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2013年4月

2013年4月24日 (水)

「法科大学院」と組み合わせて検索されるワード

忙しくて疲れている時ほど、なぜか眠れませんね。真夜中に特にやることもなかったので、グーグル検索のサジェスト機能から、「法科大学院」がどのような単語と組み合わせて検索されているのか見てみました。グーグルトップの検索窓に検索ワード「法科大学院」+スペースを入れたあとにローマ字入力で、ひらがな一文字だけを最初に入れてサジェストされたワードのうち、気になったものをいくつか拾いました。
【】内が「法科大学院」+スペースのあとに入れてみた文字です。


上から3番目に「うつ」と出てきました。
検索してトップに出たのは、うつで休学中の女性院生の復学相談でした。
誰からも回答はありませんでした・・・。


2番目に「オワコン」と出ます。
検索結果のトップは「法学部・法科大学院・司法試験はオワコン」という2ちゃんスレッドでした。


「熊本大学」を差し置いて1番上に「黒猫」と出ます。検索すると当然ですが、黒猫先生のブログがズラッと出てきます。恐るべき影響力です。


1番上に「詐欺」と出ます。ロー商法の悪質性がかなり世間に認知されてきたようですね。検索するとトップに「東大バイオ卒ニート」という方の日記の記事が出てきました。


まだ上から9番目ですが、ついに「戦犯」が出てくるようになりました。ちょと前までは出てこなかったワードです。検索結果でトップに出たのは弁護士HARRIER先生のブログ記事。法科大学院制度に対する日弁連の姿勢を鋭く批判していらっしゃいます。


ネガティブワードが多いです。上から1番上「無駄」、3番「無職」、5番「難しい」、8番「無意味」。暗い気持ちになってどれも検索してみる気持ちが起きませんでした・・orz


5番目に「問題点」。検索結果のトップはWikipediaの「法科大学院」。2番手は「曲がり角にきた法科大学院制度の問題点」というタイトルのブログ記事。


6番目に「辞めたい」。検索結果のトップはヤフー知恵袋で「法科大学院を中退しようか、悩んでます」という方の質問。ベストアンサーは「死ぬ気でがんばれ!」。ん~、本当にそれがベストチョイスなのか―。


10番目に「利権」。検索結果のトップはWikipediaの「法科大学院」で、「そもそも法科大学院の設置目的がまず受験予備校を悪と決めつけ、ロースクールを導入することによって新たな利権の確保(=学者のポスト)を図ることではなかったのかともいわれている」と書かれています。


1番目が「恋愛」。検索結果のトップは「男子院生の彼氏が忙しくなってもうまく付き合っていけるか不安」という趣旨の彼女からの相談。ベストアンサーは「時間管理で恋愛と勉強を両立させよ」という趣旨のありきたりな回答です。


3番目に「ローン」。検索トップは「法科大学院生専用ローン」の案内ページ。最高600万円までの低利子融資だそうです。
4番目は「ロンダ」。検索トップはヤフー知恵袋で「一流大学の法科大学院に学歴ロンダ目的で入る人っているのでしょうか?」という質問。
回答は「(単位認定が厳しく)留年したり卒業できなかったりしてその目的が達成できない可能性があります」とのこと。


4番目に「断末魔」。一見、法科大学院とどう結び付くか分からないワードでしたが、検索結果のトップは「Schulze BLOG」さんの記事でタイトルが「ジュリナビの『新64期未登録者調査』は法科大学院の断末魔の叫びか」だったので納得しました。再読しようとして「断末魔」をキーワードにして検索した人が多かったのかもしれません。


一番上に「貧乏」。検索結果トップは、どなたかのツイート。内容は「30歳半ばにして法科大学院進学を考えているけれど、家族もいて、2年間の学生生活は正直かなりハードになるだろうな。司法修習(研修期間)中もお給料ゼロ・・・やっぱり貧乏じゃ、弁護士にはなれないんだね。(後略)」。こうして法曹をあきらめる人(とくに社会人)は少なくないはずです。

