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2013年7月

2013年7月29日 (月)

法務省がパブコメ全文公開へ

「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」に関するパブリック・コメントの全文について情報公開請求していたところ、法務省の担当課から、全文をホームページで公開することになった旨の連絡を受けました。
連絡によると、現時点の予定では、ウェブ上の公開時期は早ければ10月末。ただ作業の進捗具合によっては遅れる可能性あり。形式は表形式にまとめたもので、平山参院議員がHPで公開している経済的支援関連のものと同一。開示する意見内容は要旨ではなく、原則として原文のママ掲載する、とのことです。
一方、紙の文書での開示は全部で5千ページを超え、開示実施手数料として5万円以上かかるとのこと。内容は10月末以降に公開予定の資料とまったく同一のものと考えてよい、ということでした。

法務省は法曹養成制度検討会議第15回でパブコメの全文開示は、委員の閲覧要請と情報公開請求のみ応じるとして、ウェブサイト上では公開するつもりはないと受けとられる方針を示していました。しかし、私以外にも開示請求が複数あったもようで、「関心が高い」ことを重くみて方針転換したとみられます。
本来、初めから公開すべきものですが、公開方針への転換を素直に歓迎するとともに、膨大な文書の開示に向けたとりまとめ作業に当たる事務方の労を心からねぎらいたいと思います。

最終取りまとめと、それを受けた政府の方針決定が既になされた今となっては時機を逸した感はありますが、この法務省の方針転換も、多くの個人や組織の意見表明や行動の成果ではないかと思います。

2013年7月28日 (日)

東大文一生の「法学部離れ」進む

ちょっと古い情報ですが、
文一生の「法学部離れ」進む―第一次志望集計
http://todai.info/news/shinfuri/2014/002.php

 6月18日、東大の全2年生を対象に3年次以降の希望進学先を調査した「進振り志望集計」が発表され、文一(文科一類)の学生のうち法学部を志望する学生の割合が、過去最低の83.2%を記録したことが分かった。
 2014年度進学振り分け(2013年実施)に臨む文科一類の2年生は452名である(現時点における進振り参加資格を満たした人数。今後の成績次第では参加資格を失う者が出てくる可能性もある)が、このうち法学部を第一志望として登録した文一生の人数は376名と、全体の83.2%に留まった。
 
つまり、「文一といえば法学部」との認識とは裏腹に、約2割の文科一類の学生は、法学部以外の学部を志望していることになる。(中略)
 前年の進振りでは、進振り制度改革以来初となる法学部文一枠の底割れ(定員割れ)が起こり話題となったが、
今年は前年よりもさらに志望者が減少しており、二年連続で法学部文一枠が底割れを起こすとの見方が強まっている。
 法学部の定員は415名であり、そのうち文一専用枠として395名分が割り当てられている。現時点で文一からの法学部志望者は376名であり、19名足りていない。実際にはここから志望変更がありうるが、
過去の例を見るにそれほどの人数が動くとは考えにくく、情勢は厳しいと言わざるをえないだろう。

当局がどんなに取り繕うとしても市場(学生)は正直です。
株には詳しくないですが、あえて株式市況のニュース風に言えば
「法曹養成制度検討会議が何も有効な打開策を打ち出せないことは織り込み済みだったとはいえ、法曹界への失望感の拡大に歯止めがかからず法学部株が独歩安で続落した」
という感じでしょうか。

記事は

二年連続の底割れ(定員割れ)となれば、また週刊誌に意味もなく叩かれることは間違いない。

と結んでいますが、定員割れは、司法制度改革の失敗を意味している可能性がありますし、そうだとすると「叩かれる」対象は東大生ではなく司法制度改革を推進した人たちです。この中には、法学部離れの現状を前に、母校に顔向けできない人がいるかもしれません。

2013年7月20日 (土)

