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2013年3月24日 (日)

ロースクール進学は社会人ほどハイリスク

掲げたタイトルは今さら言うまでもないことですが、弁護士HARRIER先生に教えていただたデータ(法曹養成制度検討会議第10回の資料6-2日本弁護士連合会提出資料)で検証を試みました。

この資料は、2013年1月10日現在の未登録者を除く、現新65期の弁護士にアンケートした結果をまとめたものです。現行65期も含まれていますが、その数は圧倒的に少ないので、法科大学院=新司法試験ルートに関するデータとみて支障はないと思います。

この資料の5ページに「社会人経験」の有無のデータがあります。それによると、社会人経験が

ない 1135人 82.4%
ある   241人 17.5%
不明      2人   0.1%

とのこと。つまり社会人経験者の割合は17.5%です。

一方、法科大学院入学者の社会人経験者の割合は、法曹養成制度検討会議の第3回会議提出資料「法曹養成制度の理念と現状」の25ページ下段の表中の「全入学者における社会人割合」の項目で分かります。それによると、未修者が最速で新司法試験に合格して新65期となった場合に相当する入学年度である平成20年度の社会人割合は29.8%です。その前年度は32.1%、前々年度は33.3%で、過去にさかのぼるにつれ社会人の割合は上がっています。

弁護士登録者の割合と比較すると、法科大学院入学から登録までに社会人の割合が10数ポイントも下がったことになります。これらのデータから、社会人は法科大学院に入学しても、夢であり目標である弁護士登録にこぎつけるまでにかなり苦戦することが分かります。

苦戦する理由は年齢的に就職が困難だったり、勉強環境の劣勢や試験情報の不足により合格しにくいことなどが考えられます。
いずれにせよ、最終的に弁護士になれないリスクが学部新卒者よりも高いのは間違いないと思われます。

もっともLS進学がハイリスクなのは、社会人に限りません。以下のブログ記事が参考になります。
「ロースクール進学のリスク」 (司法試験情報局)
http://ameblo.jp/getwinintest/entry-10948456483.html

なお、社会人の定義は必ずしも固まっていませんが、ロー入学時に社会人経験あり、と位置付けられた人は弁護士登録後のアンケートにも社会人経験あり、と答えると思うので、入学時データと登録時データの比較において定義のばらつきはさほど気にしなくてもよいだろう、と考えています。
※参考ブログ
「多様性」の理念と現実(黒猫のつぶやき)
http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/1a2ca0f97e3d5ce62abb10e85755e6d8

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