※おまけ
行くべきか】(ローへ進学するかどうか悩んでいる人が検索する単語として多いのではないかと思ってやってみました)
検索の結果、トップに出たのはブログ「就活生に甘える社会人」の「法科大学院の存在なんか無視して、予備試験の合格者数を増やしていくべきではないか」というタイトルの記事。
http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-309.html
ちなみに、ブログ紹介には「『日本の就職活動のおかしさ』について綴っていきます」とあり、司法改革とか法曹養成問題を主要なテーマにしているブログではないようです。

この記事から一部引用すると

「個人的には、むしろこれから法科大学院に進学しようとする人は「多額の借金を背負う」などのリスクに対する意識が希薄だと思うし、そんなリスク管理が甘そうな人に案件を依頼したいとは全く思えない。」

これを読んだ人が法曹志願者ならロー進学を思いとどまるきっかけになるかもしれないし、一般の人なら弁護士に依頼する際に経歴を調べるきっかけになるかもしれません。

今ごろになって、超ねむいです・・・orz

2013年4月23日 (火)

パブコメ、ロー入学者数、東六

仕事と私事が立て込んで、まとまった記事を書く時間がありません。
そこで、各テーマを短文で記します。

【パブコメ】
もっと推敲したかったのですが、これから忙しくなって出しそびれてしまうことを恐れて、早めに提出しました。
それにしても前々回の記事で指摘した“氏名公表もあり得る”とする「法務省方式」は、意見提出に萎縮効果を与える点で大いに問題あり不適切ですね。人権擁護を標榜する行政庁のやり方とはとても思えません。
情報公開では公開に消極的で何かと評判の悪い外務省ですら、氏名は公表の対象にならないことが明記されています。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000071683

【今年度法科大学院実入学者数】
Schulze先生黒猫先生が独自にまとめてくださっていますが、パブコメの参考にしたい情報ですから、ただちに公表されるべきでしょう。ただ公表主体の文部科学省が中教審法科大学院特別委員会に対してより先に世間に公表することはないと思います。そこで次の委員会がいつ開かれるかというと、次回期日はまだHPで発表されていません。この会議はだいたい木曜開催で前々日の火曜午後に開催期日が発表されます(本当はとっくの昔に決まっているのに問い合わせてもHPで公表するまで絶対に教えてくれません)
。今日の午後に開催が発表されなければ、その後、GWがあるので、パブコメ締め切りまで実入学者数が公表されることはない可能性が高いです。それゆえ前記ブログ記事のデータは貴重です。

【“東六”で東大が完全試合くらう】
あの日は所用があって観戦に行けませんでしたが、東大は立教の上重投手(PL―立教―日テレアナ)以来となる完全試合をくらってしまいました。
投手陣は3失点、被安打5ですから、この日は“桑田(特別コーチ)効果”がしっかり出たと思います。
一方、打線は5点くらい取れる時もあるのに、こういう日に限って“谷沢(特別コーチ)効果”が出ず沈黙・・orz
投打の調子が日によってチグハグです。
でも、調子がピタリと合えば勝てるはずですから、次戦に期待!

2013年4月18日 (木)

法曹養成見直し 根本理念を大いに疑う(岩手日報社説)

法曹養成見直し 根本理念を大いに疑う(岩手日報)
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2013/m04/r0417.htm

批判の矛先が国や法曹養成制度検討会議に向けられた新聞論調がまた登場しました。しかも社説で堂々と。

この社説の鋭いところは、混迷のそもそもの源である司法改革の理念に疑問を呈しているところです。理念の無謬性を前提とした従来のマスコミの論調は変化しつつあると思います。

地方紙の中でも、統廃合の危機にある法科大学院を地元に抱えているところと、そうでないところでは温度差があるでしょうが、国策の誤りには地方紙の方が中央紙より敏感ですね。