給費制復活をめぐる日弁連への要望書

ビギナーズネットさんが日弁連に対し以下のような要望書を出したそうです。
http://beginners-net.jugem.jp/?eid=555

 これまで、貴会は法曹養成制度検討会議に対し、司法修習生への「給費制の復活を含む経済的支援」の実現を主張してこられました。検討会議における厳しい議論状況を踏まえた代替案の主張であったと存じますが、このような貴会の主張は、「経済的支援」というにはあまりにも不十分な施策でのとりまとめを容認する結果となってしまいました。会議に参加することが出来ず、会議場にすら入れない私たちと致しましては、貴会が検討会議において「給費制復活」を勝ち取ることを心より期待し応援していましたので、この結果を非常に残念なものと受け止めております。
 給費制復活の途が閉ざされようとしている現状や上記のようなパブリックコメントの結果を踏まえれば、貴会がこれまでのような「給費制の復活を
含む経済的支援」という曖昧な主張を続けられることは、給費制復活を求める多くの国民の声に反するとともに、パブコメを無視する検討会議の取りまとめを容認するものであり、給費制復活を求める貴会の主張として相応しくないものと考えます。私たちは、貴会が明確に「給費制の復活を求める」と主張されることを強く望みます

日弁連はこれまでビギナーズネットと給費制復活で共闘関係にあったし、これらかもそうだとは思うのですが、給費制復活を「含む」なんていう煮え切らない態度では、上記のような厳しい指摘がなされるのもやむを得ませんね。
法曹養成制度検討会議で、補助金を死守したい鎌田委員が必死で給費制に反対したように、法科大学院への補助金と給費制は財源の点でバッティングし、二者択一の関係にある、と考えるのが通説のようですから、法科大学院を中核とする法曹養成制度を維持しようとする日弁連執行部が給費制復活について腰が引けるのはある程度、予想できたことです。

一方で日弁連執行部は内向きには「給費制を何とか復活させたい」(4/16の集会における市丸信敏副会長発言)などと、復活に不退転で臨むと受け取れる明確なメッセージを送り続けてきました。そのことに期待と信頼を寄せている人も多いのですから、今後は腰をしっかり据えて給費制復活に向けて尽力していただきたいです。
わたし個人としては、法曹出身政治家やマスコミ論説委員への強力な働き掛け、パブコメの自主集計分析と公表、給費制廃止違憲訴訟への支援を日弁連執行部に期待します。

※参考
「日弁連は給費制復活の旗を事実上降ろしたのか」(拙稿)
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-66f9.html
(コメント欄も併せてご参照ください)

「玉音放送。正式に敗北宣言したということでしょうね。」(福岡の家電弁護士 なにわ電気商会)
http://ameblo.jp/mukoyan-harrier-law/entry-11490853900.html

法務省審議会委員の報酬

法曹養成制度検討会議の最終取りまとめをめぐっては「こんな会議にどれほどの税金を使ったのか」という怒りの声も一部で見受けられたので、委員の報酬支払基準(正式には「会議出席謝金支払基準」というらしい)を情報公開請求してみました。

ただ、議論の本筋ではありませんので、あくまでご参考です。

「kaijibunsho.pdf」をダウンロード ←開示文書はこれです。

法曹養成フォーラム、法曹養成制度検討会議は別表1の「区分①」に当たり、職名別単価は座長は「会長」の項目、その他の有識者委員は「委員(会員)・臨時委員」の項目が適用されるそうです。

「適用上の留意事項」によれば、ざっくり言うと2時間までは「時間単価」が適用され、それ以上はいくら長引いても「日額」が適用されます。「日額」は約2時間分しかありません。だから、1回の会議をなんとか2時間で終わらせようと必死なんですね。
あと、国家公務員が公務として出席する場合は「謝金」は支給されません。

以上を元に法曹養成制度検討会議に関して単純計算してみると、会議1回2時間として
座長 10,400×2h× 1人= 20,800円
委員  9,000×2h×16人=288,000円

あくまで机上の単純計算ですが、有識者委員への報酬だけで会議1回で計308,800円、計16回の会議では494万800円ということになろうかと思います。
ここには法科大学院視察の際の謝金や、資料作成経費とか会議準備・運営を含む事務局職員の人件費などは含まれません。

