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2013年6月

2013年6月25日 (火)

パブコメの一部だけ集計してみた

国会議員等によって公開されたパブリック・コメントの経済的支援関連の意見について、最初の200件(全体の1割弱)だけ形式的に抽出して意見をまとめてみました。

   意見        件数
給費(給与)制の復活  177件
(貸与制反対を含む)

一部給費(貸与)制      3件

経済的支援を求める、   12件
専念義務緩和に反対

修習専念義務の緩和    2件

(結論として)         3件
貸与制維持

※不明                3件
(※和田先生の意見に賛成または反対と記載しているが、
経済的支援のことを含むのかどうかが判然としない)

全体をざっとながめた限りでも、給費制の復活を求める意見が圧倒的のようです。中には一人の連投ではないかと思われる意見も散見されますが、仮にそれらを除いても大勢に影響はないでしょう。

本当は全部を集計したいところですが、個人ではなかなか難しいです。
ただ、経済的支援関連限定ながらも「検討会議の事務局がまとめた意見の概要は、意見者の属性、意見の分布状況等についての説明がなく、内容についての分析も不十分」と事務方を批判していた日弁連執行部がきっと組織的にやってくれると思います。
私も少しずつ集計していこうと思いますが、いつ終わるかは見通せません(とりあえず全部の意見に通し番号を付けてみたら2,426件になりました。この作業だけでもものすごく時間がかかりました)。
m(_ _)m

以下はおまけです。
はじめの200件を読んで「へぇ~」と思った部分
その1
修習地の希望に関して
「実家等から通勤できるように、婚約しているなどと虚偽の事実を申し立てる事態も生じているところ、司法研修所はこれを看過しており、正直者が馬鹿を見るという状態が生じている」
給費や手当がない状況だと、こういう人が出てきてもおかしくないですね。

その2 
「俺の周りは、修習生の中で日本一合コンが多い班なんじゃないかと思うくらい、合コンが多い(笑)。多分修習始まってから班内の誰かが合コンに行った回数は、12~15回くらいにはなるんじゃなかろか。ほぼ毎週誰かが合コンに行ってる気がする。それとも各地ともそんなもん?」
というツイートに端を発する修習生同士のツイッターのやりとりが引用され、貸与制維持の理由にされていました。
別に合コンに行くことは何とも思いませんが、それをあえて全世界に向かってツイートすることに対し、いろんな人がいろんな捉え方をする、ということは考えてほしいです。

2013年6月21日 (金)

経済的支援に関するパブコメの全容

ビギナーズ・ネットさんのHPに経済的支援に関するパブリック・コメントの全容がアップされています。
http://www.beginners-net.org/#!result/cuvk

とりあえず自分の意見はそのまま記載されていることを確認しました。

それにしても法務省はこんな文書を作っておいて、なぜきちんと公開せず、検討会議にも提出しないのでしょうか。

※追記
Schulze BLOGさんの記事
【速報】平山誠参議院議員がブログでパブコメ全文を公開

http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52025609.html
で紹介されている平山議員のHPでも公開されています。

http://ameblo.jp/hirayama-makoto/entry-11557379080.html

2013年6月19日 (水)

意見反映しないまま最終とりまとめ

司法試験、目標合格数の撤回提言 政府の法曹養成制度検討会議(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013061901001290.html

 法曹人口や法科大学院の在り方を考える政府の法曹養成制度検討会議(座長・佐々木毅元学習院大教授)は19日、司法試験の合格者を年間3千人程度とする政府目標の撤回を柱とした最終提言をまとめた。
 次回26日の会合で承認し、7月の法曹養成制度関係閣僚会議に提出。合格者数の目標値など主要テーマで具体案が示されず「問題の先送り」との批判を招きそうだ。政府は新たな組織をつくって検討を続ける。

結局、パブリック・コメントの公表、反映もしないまま最終とりまとめが行われました。

閣議決定後の議論の舞台は国会審議に移りそうですが、今日の会議には自民、公明両党の内部検討組織から各々、提言が出されました。
http://www.moj.go.jp/content/000111842.pdf
http://www.moj.go.jp/content/000111844.pdf

これは自公両党が法曹養成制度の見直しに熱心であることのあらわれかもしれません。
また、パブリック・コメントが計3,119通と、原子力問題関連のパブコメにも匹敵するほど大量に集まったことから、参議院選挙を前に無視できない課題であるという判断が働いた可能性もあります。