※参考過去記事
「今度こそ本当に変化の兆し?」
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-2db4.html

2013年4月17日 (水)

法務省パブリックコメントの「意見提出上の注意」

「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」について(意見募集)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000099546

「3 意見提出上の注意」のところに

お寄せいただいた御意見については~(中略)~原則公表させていただき,その際,氏名又は法人名についても併せて公表させていただくことがありますので,あらかじめ御了承願います。

と書いてあります。

氏名が公表される場合があるとすれば、意見提出をためらう人もいるでしょう。そこで法務省の担当課に問い合わせたところ「匿名を希望する(氏名を公表されたくない)旨を書き添えてくれればそのように配慮する」との返答を得ました。

一方、電子政府窓口「イーガブ」の該当ページの「意見提出フォームへ」から提出する場合は、「差し支えなければ、意見提出にあたっては、住所、氏名等の情報を入力してください。(任意)」と書いてあることから、「提出意見」以外の氏名等の入力は任意です。ただし、電子政府窓口にメールで問い合わせたところ、次のような返答を得ました。
「意見募集案件ごとに規定がある場合がございますので記入をしなくても受理していただけるかは、お手数ですがお問い合わせ先に事前に確認していただくことをお勧めいたします。」
また、2000字の字数制限があるとのことです。

私はメールで提出するつもりなので、とりあえず自分の意見提出に関しては上記の法務省担当課の返答で了解しましたが、心配な方は法務省担当課へ直接確認した方がいいかもしれません。

それにしても本人の意思を明確に確認しないまま意見提出者の氏名を公表することがあり得るなんて、パブコメのデフォルトなのかと疑問に思って他省庁の意見募集要領をいくつか調べてみたら、例えば消費者庁は「頂いた御意見については、提出者の氏名や住所等、個人を特定できる情報を除き、内容等を公開する可能性があります」とし、そのほか内閣府、文科省、警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省も同様でした。

一方、法務省の別のパブコメは
「提出された方の氏名(法人その他の団体においては,名称),御意見の内容等公開する可能性があること~中略~をあらかじめ御了承願います」(「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」に関する意見募集)としており、どうやら法務省独自の方式みたいです。

一般の市民一人一人は公人じゃないですし「事前に、広く一般から意見を募り、その意見を考慮することにより、行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てる」というパブコメの目的(イーガブHPより)からすれば、法人団体はともかく、個人は本人が公表を望まない限り匿名にする、という対応が適切で、意見提出に躊躇をもたらす法務省方式はパブコメの趣旨に反し、問題があるように思います。改善を希望します。

なお、提出された意見の内容は「原則公表」とのことですから、匿名か顕名か、とか、意見内容によって恣意的な選別がなされないよう強く要請します。

2013年4月14日 (日)

日弁連は給費制復活の旗を事実上降ろしたのか

ビギナーズ・ネット Blogさんで紹介されていました。

法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめに関する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/130412_2.html

給費制に関する部分だけ引用します。

第2に、司法修習生に対する経済的支援の在り方については、「より良い法曹養成という観点から、経済的な事情によって法曹への道を断念する事態を招くことがないよう」という目的が掲げられてはいるが、給費制復活に向けた道筋が示されず、あくまで貸与制が前提とされており、上記目的の実現が現時点では極めて不透明といわざるを得ない。引き続き、同目的実現のための具体的措置に向けた検討が必要である。

上記目的」「同目的」とは、
『経済的な事情によって法曹への道を断念する事態を招くことがないよう』という目的」を言うのは分かりますが、
そんな
抽象的な言葉をわざわざ使わず、ここでも繰り返し具体的に

給費制復活

って、なぜはっきり言わないのでしょうか。

それと、給費制か貸与制かをめぐって法曹養成制度検討会議としての最終結論が今夏にも出る、という段階で「引き続き~検討が必要である。」なんて、ずいぶん呑気な言い回しに聞こえます。貸与制維持で最終結論が出てしまったら引き続き検討する余地がほとんどなくなる可能性が高いのに―。