2013年7月13日 (土)

論文本試験での不可解な思い出

いよいよ明日から予備試験論文試験です。
本試験中は予期せぬことがしばしば起こりますが、
慌てず、冷静に対処すれば必ず何とかなります。
もし答案の内容面以外で困ったことがあれば、どんなことでも遠慮なく手を上げて試験官を呼べば、必ず解決します。

私は試験中に,途中棄権を覚悟するようなひどい体調不良に見舞われたり、試験終了10分前に特定答案になりそうな答案の汚れに気付いてパニック寸前に陥ったことがあります。
しかし、いずれも落ち着いて対応した結果、問題ありませんでした。

あと、困ったほどではありませんが、最後の旧司論文試験でいまだに事情が飲み込めない、不可解な思い出があります。

私の前の席だった男性の受験生なんですが、6科目すべて、試験開始から1時間余りで答案2通を早出しして教室から出て行きました。
私は論文本試験を全部で5回受けましたが、本番で早出しする人なんてそれまで一度も見たことがありません。

なのに、この受験生は私の目前で全科目連続で6回も。

この受験生が試験官に提出する際に答案がチラっと目に入ってしまうのですが(もちろん文字までは読めません)、2通とも、少なくとも表(おもて)面の2ページはびっしり書かれていたように見えました。

この年の論文に私はかつてない集中力で臨んでいましたが、さすがにこれには少なからず動揺しました。
「今年は超簡単な問題ばかりで、難問と感じているのは実は俺だけではないか?」と。
しかも、私は先に第1問と第2問の答案構成をした後に、2通を一気に書き上げるタイプだったので、試験開始後1時間余りではまだ1通目の1ページも書き終わっておらず、2通目は白紙の状態。なのに既に計2通書き終えて退出する人がいるなんて・・・。
この受験生が早出しして教室を出ていくたびに集中力が途切れ、気持ちを立て直すのに必死でした。
なお、座席の位置関係から、この受験生の早出し退出が試験中に気になる程度に目に入ったのは、私とその周辺の数人だけだったと思われます。

私の前の席なので、その受験生の受験番号は覚えようとしなくても分かります。
で、迎えた10月の論文合格発表。

その方の番号はありませんでした。
もし合格してたら間違いなくレジェンド・オブ・司法試験だったでしょう。

口述の発表も終わった後、あらためて考えてみましたが、あれはいったいどういうことだったのでしょう。

最後の旧司であとがない状況で、せっかく択一を通ったのに、お試しとかお遊びで論文試験を受ける人はいないと思います。

もしかしたら既にその年の口述の権利を持っている方で、口述通過の自信があるために実験的な受験をしたのかもしれません。
でも、やっぱり万が一のことを考えて次年度の口述の権利を真剣に取りに行くのがふつうではないでしょうか。

あるいは単に筆の速い方だったのか。それにしても1時間余りで2通完成というのは、あまりに速すぎる・・・。しかも教室の外は記録的な猛暑。たとえ速く書き終えても冷房の効いた教室でじっと待っていた方が快適なのは明らか・・・。

私は修習に行かなかったこともあって、この出来事はいまだにナゾのままです。

2013年7月12日 (金)

法曹養成制度検討会議第14回会議議事録

今さらですけど、法曹養成制度検討会議第14回会議議事録を司法修習生への経済的支援の部分に限って読みました。

和田委員が早稲田、中央といった「定評のある法科大学院」でさえ志願者が減り定員割れしてる現状を指摘した上で「司法修習生の給費制さえ復活しないというのであれば,私は,定評のあるとされる法科大学院の将来もないということになると思いまいます」と指摘。上位ローの維持存続にとっても給費制が必要と訴えています。
しかも和田委員は法科大学院側の事情にも配慮し、法科大学院への補助金を削って給費制に回せ、という主張を展開しないで
「予算を法科大学院にも司法修習生にも配分してもらうように考えるべきではないでしょうか」と提案しています。