それはともかく、給費制に関する自民党の提言をみてみると、原案段階では「司法修習生に国が給与を支払う「給費制」の復活を含め、修習生の負担軽減を検討するよう求める内容」だったようですが、最終的にまとまった提言では、給費制は復活賛成と反対の「両論付記」となっていて、残念ながら復活にウエイトを置いた提言には必ずしもなっていません。

しかし、もっと残念なのは両党の提言ともパブリック・コメントについて何ら触れていないことです。意見の全容が公表されていないので意見内容を斟酌することは困難としても、“見直しには国民の意見も十分に踏まえるべき”という趣旨の言及があってしかるべきと思います。
法曹養成に関しては官僚のみならず、政治家もパブコメはなかったことにするつもりでしょうか。今回、和田先生は提出意見での中で

心ある政治家や、次の検討体制における心あるメンバーは、今回のパブリックコメントの意味を正しく理解するであろう」

と指摘していますが、「心ある政治家」の登場を本当に期待していいのかどうか―。

それでも和田先生はこうおっしゃっています。

「今回のパブリックコメント手続には無気力感を感じている方も多いと思う。それも無理からぬこととは思うが、現実を変えていくためには、できればその無気力感を引きずることなく今後も意見表明の意思を持ち続けてほしい、と切に願う。」

今回の和田先生の提出意見はこれまでとはトーンが異なり、他の委員や事務局に向けた意見ではなく、パブコメに意見を寄せた人たちに向けたメッセージのようです。

気をとりなおして細々ながらも意見表明を続けていこうと思います。

また、和田先生は提出意見の中で、いまだに(19日現在)第13回会議の議事録を公表しない事務局に代わって、議事の一部を紹介してくれています。

第13回会議において、事務局から口頭で、法科大学院修了を司法試験の受験資格要件とするのをやめるべきであるという意見が相当数あったこと、法科大学院制度そのものを廃止すべきであるという意見も多数であったこと、司法修習生に対する経済的支援策については大多数が給費制の復活を求めるものであったこと、司法試験の受験回数制限については一切の制限を廃止すべきであるという意見が多数であったこと、などが説明されている。ただ、これらはいずれも最終的な取りまとめの内容とされる見込みはない

この記述は、法曹養成制度検討会議の非民主性、恣意性、茶番性を示す歴史的証拠として永久に記録されるべきでしょう。

2013年6月18日 (火)

来年度入試関連の告知がまだHP上に見られない法科大学院(最終版)

神戸大学 84人→84人
島根大学 3人→2人(6/17再来年度の募集停止発表)
大阪学院大学 6人→2人(6/3来年度募集停止発表)

名古屋大は17日に来年度入試説明会をアップ。
神戸大が来年度入試を実施しないとは考えられないので、“募集停止ウオッチ”はこれで終わりにします。

ただ、今回の島根ローの発表のように来年度入試は実施するものの、再来年度については募集停止を決める、というところが他に出てくるかもしれません。

※参考
「島根大学法科大学院の組織見直し」をめぐる一部報道について

http://www.lawschool.shimane-u.ac.jp/docs/2013061800098/

2013年6月17日 (月)

【速報】島根大、国立初の法科大学院募集停止

島根大、国立初の法科大学院募集停止
http://www.47news.jp/FN/201306/FN2013061701002080.html

島根大は2015年度の法科大学院の入学者募集をやめると発表した。国立大での募集停止は初めて。

2014年度は募集するようです。
http://www.lawschool.shimane-u.ac.jp/exam/exam_07.html

2013年6月15日 (土)

ここでも同じ学者が大活躍

取り調べ可視化、骨抜きの恐れ 幅広い例外認める素案(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY201306140398.html

【西山貴章】刑事司法改革の最大のテーマである取り調べの録音・録画(可視化)について、適用範囲を著しく狭める可能性の高い素案が14日、公表された。「捜査に著しい支障が生じるおそれがあるとき」は除外するなど、現在の試行範囲から大幅に後退している。議論している法制審議会(法相の諮問機関)の部会メンバーからは、厳しい批判が相次いだ。

この素案を提示したのは、特別部会の下部組織である作業部会。
作業部会のメンバー構成はデジタル記事では会員登録しないと読めなくなっていますが、朝刊紙面では

 作業部会は井上正仁・早稲田大学大学院教授をトップとする11人で構成され・・・

同じ学者があちこちで政府の審議会の委員を務め、当局の意向に近い意見を出す構造。これで当局は意のままに行政を進めることができます。

一方、昨日は、この法制審部会に合わせたかのように朝から村木厚子さんの厚労次官起用報道が流れました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1305C_T10C13A6EE8000/?dg=1(日経,6/14)

