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2013年8月

2013年8月27日 (火)

“効いてる”なあ、予備試験

早稲田大学の鎌田総長が韓国メディアの取材に対し予備試験について“失敗した”と語ったことが伝えられています。
http://japanese.joins.com/article/282/175282.html

「失敗」の意味は、法科大学院制度の維持・存続の妨げになっている、ということのようです。

予備試験“効いてる”なあ、と思います。

法科大学院制度は、たとえ法的に廃止されないとしても、行く人がほとんどいなくなることにより、いずれ事実上崩壊すると思います。
このロー進学者減少の要因の一つに、法曹志願者が予備試験に流れていることが挙げられます(だからこそ鎌田氏ら法科大学院関係者が予備を目の敵にしている)。
そのためロー制度の崩壊プロセスを早め、最終的に引導を渡すのは予備試験ではないかと、かねがね考えています。

もちろん、ローにかかる費用と時間を高コストと思わない方はローに行けばいいと思います。
そうは思わずに法曹を目指そうとする方は、予備試験ルートをお勧めします。
ただ、予備試験→司法試験と難関試験を二度パスしなければならない「いばらの道」であることの覚悟は必要です。また、予備校の利用は必須なので一定のコストはかかります。

一方、ロー進学者減少のもう一つの要因として挙げられるのは、そもそも法曹を志願する人が減っていることです。たとえロー制度が事実上崩壊し、予備試験が主流になったとしても、法曹志願者が戻ってこなければ司法界全体が弱体化し、ひいては国民に不利益をもたらすことが懸念されます。
法科大学院がなくなるだけでは問題の解決にはならず、あるべき法曹人口や司法修習の充実策も併せて考えなければならないと思います。

※参考ブログ(Schulze BLOG)
早大・鎌田総長「韓国の法科大学院、日本の前轍踏まないように」(中央日報日本語版)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52035112.html

以下は予備試験合格を目指している方へのご案内です。

社会人予備受験生の情報交換と交流の場として、mixiのコミュニティを個人的に2年前から運営しています。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=5837638
別の姉妹コミュニティでメンバーによるネット上の「論文ゼミ」もやっています。
社会人以外でも真剣に予備試験に挑んでいる方の参加を歓迎します。
興味のある方は、一度、覗いてみてください。
(いまどきmixiで申し訳ありませんが、特定の共通テーマについて比較的長文でじっくりと情報や意見を交換する場としては、いまだに有用性が認められるように思います)

2013年8月21日 (水)

合理的な予備試験合格者数は?

来月10日に司法試験の合格発表があります。

個人的に注目しているのは合格者数が、たとえわずかでも2千人を切るかどうか。

それよりも関心があるのは、なんといっても予備試験合格組の合格率です。なぜなら、この数値が今年の予備試験合格者数の増加率を大きく左右すると考えられるからです。

初回平成23年度の予備試験合格者数は116人。
翌24年度の司法試験で予備組が合格率で法科大学院組を圧倒的に上回った結果、予備試験合格者も2倍近い219人に激増しました。

ここで確認しておきたいのは、予備試験は「(法科大学院修了者と)同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的」(司法試験法5条)とした、ほぼ純然たる資格試験であり、司法試験合格者数のような政策的、予算的、修習指導体制上の考慮はなされないはずだ、ということです。司法試験委員会に能力判定における裁量権があるとしても、予備試験合格者数決定における裁量権は、司法試験合格者数決定における裁量権よりもはるかに狭いというべきです。
この点は、自民党司法制度調査会が「法科大学院修了者と予備試験合格者の司法試験合格者割合が同程度になるようにすべき、との閣議決定を誠実に遵守する」よう求めているのが注目されます。

この閣議決定と司法試験法5条を誠実に遵守しようとすれば、司法試験において予備組とロー組の合格率をできる限り近づけなければなりません。
去年の219人という予備試験合格者数を司法試験委員、考査委員がどのような根拠で決定したかは分かりませんが、もし今年の司法試験合格率に去年と同程度の差(予備組68.2%、ロー組24.6%)が出れば、去年の2倍程度の増加率では少なすぎて合格率の差を縮められなかったということでしょうから、2倍を相当程度超える増加率で合格者を出すのが合理的と思われます。少なくとも、予備組とロー組の合格率が拮抗するようになるまで、予備試験合格者を毎年、増やし続けなければならないはずです。