法曹志願者の激減に歯止めをかけることは法科大学院にとっても喫緊の課題でしょうから、この提案には法科大学院側も乗れるのではないでしょうか。
法曹を目指す人材をいかに確保するか、という点において、給費制の復活は、復活を求める側と法科大学院側の双方にとって「共通の利益」であり、「共通の敵は財務省」と考えることもできます(財源調達のハードルは高くなりますが)。

ところが鎌田委員にこの訴えは通じませんでした。

鎌田委員によると、学生1人に対し大学側が年間で約250万円程度を費やす一方、授業料(学費)は1人150万円。

単純計算で学生1人当たり年間約100万の赤字ということになります。

その上で鎌田委員は続けます。

赤字の分を大学はどうしているかというのはいろいろありますけれども,しかし法科大学院生は生活費プラス150万プラス学習経費を負担しているわけです。そういう法科大学院全体に出ている公的補助金は多分7~80億ぐらいだったと記憶しています。
 法科大学院に入って勉強するためにはものすごい経済的な負担を覚悟して,翁委員がおっしゃるように相当の年数も覚悟して,そして思ったように合格率が上がっていないとなると,それで合格できない,合格できない人の就職先は非常に狭い。しかも,ここには修習生の返還義務のように,5年据え置きでその後は無利子というような特典はないわけでありますから,受験生活が終われば,奨学金は直ちに返し始めなければいけない。
 こういう中で,法科大学院の側からすれば,それは修習生に手厚い支援をしていただけるのは我々も若い人を養成していますから大変ありがたいことだけれども,優先度はどこにあるのかというと,司法試験に通った人と通るかどうか分からない中で苦労している人,それから生活費プラス学習経費を負担している人の負担を軽減するという意味ではまだまだ支援は不足しているので,先ほど申し上げたように,それを削って合格した人に回すというのは法科大学院の側から言うと納得はしがたいということを申し上げさせていただいた次第でございます。

ちょと分かりにくい部分もありますが、最後の一文からみて要するに、公的支援は既に合格した人より、合否が決まっていない状態で苦労している現役大学院生を優先すべし、と言っているようです。一見、法科大学院生の経済的負担を気遣っているようにみえますが、私には
“大学経営のために赤字分は国で補填しろ”
って言っているだけにしか読めません。
だって、法科大学院は法曹養成機関の一つですから、いくら合格率が芳しくないからといって、学生が合格できないまま受験生活を終える場合を前提に、そういう学生を優先的に考えるのはおかしい。現役ロー生は全員とはいわないまでも、ほとんどがいずれ司法試験に合格し、必ず司法修習に行くという前提で考えなくてはいけない。だとしたら司法修習生への給費は現在の早稲田ロー生が将来、受けることになる利益です。もし本心から学生の経済的負担を気遣っているなら給費制を主張するのが当然ではないですか。

給費と補助金は二者択一の関係にあるという考えから、補助金をもらいながら給費もよこせ、なんてずうずうしくてお上に言えない、っていうことなんでしょうか。

それにしても最後の一文の

「それを削って合格した人に回すというのは法科大学院の側から言うと納得はしがたい」

という発言には恐れ入りました。
利害関係者によるあからさまな利益主張。こんな会議、「有識者会議」でも何でもありません。

2013年7月10日 (水)

受験時代から司法試験ブログを読むべきだった・・orz

私が司法試験関連のブログなどを積極的に見始めたのは、一昨年の秋くらいからです。
受験時代には一時期、見ていましたが、ネット情報に振り回されやすい性格で受験勉強に弊害があったので、最後の論文試験終了前の4年ほどは意識的にネットブログや2ちゃんなどを見ないようにしていました。

今日は朝から、いつも愛読し、勉強させていただいているSchulze BLOGさんの過去のエントリーを超駆け足ながら読ませていただいたところ、ご自身の合格までの体験のほか、旧司受験生へのエール、アドバイスなど珠玉の言葉が盛りだくさんにつづられていて愕然としました。もし受験時代にSchulze先生のブログを読んで感銘し、激励されていたらもっと早く合格できたかもしれません。受験時代に司法試験関連のブログのロムを断っていたことを大いに悔やみました。