厚労次官といえば厚生労働官僚のトップ。それにほぼ内定したと報じられれば立場上、他省庁の意向に添わない意見は言いにくくなりそうです。それでも法制審部会の委員である村木さんはこの素案に対し、

「可視化の例外が増え、結果的に原則と例外がひっくりかえってしまうような制度を作るべきでない」・(中略)・と強く批判した。

批判のトーンは従来と変わりませんでした。
“御用学者”と呼ばれる類の人たちとは違って、揺るぎのない信念を感じます。

2013年6月13日 (木)

平成25年司法試験予備試験短答式試験の結果

合格されたみなさん、おめでとうございます!
論文試験まであと約1ヶ月、悔いのないよう頑張ってください。

平成25年司法試験予備試験短答式試験の結果
1 受験者数等
(1) 出願者11,255人
(2) 欠席者2,031人
(3) 受験者9,224人
(うち途中欠席41人)
(4) 受験率82.0%
(注)受験率とは,出願者に占める受験者の割合である。
(5) 採点対象者9,183人
2 短答式試験の合格者
(1) 合格点
各科目の合計得点170点以上(270点満点)
(2) 合格者数
2,017人
(3) 合格者の平均点
185.3点

通過者は2,017人で昨年より306人増(約18%増)です。

短答合格点の得点率(小数点以下2位まで。3位以下切り捨て)は
  司法試験  予備試験
H25  62.85%      62.96%
H24  61.42%      61.11%
H23  60.00%      61.11%

今年も短答合格点得点率を予備試験と司法試験でほぼ同じにそろえています。このやり方は定着しそうですね(ただし合格点は5点刻み)。

2013年6月12日 (水)

パブコメを一部の概要しか公表しないのは“債務不履行”にも似た約束違反?

いまだに釈然としない、法務省のパブリック・コメントの取り扱い。

腹立ちまぎれと頭の体操を兼ねて、法務省の対応に“法的な問題”が生じないのか考えてみました。以下はあくまで素人の例え話です。

今回のパブコメは、行政手続法の規定に準じて実施された任意の行政手続のようですが、行政法を勉強したことのない私には、その法的性質がよく分かりません。そこでここでは勝手ながら、法務省の任意の意見募集に「法務省」と「意見提出者」を当事者とする私法関係が生じ得るという前提で考えてみます。

意見公募要領を素直に読むと、意見募集の目的は、検討会議の委員が最終取りまとめを決定するに際し国民の意見を参照するため
また「3 意見提出上の注意」の項では、
意見は「原則公表させていただき―」とあります。

これらの記述から今回のパブコメ募集は、「法務省」が寄せられた意見を、「意見提出者」に代わって検討会議の委員に伝え、公表することを約束して意見を募ったように見えます。

これを無理やり契約類型に例えてみると、
1・「法務省」が意見公募要領により、国民の意見を①検討会議の委員に伝達し②内容を原則公表する、という事務の受任について委託の申込を誘引。
2・「意見提出者」が自分の意見を送付し、それが「法務省」に到達することにより、意見を①委員が参照可能な程度に委員サイドに伝達すること②世間に公表すること―という自己の事務の委託を申込。
3・「法務省」が意見を受理することで「意見提出者」の事務を承諾。あるいは意見の受理により意思実現の契約成立。
というような流れで“無償の準委任契約”に似た関係が発生したと考えられなくもない。

そう考えると、寄せられた意見の一部だけ、ごくごく簡単な概要しか委員に伝達せず、公表もそれしかしないのは、“債務不履行”にも似た約束違反に当たるとも考えられるのではないか―。
あるいは意思表示を欠く“契約の一方的解除”とか―。

もう法律の勉強から何年も遠ざかっているし、実務家でもないので、トンチンカンな例え話をしているのであればスイマセン・・・
m(_ _)m

ただ、実際に読んでもらえるかどうかは別として、委員サイドに伝わると信じて、時間と労力を費やして意見文をしたため、それを法務省に託した私としては、約束を破られた気分です。

今後、最終取りまとめが原案通りに行われ閣議決定がなされたとしても、国会審議を経なければならないでしょう。
その際、貸与制をはじめとする現行の法曹養成制度に問題意識のある国会議員が、法務省への資料請求や質疑を通じてパブコメの詳細を明らかにしてくれることを期待します。
あと、パブコメの意見を反映させなかったことを問うため、佐々木座長の国会への参考人招致もぜひお願いします。