司法試験合格率以外に、閣議決定を遵守するための有力な基準となるデータに、短答式の共通問題における平均点があります。閣議決定及び司法試験法5条の趣旨からは、司法試験「全受験者」の平均点と、予備試験「最終合格者」の平均点を同じにするのが合理的です。
ところが共通問題に関しては、平成23年に新司法試験受験者と予備試験「受験者」の平均点という、ポイントのずれたデータが公表されただけで、予備試験合格者数決定の合理性を検証できないのが現状です。
なお、これを含む23年度の予備短答データから推論してみると、この年の共通問題は予備試験の「短答合格者」平均点が新司法試験受験者全体の平均点を上回っていたと考えられます。もしその通りだったとすると、予備試験の短答合格者全員を最終合格させてもおかしくなかったと思います。

※私が24年度以降のデータを見落としているかもしれませんが、少なくとも予備試験「最終合格者」に絞った、共通問題の短答平均点は公表されていないと思います。

2013年8月11日 (日)

野球場の広さ

今年の夏の甲子園大会は、やたらとホームランが多いなあ、と思っていたら関連記事が出ていました。

高校野球も飛ぶボール?夏の甲子園で本塁打量産(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/08/10/kiji/K20130810006386710.html

仮に「飛ぶボール」で、それを金属バットで打つとしても“広い”甲子園球場でスタンドまで運ぶんだからたいしたもんだろう、と思って一応、球場の広さを調べてみたら、中堅118m、両翼95mと意外に広くなくて驚きました。実況のアナウンサーや解説が甲子園球場の広さを強調することがありますが、必ずしも適切ではないですね。

一方、逆に“狭い”と言われていた神宮球場。最近、大学野球を観に足を運ぶようになって、そんなに狭いかなあ、と思っていました。ただ、相変わらず外野フェンスに距離表示がないこともあって“狭い”という先入観を持ち続けていました。

でも調べてみたら中堅120m、両翼101mと、甲子園よりも広く、両翼は日本最長と言われるKスタ宮城並みで驚きました。どうやら何年か前の改修で広くなったみたいです。これまで“狭い球場”と疑ってきてごめんなさい。これからは疑うのはスピードガン表示の正確さだけにします(^^;)

ところで、私がこれまで実際に見た野球場で最も広いと思ったのは仙台育英高校のグラウンドです。当時、両翼100m、中堅125mだったとか。グラウンドの目の高さでみると、外野フェンスははるかかなたで、これは広い、と一目で分かりました。

最近、人工芝に改修されたらしく、もしかしたら広さも変わったかもしれません。

2013年8月 2日 (金)

給費制廃止違憲訴訟提訴に思うこと

元司法修習生ら「給費制廃止は違憲」 国賠求め地裁に提訴(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0200Q_S3A800C1CR0000/

 司法修習生の給与を国が支払う給費制を廃止し、貸与制にしたのは違憲で無効として、元修習生らが2日、1人当たり1万円の国家賠償を求めて名古屋、東京の両地裁に提訴した。広島、福岡の各地裁にも同日中に提訴予定で、「経済的事情で断念した人もおり、給費制の廃止は不合理だ」と訴えている。

提訴については世論喚起の期待とともに懸念も指摘されています。
司法修習生の給費制廃止違憲訴訟に対する期待と懸念(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51993931.html

また、法科大学院制度の是非や、あるべき司法試験合格者数に踏み込まないことに対し厳しい批判がなされています。
パブコメの意見公開と違憲訴訟のはなし(黒猫のつぶやき)
http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/0e3b1a6e9148303ad9aa5ed2a64d615d

私もSchulze先生の懸念の指摘にまったく同感です。
また、私は従前から、法科大学院制度の是非に踏み込まない給費制復活運動は国民への説得力を持たない、と
いう考えですから、黒猫先生の批判はもっともで真摯に受け止めなければならないと思います。

なお、法律構成の点では、とあるSNSで「(貸与制は)立法裁量だろ」とか「無理筋」などと、給費の恩恵を受けてきたはずの先輩法曹から代替案も示されないまま、かなり冷ややかに見られたこともありました。

それでもあえて、理論面を含むこれらの問題に目をつむって「心情」面から今回の訴訟を応援したい、と私は思っています。

給費制の復活に向けては関係者の懸命な努力にもかかわらず市民運動、政治運動ともに行き詰まっており、一縷の望みがつながっていた有識者会議も復活要望を完全にそでにしました。このような閉塞状況の打開策は、もはや司法的解決の途しかないのでは、という思いが一つあります。