また、Schulze先生のエントリーの中で紹介されている他のブロガーのエントリーにも感銘を受けました。
「論文終わったぜ!!!!!!!!」(ぷーさんの元受験日記 旧司法試験最強の法則)
http://highway-star.cocolog-nifty.com/pooh/2007/07/post_3648.html

論文試験に臨む熱意、真剣さに心を打たれます。
私も、過去になく真剣に取り組んだ最後の2010年には択一終了後に涙が止まらず、刑訴の論文試験後は放心状態でしばらく席を立つことができませんでしたから、当時の筆者の体験や心情を、そのまま自分に置き換えることができました。この記事を私が2007年当時に読んでいれば、2008年、2009年の論文試験を2010年のような集中力で臨み、合格できたかもしれないと思い、またまた大いに悔やみました。

ところで話は変わりますが、前のエントリーで私なりの論文試験の心得として“試験終了時に立ち上がる余力もないくらいに全力を尽くすべき”と書きましたが、これは2010年論文試験の直前に辰巳が行った無料講座で片山木歩講師がアドバイスしていたことです(当時、私は地方在住だったのでMD実費負担で音声のみの聴講でした)。
私はその年で司法試験受験を最後にするつもりだったので、絶対に悔いを残さないために、片山講師の言う通り、各科目の試験終了時に立ち上がれなくなるほど集中して真剣に取り組もうと誓い、本番で実践しました。結果として合格できたのは、この集中力のおかげだと思っていて、片山講師には今でもとても感謝しています。

こんなふうに朝からSchulze先生の過去記事に目を通し、自分の司法試験受験体験と片山講師の話を思い起こしながら、「ぷーさんの元受験日記」ホームの他サイトのリンクをたどってみると・・・

ああ、やっぱり受験当時に司法試験ブログを読んでおくべきでした・・orz

今日はずっとPCの前に座っているだけですが、人や情報とのつながりがいかに大事かを学ぶ一日となりました。

もうすぐ予備試験論文試験

もうすぐ予備試験の論文試験です。
この時期になるといまだになぜかソワソワします。

受験されるみなさんは自分なりの論文試験への臨み方を既に確立していらしゃるとは思いますが、私なりの論文試験の心得(総論的なもの)を記します。

問題を開いたら時間をかけて問題文を冷静に分析して「書くべき項目」をきちんと抽出します。問題分析と答案構成には25分くらい使います。これをいい加減にやって「書くべき項目」を落とすと、その項目に振られている点数をごっそり落とすことになるからです。問題分析と答案構成の段階で答案の評価はほぼ決まってしまうといっても過言ではありません。

答案構成が決まったらあとは一気に書くだけですが、基本か応用かを見極め、基本なら手厚く正確に書くことを意識します。一方、応用(たいては未知の論点)なら基本(趣旨など)から自分なりに処理して妥当な結論を導きます。応用はきちんと処理できなくて構いません。配点は基本部分より大きくないと考えられるからです。ただ、ひとことで構わないので応用部分に気付いていることを必ず採点者に示します。これだけでそれなりの点数が入ります。

細かい部分では、所詮、点取りゲームであることを認識し、少しでも点数を積み上げていくことを意識します。たとえば、ちょっとした定義や、かっこ書きの条数の記述一つにも0.01点くらい振られているかもしれないと思いながら、時間の許す限り、細かく拾い上げて点を取りに行きます。実際に条数の記述に点が振られているかどうかは分かりませんが、そういう、どん欲な姿勢が大事なのです。

上記のことに全力で集中すると、試験終了時には頭がオーバーヒート寸前で答案回収後も5分くらいは立ち上がる余力もないはずです。絶対に悔いを残したくないなら、脳みそと、ペンを持つ手をそれくらいフル回転させるべきだと思います。

がんばってください!