従来の姿勢と比べて“腰が引けてる”と感じるのは私だけでしょうか。

弁護士HARRIER先生が下記ブログ記事で指摘している通り、日弁連は給費制復活の旗を事実上、降ろしたと、世間一般に受け止められても仕方がないように私は思います。
http://ameblo.jp/mukoyan-harrier-law/entry-11490853900.html
http://ameblo.jp/mukoyan-harrier-law/entry-11466096411.html

もし日弁連が、貸与制の修正という「第三の道」も受け入れ可能、という立場に転じたとすれば、それでも給費制復活運動は一枚岩で闘っていけるのでしょうか。

2013年4月13日 (土)

東大、桑田効果はいつ?

東京六大学野球が始まりました。
良い天気でしたが、肌寒い神宮でした。

Shunkifierst

東大は法政に1-10で大敗。
5回表まではいい勝負でしたが、
後半にミスから崩れて大量失点するいつものパターンでした。
桑田(臨時コーチ)効果は今日のところはまだ見られませんでした。

ところで新体制の応援団は立教、法政のリーダーがいい声出てました。
東大は今年は小つぶ?シーズンに入ってからの成長に期待!

2013年4月12日 (金)

予備試験出願者数1万人超え

平成25年司法試験予備試験の出願状況について(法務省)
http://www.moj.go.jp/content/000109758.pdf

1 出願者数11,255人(前年9,118人)
2 試験地別
北海道   332人( 2.9%)
仙台市   223人( 2.0%)
東京都 7,312人(65.0%)
名古屋市  588人( 5.2%)
兵庫県 2,033人(18.1%)
広島市   252人( 2.2%)
福岡市   515人( 4.6%)

出願者数の推移をみると、

8,971(H23)
↓ (147人増)

9,118(H24)
↓ (
2137人増
11,255人(H25)

となっており、今年度、急増しています。

出願者の属性の内訳は分かりませんが、法科大学院生や学部生の挑戦が増えたと予想します。
いずれにせよ、
法科大学院離れの加速化を裏付けるものといえそうです。

パブリックコメント始まる

法曹養成制度検討会議のパブリックコメント募集が始まりました。

「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」について(意見募集)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300070017&Mode=0

締め切りは5月13日で、意外と短期間です。

2013年4月11日 (木)

今度こそ本当に変化の兆し?

9日にあった法曹養成制度検討会議の中間とりまとめですが、ネットに載っていない新聞記事を探してみました。

まずは東京新聞の9日付夕刊

ジャーナリストの江川紹子さんの談話が載っています。
見出しは「検証なく無責任」

三千人が司法試験に合格するという政府の計画を信じて法曹を目指した人の人生は変えられてしまったのに、法曹養成制度検討会議は計画の何が間違っていたかを検証しておらず無責任だ。制度を設計した専門家の見通しは甘く、それを受け入れた政府の判断も甘かった。(以下略)

と指摘しており、批判の矛先が法曹養成制度検討会議、制度設計者、制度設計を受け入れた政府にスバリ向けられています。第三者の談話という形とはいえ、こういう論調はマスコミではこれまで見たことがありません。

続いて信濃毎日新聞の9日付夕刊記事
次のような部分があります。

会議終了後、佐々木座長は「司法制度改革に反省点が残ったという認識は委員のみんなが共有している。(制度設計の過程について)綿密に検討した跡がないのはあえて否定しない」と話した。

司法制度改革の当否について問題意識を持った記者が佐々木座長に対し、会議で制度設計の当否をきちんと検証をしなかったことを追及した形跡が窺えます。これも批判の矛先が検討会議に向いている点で、従来は見かけなかった類いの記事といえます。3月31日付の朝日の社説が相変わらず批判の矛先をもっぱら弁護士側に向けているのとはかなり毛色が違います。