しかし、そういう消極的理由だけでなく、心情的に訴訟を応援したいと思わせる源は、原告となった新65期の方々の訴訟にかける思いとか、スタンスです。
ある原告の方は訴訟の動機に関連して「自分の権利侵害に鈍感だと、他人の権利侵害にも鈍感になる」と言って
いました。原告の方々は自分たちが法律家であればこそ、政治では解決できなかった自らの権利侵害を司法の場で解決すべきであり、そうでないと他人を救済することもできない、という強い自覚を持っていらっしゃるように見受けました。

もっとも、それは必ずしも提訴の主眼ではなく、多く耳にしたのは「後輩に自分と同じ苦しみを味あわせたくない」とか「貸与によって充実した修習ができなくなり、ひいては司法が衰退するのを食い止めたい」などという言葉です。彼らの提訴動機の主は、自分のことよりも後輩や司法の行く末の心配にあるように私はみています。

たしかに理論面の問題はあるにせよ、こういう原告団の心意気を買って、陰ながらサポートしたい、と思い立って本日、東京地裁に駆けつけました。
ただ、用事があって時間がぎりぎりになってしまい、家裁側から1階ロビーに入ってさらに端のドアから正面に出た時にはちょうど
、私と入れ違うように宇都宮先生(?)を先頭に横断幕を掲げた原告団が今にも入庁するところでした。
私はそれを玄関前の柱の陰からじっと見守るほかありませんでした。「明子姉ちゃん」のように。
その後も用事が立て込んでいたので、すぐに地裁前を立ち去りました。今後、都合がつけば弁論などに顔を出したいと思います。

※写真は原告団入庁直後の東京地裁前(午前10時半すぎ)

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2013年8月 1日 (木)

パブコメ情報公開の意味

法曹養成制度検討会議のパブコメの情報公開請求について黒猫先生がブログで言及されているのを受けて、私の考えを述べたいと思います。以下はまったくの私見で、私以外の開示請求者や公開を歓迎する方の考えとは異なるかもしれません。

私が情報開示請求をした動機は
「本来、法務省が公開すべき文書を公開しないので、入手して代わりに公開しよう」
という単純なものです。

ただ、文書を入手して公開したとしても、パブコメ意見の分類集計等、詳細な分析をしなければあまり意味がないし、閣僚会議レベルでの重要な政策形成が行われてしまえば検証しても“後の祭り”と言われれば、その通りだと思います。

それでも、原資料が国民の手元にあり、国民が検証しようと思えばできる状況にある、というだけでも、ささやかながら意味はあるのではないかと思います。そのような状況下では、行政・立法・司法を問わず国家機関が今後、関連事項の処分や判断を下すに際し、国民の意思をより強く意識せざるを得なくなると考えられるからです。つまり、国家の意思決定と国民の意思との乖離を検証可能であるという状況自体が、恣意的な国家作用への威嚇になり得るのではないかと考えています。
関係閣僚会議の決定がなされたとはいえ、積み残しの検討事項は山積しています。実施に当たって法改正が必要なものもあります。司法判断に委ねられる事項もあります。それらの検討や判断に際し、オープンな状態で存在するパブコメ資料が効いてくるのではないかと思います。

個人的には経済的支援関連の開示文書を見て、自分の意見が事務処理ミス等によって抜け落ちたり改ざんされたりしていなかったことを確認できただけでも良かったと思っています。
また、ざっと200件ぐらいながめただけでも、自分が気付かなかった観点やトリビア的な話を知ることができましたし、貸与維持派の意見の中にも一理あると感じ入った部分もあり、個人的には有意義でした。意見の分類集計も今は200件ですが、全部やらないと意味は薄いでしょうから、いつ終わるか分かりませんが、引き続きぼちぼちやっていくつもりです。

費用の点は、結果として全文公開が実現する運びになったので、時期が遅くなったとはいえ、懐は痛みませんでしたし、高額の費用負担が避けられなくなった場合の対策は事前に考えていました。

なお、第15回会議議事録によれば、情報公開請求によってパブコメ全文を開示することは当初から法務省側が予定していた(つまり、手間を予め覚悟していた)ようですし、聞くところによれば事務局が手作業で入力するわけではないようなので、「法務省への嫌がらせ」というのとは違うと思います。

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