2013年6月10日 (月)

“法科大学院教育の成果”の正体

法曹養成制度検討会議の議論は、一部のローを除き全体としては
“法科大学院制度は相応の効果を上げている”
という前提で進んできたように見えます。
この点は(最終)取りまとめ案の6ページ

新しい法曹養成制度における中核的な教育機関である法科大学院では,ソクラティックメソッド等による双方向性の議論を重視した授業が実践され,学生に物事の本質や判断の分岐点を考えながら学習を積ませるようになるなど,優れた教育がされている例も報告されている。また,司法試験の結果においても,法科大学院修了直後の受験者の合格率が最も高く,修了後年数が経過するにつれて合格率が低下する傾向が定着し,法科大学院の教育と司法試験との連携が相当程度図られているといえ,これらの点により,法科大学院教育は,相応の成果を上げているといえる

という記述にあらわれています。

しかし、このうち「―双方向性の議論を重視した授業が実践され,学生に物事の本質や判断の分岐点を考えながら学習を積ませるようになる―」という部分は第3回会議で明大ローの田中委員が言っているだけです。この点は黒猫先生から「第三者にはその当否を判断しにくい私事的な『実感』を強弁」といわれる通り、検証困難な主観的な感想にすぎません。

また、「法科大学院の教育と司法試験との連携が相当程度図られている」と指摘している部分は、ロー生の予備校利用実態を把握した後でなければ、このように断言できないでしょう。

そのほかに「法科大学院教育の成果」の根拠となりそうな資料としては、第4回会議で文部科学省が提出した資料の5ページにある「プロセス養成の導入により可能となった法曹養成の教育的な効果」と題する文書くらいしか見当たりません。
でも、よくよくこの表題を読んでみると
、「教育的な効果」の発生が「可能となった」と言っているだけで「効果」が実際に出た、とは言っていない。つまり、教育的効果が出せる環境が整った、と言っているにすぎません。

それでも実際に効果を上げていることを示す客観的な根拠はあるのではないかと善解して、このページの資料の下にある文言に着目してみました。そこには列挙した5つの「効果」について

※法曹養成制度検討会議や法曹の養成に関するフォーラムにおける視察、ヒアリングでの意見等をもとに作成

とあります。
つまり、ここにいう「
意見等」が法科大学院教育の「効果」の根拠だというわけです。

そこで以下の文書を文部科学省に情報公開請求しました。

1・(略)
2・「法曹養成制度検討会議 文部科学省 説明資料 法科大学院制度のこれまでの成果、課題、改善方策、及び今後の方向性」5ページ「プロセス養成の導入により可能となった法曹養成の教育的な効果」として掲げている1~5各々について、「効果」と認めた根拠となる文書
※補足 2・については当該ページ最下行に「意見等」を根拠としたことが示されているが、その「意見等」が記載された文書の開示を請求する

その後、文科省とのやりとりの末、最終的に請求文書名を「法曹養成制度検討会議 第4回会議の配布資料 2-1 5頁の1.~5.の各項目について、その記載の根拠となる文部科学省が作成した文書」にあらためて請求し直した結果、出てきた文書が、過去の2つのエントリーで既に紹介した、4つのローの学生・教員からのヒアリング資料です。
「法科大学院視察の実態」
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-fe09.html
「続・法科大学院視察の実態」
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-17e7.html

開示された資料はこれで全部です。

お膳立てされた場で、ロー幹部・教員同席の圧力の下で、大学院側に選抜された学生と教員が語ったロー教育。それと前述した一学者委員の「実感」。
これが今後の法曹養成制度、ひいては将来の司法の行く末を決める(最終)取りまとめ案が前提としている「法科大学院教育の成果」の正体です。
自由な意見表明により法科大学院教育がフルボッコにされた総務省の意見募集結果は完全に無視。配布資料にさえ出てきません。

今さらではありますが、この会議は全体が茶番だったとあらためて思います。

2013年6月 9日 (日)

法曹養成制度検討会議、和田委員の意見を支持します!

法曹養成制度検討会議の委員として孤軍奮闘されている
和田吉弘先生のお話を直接聴く機会がありました。

お話によれば、会議では孤立無援状態のご様子。
それでもネット上で和田先生の意見を支持するブログなどを見て「勇気付けられた」とおっしゃっていました。

会議も残すところあと1、2回しかありません。

法曹関係者でも受験生でもない拙ブログはきっとご覧になっていないと思いますが、

私は和田先生の意見を断固支持します!