これらの記事は今度こそ本当に(朝日を除く)マスコミの論調が変化する兆しと期待していいんでしょうか。今後を注視したいです。

2013年4月10日 (水)

ロー入学者減の「負のスパイラル」

今回の司法試験合格者数値目標の議論で分かったのは、法科大学院入学者(あるいは定員)が3000人を切れば合格者年間3000人も不合理であることをロー推進派も認めているらしいことです(当たり前のことなんですが)。
このことは法曹養成制度検討会議第9回会議での鎌田委員の
「法科大学院全部の定員が2,800しかないのに,3,000人の合格をさせるということはあり得ない」という発言から伺えます。

とすると、もし入学者(定員)が2000人を切れば、合格者が2000人を切ることも推進派は容認せざるをえない

合格者が2000人を切ればロー進学リスクがますます高まるので、ロー入学者はもっと減っていく

そして入学者が1500人を切れば合格者も1500人を切ることを推進派も容認せざるを得ない

という理屈になりそうです。

つまりロー入学者が落ち込むにつれ、推進派にも異論なく合格者数も減っていき、法曹人口激増の流れに自然と歯止めがかかっていく―。
また、入学者が減ると、当然に法科大学院も淘汰されて減っていき、反面、予備試験受験生が相対的に増えていくので、結局、増員政策を含む現行法曹養成制度が実質的に崩壊する、という流れに―。

制度崩壊への「負のスパイラル」状態です。

「合格率7割目標」というのは、ロー推進派が合格者数増を要求する際のお題目ですが、これを唱えることは反面、合格率が7割を超える合格者増はできないという縛りをかける効果ももたらしているようです。

この負の連鎖から脱するには、何としても法曹志願者を増やすしかないのに、逆に統廃合によって定員を減らし、それで問題が解決すると考えているとは―。「自滅」という言葉しか思い浮かびません。

※参考
「どう見ても法科大学院は詰んでいる」(Schulze BLOG)

http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52007722.html

2013年4月 9日 (火)

「合格3千人」撤回了承 司法試験の目標設けず(共同通信)

「合格3千人」撤回了承 検討会議、司法試験の目標設けず(2013/04/09 13:14【共同通信】)
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040901001277.html

例の中間とりまとめ案が法曹養成制度検討会議で了承されました。焦点となっていた新たな数値目標については

3千人にかわる数値目標は「設けないことが相当」とした。

ということです。
私は現在の合格者2千人という数値は、「3千人」という数値目標が司法試験委員会に対する増員圧力になっていたからだと考えているので、数値目標がなくなれば今年の合格者数は2千人を割り込む可能性が高くなると予想します。

あと、この記事で注目しているのは

司法制度改革の主要な看板を下ろすことで、法曹志望者がさらに減少する恐れもあり、制度設計過程の検証が求められそうだ。

という最後のフレーズの赤字の部分です。
会議では現行制度を維持するために破綻をどう取り繕うかばかりに終始し、なぜ制度設計通りに事が運ばなかったかの検証(法科大学院生や司法修習生の経済的負担の程度、弁護士需要拡大の具体的客観的根拠の有無、法科大学院での教員・教育の質の程度などの検証)が、一部委員の活動を除いて、おろそかにされてきました。また、マスコミも検証を求めようとしてきませんでした(最近では神戸新聞の社説が検証を求めた程度)。そうした中で社説ではなく一般の記事の中に出現した赤字のフレーズは、とても短いながらも、今後、朝日以外のマスコミの論調が変わるかもしれないとの淡い期待を呼び起こします。

もう少し詳しい神戸新聞サイトの記事を見てみます(前記共同記事とかぶっているので共同通信配信記事と判断できます)。
司法試験、合格年3000人撤回 政府会議了承
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201304/0005885588.shtml