※7/12追記・参考ブログ
「司法試験予備試験の論文受験生の皆さん!」(ぷーさんの元受験日記~旧司法試験最強の法則)

http://highway-star.cocolog-nifty.com/pooh/2013/07/post-5ef9.html

2013年7月 5日 (金)

龍谷大ローが学生募集停止の方向

Schulze先生のエントリーで知りました。

全21頁にわたる入試要項2頁目の上の方に

龍谷大学では、2013年度中に新たな法曹養成のあり方を構築した上で、法科大学院の学生募集を停止する方向です。(以下略)」

と記載し、2014年度からの募集停止を示唆しています。気付かずに読み飛ばしてしまいそうな告知です。
今年度中に構築する「新たな法曹養成のあり方」っていうのは、広域連合のことでしょ
うか。

それにしても、次年度から募集停止されるか否かは、入学志願先を決定する上で重要な考慮要素なのに、入試要項公表と同時に記者発表もしないで、この程度の告知だけで済ませるのはどうかと思います。

2013年7月 3日 (水)

「多様な法曹のため」なら即刻、受験資格要件を撤廃すべき

昨日取り上げた朝日の社説の趣旨をかいつまんでいえば“「多様な法曹」を実現するために法科大学院を減らさず、増員路線を堅持し、司法試験もあらため、もっと需要を開拓せよ”ということになろうかと思います。

しかし、「『多様性確保』失敗のとらえ方」(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)が「在学中から受験して実力を試せ、さらに社会人になってからも、働きながらコツコツと勉強して何度でも気力の続く限りチャレンジできる旧制度の方が、「広く門戸」を開いているのは、はじめから明らかでした」と指摘している通り、ふつうに考えれば受験資格と受験期間に制限を設けない制度の方が多様な人材を集められるに決まっています。司法試験に向かう入口のところで「時間的経済的地理的に法科大学院に通えること」という条件を付けて多様性を阻害してしまえば、出口をいくら増やしたところで多様性が実現するはずがないのです。
こんな簡単なことをいつまでも分からない人がいるので、過去のエントリーで検討した新旧の比較データをまとめて再録します。

1・法曹を目指そうとする人(「入口」段階)の多様性
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-a18e.html
社会人(旧司は有職者)の数と全体に占める割合

     ロー入学者  旧司受験者
H16  2,792(48.4%)   10,667(24.6%)
H17  2,091(37.7%)    10.084(25.6%)
H18  1,925(33.3%)      8,880(29,4%)
H19  1,834(32.1%)     7,650(32,8%)
H20  1,609(29.8%)     6,532(34.9%)
H21  1,298(26.8%)     5,667(37.2%)
H22   993(24.1%)     4,998(37.8%)
H23   763(21.1%)
H24   689(21.9%)

法科大学院制度のスタート後、ローに行けない有職の法曹志願者が旧司の方で法曹を目指した傾向が伺えます。

2・司法試験合格者(「出口」段階)の多様性
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-70ef.html
非法学部系出身者の合格者の割合を未修者の受験が始まった平成19年度以降で比較(単位%)

      新試験  旧試験
H19   22.26 ≒ 22.98
H20   21.65 ≒ 20.83
H21   20.85 < 27.17
H22   19.05 < 22.03
H23   18.13    33.33
※ただし23年度の旧司合格者は6人

非法学部系合格者の割合は新旧同程度か、旧の方が上です。

以上のように新制度では入口で多様な人材がはじかれ、出口でも旧制度と比べて非法学部系が受かりにくくなっていることがデータからも分かります。朝日が本心から「多様な法曹」を求めているなら即刻、受験資格・期間の廃止を主張すべきです。

ちなみに、私自身は法曹界に多様な人材を集めるべきと積極的に考えているわけではありません。法科大学院推進派が「多様性」という概念を持ちだして改革の理念をやたらと持ち上げるので、それに合わせて多様性をモノサシにして理念倒れの現実を指摘しているにすぎません。

2013年7月 2日 (火)

壊れかけの朝日社説

法科大学院―「多様な法曹」のために(朝日新聞2日付朝刊社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial20130702.html#Edit2