最終とりまとめを少しでも良い方向に持っていけるよう頑張ってほしいです!

2013年6月 7日 (金)

法務省と文部科学省、議事録マダー?

原発問題で世間の耳目を集めている原子力規制庁ですが、行政施策上の運営の当否はさておき、もっぱら事務的な仕事は早いですね。
1時間半にわたった一昨日(5日)の規制委員会の議事録がもうHPにアップされています。加えて会議の模様は全編をyoutubeで見ることができます。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/

一方、法務省の法曹養成制度検討会議に目を移すと、今日(7日)の時点で先月30日の会議の議事録が公開されていません。
文部科学省の法科大学院特別委員会の議事録も先月2日の会議の議事録がまだ未公開。

法曹養成制度検討会議の最終提言案が早ければ今月19日か26日にも取りまとめられるという切迫した段階ですから、国民の判断材料の提供は迅速にやっていただきたい。

パブコメだって総務省方式で締め切り前でも届いたものから順次、アップしていけば大した手間はかからなかったでしょうに。まあ、全部をそのままアップするつもりが、もともとなかったのかもしれませんが。

パブコメ後に開かれた5月30日と6月6日の議事録は、民意に対する個々の委員の姿勢を見極める上で貴重な資料です。法務省はパブコメの全容とともに議事録も早急に公開すべきです。

※参考
法曹養成制度検討会議に対し、パブリック・コメントの結果を全面的に公開し、これを尊重する最終的なとりまとめを求める声明(札幌弁護士会)
http://www.satsuben.or.jp/info/statement/2013/04.html

2013年6月 6日 (木)

現政権下で司法改革の見直しが期待できるか

「給費制」復活検討を=司法修習生の負担減-自民調査会(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013060600868

自民党司法制度調査会(会長・棚橋泰文政調会長代理)がまとめた法曹養成制度に関する提言の原案が6日分かった。司法修習生に国が給与を支払う「給費制」の復活を含め、修習生の負担軽減を検討するよう求める内容。ただ、同日開かれた調査会では異論が噴出。原案通りに取りまとめることができるか不透明だ。

今夜7時のNHKニュースの映像を見る限り、原案通りの取りまとめは無理だと思います。もし取りまとめができても政府が取り上げる可能性はほとんどないと思います。

センター試験 見直し含め議論へ(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130606/t10015121351000.html

政府の教育再生実行会議であいさつする安倍首相の隣にいるのは鎌田薫早稲田大学総長。
さらに下村文部科学大臣に並んで会見に同席しているのも鎌田氏。

鎌田氏はほかに民法改正を検討している法制審議会民法(債権関係)部会の部会長も務めています。
2月末の夜7時のNHKニュースだったと思いますが、トップニュースと2番手のニュースで、鎌田氏が提言などを政府側に手渡す映像が立て続けに流れて面食らった覚えがあります(教育再生実行会議の提言と民法改正中間試案の手渡し)。
政府と鎌田氏は蜜月の関係にあるとみるほかなく、今の政府・与党が鎌田氏の意向に反する給費復活を決めるとはとても思われません。

ところで上記のNHKニュースによると、今日の教育再生実行会議では大学入試制度について「現在のような一発勝負の選抜試験は好ましくない」などという意見が出たそうです。
どこでも同じなような人が同じようなことを言っているんですね。
新たに導入が検討されているという、高校在学中に複数回受けられる「達成度テスト」は、どんな利権を生むのでしょうか。

パブコメの詳細な公表と取りまとめへの反映をあらためて求める

今日(6日)夕方に開かれた第14回法曹養成制度検討会議でパブリック・コメントの詳細が公表されるのかどうか注視していましたが、「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」に対して寄せられた意見の概要」という、文字通り概要だけの資料が提出されただけでした。司法修習生に対する経済的支援の部分を見た限りでは、前回会議の「事務局提出資料」に記された内容とまったく変わっていませんでした。

こうしたパブコメの取りまとめ方に関しては和田委員が苦言を呈し改善を求めていますが、まったくその通りだと思います。
http://www.moj.go.jp/content/000111521.pdf

その上で私が思うことを言わせてもらいます。

和田委員は上記意見の中で「これを短期間の間に作成した事務局の大変な労力はもちろん多とする」と一応、事務方を気遣っておられますが、もし法務省が今回の概要だけで公表を済まそうとするならば、他省庁の仕事に比べて怠慢も甚だしいと思います。

昨日のエントリーで原子力災害対策指針の改定原案に対し、3,155件のパブコメが寄せられたことを伝えました。
原子力規制庁は、この3,155件のパブコメすべてについて逐一、HPに公表しています。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h24fy/data/0031_15.pdf

