今度こそ本当に変化の兆し?
9日にあった法曹養成制度検討会議の中間とりまとめですが、ネットに載っていない新聞記事を探してみました。
まずは東京新聞の9日付夕刊
ジャーナリストの江川紹子さんの談話が載っています。
見出しは「検証なく無責任」
三千人が司法試験に合格するという政府の計画を信じて法曹を目指した人の人生は変えられてしまったのに、法曹養成制度検討会議は計画の何が間違っていたかを検証しておらず無責任だ。制度を設計した専門家の見通しは甘く、それを受け入れた政府の判断も甘かった。(以下略)
と指摘しており、批判の矛先が法曹養成制度検討会議、制度設計者、制度設計を受け入れた政府にスバリ向けられています。第三者の談話という形とはいえ、こういう論調はマスコミではこれまで見たことがありません。
続いて信濃毎日新聞の9日付夕刊記事
次のような部分があります。
会議終了後、佐々木座長は「司法制度改革に反省点が残ったという認識は委員のみんなが共有している。(制度設計の過程について)綿密に検討した跡がないのはあえて否定しない」と話した。
司法制度改革の当否について問題意識を持った記者が佐々木座長に対し、会議で制度設計の当否をきちんと検証をしなかったことを追及した形跡が窺えます。これも批判の矛先が検討会議に向いている点で、従来は見かけなかった類いの記事といえます。3月31日付の朝日の社説が相変わらず批判の矛先をもっぱら弁護士側に向けているのとはかなり毛色が違います。
これらの記事は今度こそ本当に(朝日を除く)マスコミの論調が変化する兆しと期待していいんでしょうか。今後を注視したいです。
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