ネットでも全文読めますが、
半世紀近くにわたる同紙の有料購読者として批評させてもらいます。

正直にいうと、一読して何が言いたいのかよく分かりませんでした。
よくよく読み返してようやく、結局は法曹人口の抑制と法科大学院の数の絞り込みに慎重ないし反対なんだなあ、と分かりました。これは、上位ローだけを残して統廃合しようとしている法科大学院維持勢力を凌駕する、筋金入りの司法改革理念推進論だと思います。
ただ、弁護士就職難、法曹志願者の減少という現実を前に信奉している改革の理念が揺らぎ、苦し紛れの混乱した文章になっているように思います。

例えば

それでも法曹人口は12年間で7割増えており、合格しても職がない状況もうまれている。

というくだり。

前段は改革の見込み通りの現実である一方、後段は逆に見込み違いの弊害であり、「それでも~」という接続詞のつながりでひとくくりにするのは論理的ではありません。

それは置くとしても、このくだりは法曹人口の増加を原因として、就職難が生じていることを認めた記述です。
さらに、続いて

これでは、意欲ある人材は集まらない。実際、新制度になって以来、法科大学院志願者は減ってきている。

と指摘していることから、この社説は
①法曹人口の増加→②就職難→③法曹志願者の減少=有為な人材離れ
という連鎖を認めていることになります。
そして①②はともかく、少なくとも③は解消しなければならない弊害であるという認識もある。

ならば、③の原因となっている①②をなんとか解決しなければならない、と考えるのが筋なのに、なぜか

法科大学院の数を絞れば、全体の合格率は上がるが、それだけでは改革がめざした「多様な法曹」はうまれない。

とか言って、法科大学院の統廃合に難色を示し、

司法試験の合格者3千人という数にこだわることはない。とはいえ、社会のすみずみに法律サービスがゆきわたっているといえるだろうか。

として法曹人口の拡大路線の継続を促しています。

現に弊害が生じていることを認めながら、どうしてこんなねじれた見解になるのか。その理由は

旧制度に戻りつつあるのではないか。

という言葉に表れています。

つまり相変わらず司法制度改革審議会意見書が提示した改革の理念を無批判に、金科玉条として拠り所にしているからです。現実がどうなろうと、理屈はどうあれ、ひたすら理念の実現を目指す―。ただそれだけのように読めます。
今回は「多様な法曹」という理念を持ち出して法科大学院の削減に待ったをかけ、相変わらずの「需要はまだある」論を振りかざして、法曹人口の抑制に反対しようとしていますが、説得力がありません。

というのも「需要はまだある」論があまりに空疎に思えるからです。

社説はまず

悪質商法や詐欺など、法的な助言があれば防げたかもしれないトラブルはあとを絶たない。

って言いますが、犯罪や消費者被害の「予防」は、もっぱら立法と行政の役目だと思います。そもそも司法改革は、事後救済型社会への転換を掲げており、「事前」救済は後づけの理屈っぽい。それに改革が掲げる「事後救済」も規制緩和に伴う経済的紛争を念頭に置いていたと思われ、一般の弱者救済を想定していたかどうかは疑問です。
とってつけたような例で、法曹の潜在的需要の例示として妥当とは思われません。

また

兵庫県明石市は5人の弁護士を職員に採用し、お年寄りから相続などの相談を受けているが、こんな実践はまだまれだ。

とも言いますが、サービスを受ける側の一般市民にとっては、現在、ほとんどの自治体で実施していると思われる無料法律相談と何が違うのか分かりません。

今回の朝日の社説は、理念崩壊の現実を認識しながら、何とか理念を維持しようと文章をこねくり回したけれどもうまく行かず、結局グダグダに終わってしまった印象を受けます。
この社説を読んで“やはり理念を堅持すべき”と啓発される人がいったいどれくらいいるでしょうか。もう、マスコミがどんなに多言を弄しても、現行法曹養成制度を擁護することはできない状況に陥っていると思います。

※最近の日経記事に関しご参考
日経新聞 法曹誤算(下)「常識」備えず現場へ(7月1日朝刊)(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52027102.html

「先送り」批判の真意(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-709.html 

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