原文そのままではなく内容を整理しているようですが、2月12日にパブコメを締め切り、それからわずか2週間後の2月27日には3,155件すべての意見を整理してHPにアップしています。事務方の労力は大変なものだったと思います。

法曹養成制度検討会議「中間的とりまとめ」に対するパブコメの数は、これよりもやや少ない3,119件。今日はパブコメ締め切りから3週間。原子力規制庁と比べてあまりに仕事がお粗末。というか国民をバカにした対応と言われても仕方がないでしょう。

法務省は和田委員の意見にしたがって詳細なパブコメをただちに公表し、検討会議は意見を最終取りまとめに反映させるよう求めます。

※追記(6/7)記事中のパブコメ件数に誤りがあったので修正しました。論旨に影響ありません。

【速報】司法試験短答式、予備試験組の合格率100%

平成25年司法試験(短答式試験)の結果
http://www.moj.go.jp/content/000111530.pdf

1 受験者数等
(1) 受験者数7,653人(途中欠席58人)
(2) 採点対象者数7,595人
2 短答式試験の合格に必要な成績
(1) 成績判定
短答式試験の各科目において,満点の40%点(公法系科目40点,民事系科目60点,刑事系科目40点)以上の成績を得た者のうち,各科目の合計得点が220点以上の成績を得たものは,短答式試験の合格に必要な成績を得た者とする(平成25年6月5日司法試験委員会決定)。
(2) 合格に必要な成績を得た者
対象者5,259人
平均点253.6点

なお予備試験合格者

受験者・167人
合格者・167人

受験者ベースで合格率100%でした!

パブリック・コメントと貸与制の趣旨

法曹養成制度検討会議「中間的とりまとめ」では貸与制を維持する根拠として①貸与制を導入した趣旨②貸与制の内容③これまでの政府における検討経過を挙げていますが、根拠の柱はもちろん①です。

では、貸与制の趣旨は何かというと、第8回会議の「資料3事務局提出資料(経済的支援関係)」の1ページに挙げられています。
コピペできないので要約すると
①司法制度改革に金がかかるので、司法関連の財政負担を国民の理解を得られるものにすること
②司法修習生の大幅な増加に実効的に対応する必要があること
③公務員でなく公務にも従事しない者に給与を支給するのは異例であること
の3点です。

このうち②は主に司法改革による増員政策とお金の問題と思われるので①とほぼ同旨と思います。
③は最高裁が司法修習生の身分を「国家公務員に・・準じた身分」としていることから前提が間違っており、
趣旨として妥当でありません。

そうすると貸与制の維持の根拠は①の趣旨の妥当性、つまり、給費制が本当に国民の理解を得られないのかどうか、にかかっていると言っていいと思います。

では国民の理解を得られるかどうかをどうやって判断するか。
それを端的に判断できる資料があります。
もちろんパブリック・コメントです。
てか、まさしく貸与制を含む司法改革の見直しについて国民の考えを知るためにためにやったんでしょう。
もし給費制復活が多数の意見を占めれば、給費制では国民の理解を得られないという趣旨が妥当性を欠き、ひいては貸与制維持の根拠は失われる、ということになろうかと思います。

検討会議と法務省はパブコメの意見内容をすべて公開し、論点ごとに意見を分類し、その数を集計しなければなりません。
本日(6日)午後4時から行われる第14回会議を注視しています。

※参考
「このまま葬られる?パブコメ」(SchulzeBLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52023152.html

来年度入試関連の告知がまだHP上に見られない法科大学院(6月6日午前現在)

コメント欄に寄せられた情報を元に信州大学、東海大学、香川大学を削除しました。
(情報ありがとうございました)
広島修道大も来年度入試情報を確認しましたので削除しました。
http://www.shudo-u.ac.jp/entrance/lawschool.html

※HP上で来年度の入試関連告知を確認できないLSは以下の通り(6月6日午前現在、左から通し番号、大学院名、昨年から今年の入学者数推移。見落としがあり得ることをお含み置きください)

12 名古屋大学 68人→63人
15 神戸大学 84人→84人
16 島根大学 3人→2人
64 大阪学院大学 6人→2人(6/3募集停止発表)

