平成25年度東京大学2次試験出願状況
   更新日時:平成25年2月5日(火)17:00
<前期日程試験>
        募集人員 志願者数 志願倍率 第1段階
                      選抜倍率
文科一類 401人   1012人  2.52倍 約3.0倍
文科二類 353人   1029人   2.92倍  約3.0倍
文科三類 469人   1530人   3.26倍  約3.0倍

出願締め切りは、今日2月6日必着。
このままだと文一は
志願者数が少なくて足きりなしになる可能性が強いです。過去に前例あるんでしょうか。

2013年2月 3日 (日)

志願者予想は前年比減―予備校の東大文一動向分析

法学部離れが進む中、法科大学院推進派には東大の法学系関係者も多いと思うので、もし今春の東大入試で文二>文一という結果が出れば、推進派の意識も変わるのではないかと密かに期待しています。

そこでこの春の東大入試(文系)を合格発表までウオッチしていくことにしました。

以前の拙稿で東大文一の人気不人気の程度を測る指標としては、センターの第一次選抜通過ライン(足切り点)よりも2次試験での
①出願者(志願者)数の推移
②合格者平均点
③合格者最低点

を見るのがいい
と、書きました。

いずれも確定値はこれからですが、センター試験後、出願前の①の動向について予備校の分析をみてみると、河合塾では

<文科一類>
ここ数年の入試で志願者の増減を繰り返している文科一類。2012年度入試の志願者増加による反動とセンター試験の平均点ダウンにより、出願予定者は前年比86%となりました。

とのことです。

また、ベネッセ・駿台データネットによれば、文一前期の志願者数は対前年指数で「84」

いずれも前年よりダウンしています。
これらのデータは予備校の第一次通過ライン予想が出る前の動向です。通過ライン予想が出た後は、センターで思うように力が出せなかった文二、文三志望の受験生が、足きりを恐れて文一に出願先を変える場合もあるので、実際の志願者数の多寡は、文一の真の人気ぶりを反映するものではありません。
ですから、通過ライン予想が出る前の上記の志願者動向分析には、文一の不人気傾向があらわれていると思います。

もっとも文二も昨年比で志願者予想が落ち込んでいるので、まだ確たることは言えません(そもそも文系全体が前年より落ち込んでいるようです)。

2013年2月 1日 (金)

法曹養成制度検討会議第8回

もともと劇的な方針転換なんて期待していなかったとはいえ、これほどまでにあっさり予定調和に進んでしまうと、怒りを通り越して、ただただあきれるばかりです。

サイト「Pay for Justice!(正義のための給費を)~司法修習生の給費制廃止違憲訴訟」の下記ブログ記事で、給費制が議論された1月30日の第8回法曹養成制度検討会議の結果が紹介されています。

「検討会議の結果(ちょっと詳しいver.)」
http://kyuhi-sosyou.com/blog/?p=90

以前の拙稿で懸念した通り、貸与制を維持しつつ各種手当を給付してお茶を濁す、という方向になったようです。各種手当は単に修習生間の負担の差異を埋めるものにすぎず、修習生の困窮を根本的に解決することにはなりません。

中でもあきれたのは、鎌田委員の発言要旨です。

法曹志願者への経済的支援の財源を法科大学院への財政支援を削減して行うのは反対。数万円の給費を与えたとしても、ほとんど効果がない。

公聴会とか聴聞の場ならいざしらず、専門性中立性を旨とする行政上の政策検討機関で、直接の利害関係者が自己に不利益となる施策に反対する意見を露骨に平然と述べている。このような意見をもとにした政策決定に正当性があるのか、甚だ疑問です。

今の法曹養成制度をあらためる力を確実に持っていると言えるのは官僚、検討会議のメンバー、マスコミだと思っています(政治家にはもうほとんど期待していません)。この人たちが、和田委員から提出されたビギナーズのパブコメ集計結果を読んで、現在の法曹養成制度がゆがんでいると思わないのなら、司法は衰退の一途をたどり、三権の一翼から脱落することでしょう。
その先に待っているのは、どんな社会でしょうか。

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