法科大学院に関しては「定員が多すぎる」と分析し、自主的な定員削減や統廃合の必要性に言及。問題を抱える大学への対応として、既に実施している補助金削減を強化したり、裁判官や検察官を教員として派遣するのを中止したりすることを挙げた。修了者の司法試験受験資格を制限するなどの法的措置も「検討する必要がある」と踏み込んだ。

統廃合は断固として進めていく方針です。地方への配慮がどうなったかは記事からは分かりません。提言全文の公開を待ちたいです。

経済的理由などから法科大学院に通えない人のために設けられた予備試験を、大学生や法科大学院生が受験するケースの多い現状について「制度の趣旨と異なる」と問題視。ただ予備試験は11年に始まったばかりのため、見直しは将来の検討課題と位置付けた。

将来、予備の見直しに踏み切る以前に、LS制度が実質的に崩壊すると私は思っています。

法科大学院の修了または予備試験の合格から5年間で3回しか司法試験を受けられないとする制限に関しては「緩和も考えられる」とした。

あいまいな表現ですね。見方によっては“パブコメの結果をみてから考える”と言っているようにも取れるので、パブコメがとても重要になってくると思います。

司法修習生への経済的支援は現状の貸与制を維持するよう求めている。

もともとこの会議には期待していなかったテーマです。これもパブコメが重要になってくると思います。

2013年4月 6日 (土)

司法試験の不合格要因

司法試験、予備試験の短答式まであと約1カ月に迫りました。
この時期になると、今でもソワソワしてしまいます。

自分が受験生の時、合格者の合格体験記(談)から、合格するための要因は何かを探ることに躍起になっていました。

でも、自分の十数年に及ぶ「不合格体験」を振り返ると、不合格要因が何かを探り、それを除去することもかなり重要だと思います。
私のように長年頑張っていてもなかなか結果が出ない受験生の参考になるかもしれないと思い、恥を忍んで私の不合格要因を挙げてみます。

不合格要因(1)
「短期で簡単に受かるはずという慢心」

たまたま初受験で択一に通ったことで「司法試験って簡単じゃん。来年は確実に受かるな」と、 無意識のうちにこの試験をなめてしまいました。その結果、翌年から7年連続で択一に落ち続けました...orz

合格を「山の頂上」に見立て、コツコツと登って行けばいずれ必ず頂上にたどりつく、と考えている人もいるかもしれませんが、これは「慢心」です。
私の長い不合格体験に基づくイメージでは、「合格」という目標物は、ある場所に常に不動ではなく、時間とともに不特定の方向へどんどん遠ざかっていくものです。ですから、遠ざかる速度より速く、方向をきちんと見定めながら常に全力で追い掛けないとつかみ取れません(うまい例えが見つからず、分かりにくくてすいません)。

不合格要因(2)
「暗記をおろそかにした」

暗記の勉強は苦痛なので、できるだけ避けたいと思っていたところ、「定義などは勉強しているうちに自然に覚えた」という、ある合格体験談の「誘惑」に引きずられ、積極的に暗記に取り組みませんでした。その結果、せっかく択一が通るようになったのに論文の壁をなかなか突破できませんでした。

ちなみ論文試験にとっての暗記は、勉強の「理解」に不可欠だから大事なのではありません。試験本番で、答案に必須のフレーズを思い起こす時間を節約すると同時に、限られた思考力を記憶の喚起にではなく、できるだけ問題分析と答案構成に振り向けるために重要なのです。ですから司法試験の論文対策として「暗記」という場合、「現場で思い出そうとすればできる」レベルをいうのではなく、「書こうと思った瞬間に手が勝手に動いて答案に正確に再現できる」レベルをいう、と私は思っています。

不合格要因(3)
「苦手に向き合わなかった」

苦手だったパズル択一刑法に正面から向き合わず、憲法と民法で高得点をとって合格しようとした作戦がことごとく失敗しました。
結局、「パズル刑法を克服せずして合格なし」と気付くまでに7年も要しました...orz