国公立の撤退はあまり考えにくいので、来年度の撤退は東北学院大と大阪学院大だけかもしれません。どの大学も結構しぶとくしがみついている様子。業を煮やした文科省や上位ローが強硬措置をとろうとするわけです。
大学はなんでこんな不採算部門にいつまでも執着するのか理解に苦しみます。いったん始めてあとに引けなくなったとか、撤退によるイメージダウンが怖いとか、そんな程度だと思いますが、司法試験合格率の低空飛行を何年も続ける方がよほどイメージダウンだと思います。
前から言っていますが、撤退した大学が文科省に意趣返ししたければ、法学部に予備試験を目指す法職課程を設けて、それを「売り」にして学生を集めた方がいいと思います。「お上」に盾つくことになり、補助金を削減されてしまうかもしれませんが、このままLSをだらだらと続けていくよりは入学者増、イメージアップにつながりそうな気がします。

2013年6月 5日 (水)

法科大学院生の予備校利用実態調査マダー?

法曹養成制度検討会議の「中間的とりまとめ」の座長試案では、「教育状況に課題」があり、「課題が深刻で改善の見込みがない法科大学院」(いわゆる下位ロー)に「新たに法的措置を設ける」一方、「優良な成果を上げている法科大学院」(いわゆる上位ロー)には「一定の優遇措置を講じる」とし、ローの二極化をあおっています。

でも上位ローの「優良な成果」って、本当にロー教育の質・内容のおかげなんでしょうか?実は予備校のおかげではないんでしょうか。

去年6月8日の衆議院法務委員会で河井委員が
「かなりの法科大学院生が司法試験の受験予備校に、これは好きこのんでじゃない、通わざるを得ない現実があるんですよ」と指摘。文科省に実態調査を求めた上で「(院生が)受験予備校に同時に通わないと、本来だったら質、量ともに向上すると生みの親たちが約束したはずの法科大学院なのに、司法試験に通らなくなっていってしまう」と断じています。

これに対し当時の高井文部科学副大臣は「どのような形で調査が行えるか、ちょっと検討をしてみます」と答弁しています。

さて、この「検討」はいったいどうなってるんでしょうか。
役人や政治家の「検討します」は「やりません」という意味だとよく言われますが、あれから1年も経つのに法曹養成制度検討会議の資料にも出てこないんだから、やらずに放置しているんでしょう。

だって、上位ローの院生の、特に合格者の多くが(模試のような一過性の講座だけなく)受験予備校を利用している(していた)、なんてデータがもし出たら、法科大学院の存在意義が致命的に低下してしまいますからね。役所はそういう都合の悪い調査はしないか、しても結果を公表しません。

でも院生の予備校利用率というのは、法科大学院制度を考える上で極めて重要なデータだと思います。そういうデータも示されずに法曹養成制度検討会議の議論(らしきもの)は進行し、間もなく結論が出ようとしています。

法曹の質を犠牲にしても法科大学院を守りたい座長試案

法曹養成制度検討会議第13回の事務局提出資料の81ページ「座長試案(司法修習生に対する経済的支援について)」では貸与制を前提とした上で,転勤旅費の支給等に加え、修習専念義務の緩和を提案しています。

貸与制を維持しつつ、修習専念義務を緩和すると判断したということは、貸与制の趣旨と修習専念義務の趣旨をてんびんにかけて前者の方が重要だと考えたものと思われます。

ではそれぞれの趣旨は何でしょう。

貸与制の趣旨は、法科大学院を中核とする法曹養成制度の整備を含む司法制度改革に金がかかるので、財政負担を国民の理解が得られる合理的範囲にとどめることです(第8回会議の「資料3事務局提出資料(経済的支援関係)」1ページ参照)。

他方、修習専念義務の趣旨を端的にいえば、法曹の質の維持・向上という司法修習の目的をまっとうすること。義務の内容は「修習期間中,司法修習生が,全力を修習のために用いてこれに専念すべきであること」(最高裁HP)です。

ということは座長試案は、法科大学院制度の維持を含む司法制度改革を推進するほうが、司法修習を通じた法曹の質の維持・向上より重要であり、改革のためなら司法修習が多少おろそかになっても構わないという判断に基づいているといえます。

ただ、もし法科大学院が司法修習の代わりになるのであれば、そういう判断にも一定の合理性を見いだせそうです。
でも「
従前の司法修習における前期修習を法科大学院がすべて代替するという前提には立っておらず,そうすることは現実にも困難である」(「法曹の養成に関するフォーラム論点整理(取りまとめ)」より)らしいし、実務修習も代替できないでしょう。だとすると、座長試案の判断の根底には、法科大学院制度を維持するためには法曹の質を多少犠牲にしても構わない、という考え方があると捉えるしかなさそうです。

理屈なんか抜きにして、とにかく何がなんでも法科大学院制度を守る―。
この会議はもはや、そんな利権団体かカルト集団のようなものにしか見えません。
(ただし守るのは上位ローだけです)

パブリック・コメントの扱われ方

今日はこういうニュースがありました。
原子力災害対策指針を改定、ヨウ素剤配布には説明会を 規制委(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130605/bdy13060511340001-n1.htm

この改定原案に際しパブコメ募集がありましたが、その前にもヨウ素剤の事前配布等に関して指針原案のパブコメ募集がありました。
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu130130.html

その結果、こうなりました。
防災指針 募集意見ほとんど反映されず(NHK)
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/147872.html

防災指針の見直しについて、先月末から2週間、国民の意見を募集した結果、「ヨウ素剤を事前に配る範囲が狭すぎる」「放射線量の基準を下げるべきだ」など、合わせて3155件が寄せられました。
これに対して、規制委員会は「原発事故の教訓を踏まえ、適切な検討を行った」として、指針へはほとんど反映させず、見直しはほぼ原案どおりに決定しました。

法曹養成制度検討会議「中間的とりまとめ」の給費制問題には2.421件の意見が寄せられ、意見の概要を見る限り、大半が給費制に戻すべきとの意見だったと推測されます。
ところが座長試案は貸与制維持。防災指針の見直しと同様、こちらも意見を反映せずに座長試案通りに決まってしまう流れです。

パブコメはやっぱり、「国民の意見もちゃんと聴きましたが何か」っていう行政のアリバイづくりでしかないんでしょうか。意見を聞き置いただけで反映させないなら、何のための手続きか分かりません。

ところで同じ日の原子力規制委についてはこんな記事もあります。
原発5キロ圏にヨウ素剤配布/指針改訂(デーリー東北新聞)
http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/tiiki_tokuho/kakunen/news/news2013/kn130228b.htm

了承時に傍聴者から「意見公募を無視するな」「審議をやり直せ」と不満の声が相次ぎ、会場は一時騒然となった。

規制委は傍聴できる公開の場でやっていますから、イレギュラーな方法とはいえ、こうして国民の声を直接訴えることもできなくはありません。

しかし、法曹養成制度検討会議は非公開。国民の声に耳を塞ぎながら、ひらすら法科大学院制度の維持に邁進してきた会議も今月末には最終取りまとめのを迎えます。
その際、傍聴人の声で会議の場が騒然となることはありませんが、了承手続きの前に最終案に反対する委員が抗議の辞任をして席を立つ一幕くらいはあってほしいです。

2013年6月 3日 (月)

東大ついに早稲田に勝利!@神宮球場

東京六大学野球リーグ戦で56連敗中の東大が、神宮球場で早稲田相手に4―1で悲願の勝利!

20130603jingu

まあ、リーグ戦ではなく1、2年生でチームを組む春の新人戦なんですが(^^;)

これはこれで珍しいニュースだと思うんですが、
今日の試合は決して「番狂わせ」ではありませんでした。
東大が少ないチャンスを確実にものにし、堅守で失点を最小限にとどめた勝利で、実力的にも戦略的にも東大の方が優っていました。
決して偶然の運不運が勝敗を左右したような試合ではありませんでした。

2年後のシーズンは東大がリーグ戦で4,5位争いをしているような気がしてきました。

※参考
東大、新人戦は連敗止まる/東京六大学(サンスポ)
http://www.sanspo.com/baseball/news/20130603/unv13060316310002-n1.html

大阪学院大ローが募集停止を正式発表

大阪学院大学 法科大学院の学生募集停止について
http://www.osaka-gu.ac.jp/news/2013/06/pdf/law-school.pdf

前エントリーのコメント欄に寄せられた情報について本日正式発表されました。
(情報ありがとうございました)

引き続き法科大学院の来年度入試の動向について不定期ですが、チェックしていきます。

※HP上で来年度の入試関連告知をまだ確認できないLSは以下の通り(6月3日現在、左から通し番号、大学院名、昨年から今年の入学者数推移)

10 信州大学 18人→10人
12 名古屋大学 68人→63人
15 神戸大学 84人→84人
16 島根大学 3人→2人
19 香川大学 6人→6人
43 東海大学 11人→4人
51 神奈川大学 8人→6人(6/3入試案内告知)
64 大阪学院大学 6人→2人(6/3募集停止発表)
70 広島修道大学 15人→9人
※ただし今年度適性試験の案内告知はあり

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