不合格要因(4)
「現役社会人なので勉強時間がとれないから不合格もやむを得ない、という言い訳を用意していた」

ちょっと精神論ぽいですが、こういう意識が勉強時間の捻出努力の怠慢につながったことは否定できません。

面識のあった人が繁忙な仕事を続けながら短期で受かったことを知ってようやく目が覚めました。
それからは「社会人」という身分を、結果がかんばしくない言い訳には絶対にしない、と心に誓いました。

不合格要因(5)
「受験仲間がいなかった」

長い間、現役受験生とリアルに話すことが皆無で、 一人で引きこもって勉強していたため、 自分の勉強の方向性や理解が間違っていないかどうかを確認してもらう機会がありませんでした。もし仲間がいたら前記4つの不合格要因にもっと早く気付いたはず。そう考えると、最も除去すべき必要性が高いのは、この要因(5)だといえそうです。

以上の不合格要因は、私のような凡人特有の問題で、天才秀才タイプと呼ばれる方には当てはまらない可能性が高いことを、最後にお断りしておきます。

受験生の皆さんのご健闘をお祈り申し上げます。

2013年4月 4日 (木)

朝日の論調に変化の兆しなし

朝日新聞を購読している家庭に生まれ、実家を出た後も朝日を購読し続けている私は

筋金入りの朝日新聞読者です。

その私が、法曹養成制度に関する3月28日付朝刊の特集記事、31日付の社説を読んで痛感したのは

朝日は筋金入りの司法制度改革理念信奉者なんだなあ

ということです。

特集記事で有識者の談話を2人載せる場合、賛否両論とするのが客観報道(を装う場合も含む)の基本なのに、朝日は2人とも改革推進側(佐藤幸治先生と早稲田ローの山野目章夫教授)ですからね。
いったんは論調の変化を期待した私が愚か者でした。 orz
このエントリーの「追記」で見立てを事前に軌道修正していたのがせめてもの救いです。

理念ばかりを強調して現実を直視せず、誤った国策を改めない態度が最終的に悲惨な結果をもたらすことは、太平洋戦争の歴史が物語っています。この教訓が現代の法曹養成制度の論議に生かされず、行政もマスコミも進むべき方向性を見誤っているように思います。将来「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ること」が本当に「ない」のか、疑わしくなります。

前にも書きましたが、いずれ現行法曹養成制度の破綻が誰の目にも明らかになった時、司法制度改革の旗を振ってきた者の責任論が必ず浮上します。当然、マスコミも責任論から逃れられません。3月28日付の記事を署名で書いた記者の潔い覚悟を、読者の一人として、しかと受け止めました。

※参考
「3000人」撤廃の「朝日」的受けとめ方(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)

http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-662.html
企業内の弁護士の需要を否定する朝日新聞(法律家の養成―「利用者のため」を貫け,朝日新聞2013年03月31日社説)(タダスケの日記)
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20130401/1364810135

憂楽帳:就職難

「Schulze BLOG」さんのエントリー「就職難(毎日新聞)」で紹介されているコラム記事「憂楽帳:就職難(2013年4月3日 毎日新聞 大阪夕刊)」を読みました。
私の感想はSchulzeさんはじめ、多くの方がブログでおっしゃっていることと同旨です。

コラムは

今は厳しくとも、志だけは決して捨てないでほしい。

と締めくくっています。

フリーランス(弁護士なら独立)の途もあるのに就職の途を選び、身分も収入も安定した組織に所属し続けている記者は、どんな志を捨てずに持ち続けているのでしょうか。

ところで、このコラムですが、ネットではいったんリンクが切れて、今は下記URLで、4月「4日」大阪夕刊とクレジットされています。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130403ddf041070031000c.html

いったい、いつの夕刊に載ったんでしょうか???

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