« 野球場の広さ | トップページ | “効いてる”なあ、予備試験 »

2013年8月21日 (水)

合理的な予備試験合格者数は?

来月10日に司法試験の合格発表があります。

個人的に注目しているのは合格者数が、たとえわずかでも2千人を切るかどうか。

それよりも関心があるのは、なんといっても予備試験合格組の合格率です。なぜなら、この数値が今年の予備試験合格者数の増加率を大きく左右すると考えられるからです。

初回平成23年度の予備試験合格者数は116人。
翌24年度の司法試験で予備組が合格率で法科大学院組を圧倒的に上回った結果、予備試験合格者も2倍近い219人に激増しました。

ここで確認しておきたいのは、予備試験は「(法科大学院修了者と)同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的」(司法試験法5条)とした、ほぼ純然たる資格試験であり、司法試験合格者数のような政策的、予算的、修習指導体制上の考慮はなされないはずだ、ということです。司法試験委員会に能力判定における裁量権があるとしても、予備試験合格者数決定における裁量権は、司法試験合格者数決定における裁量権よりもはるかに狭いというべきです。
この点は、自民党司法制度調査会が「法科大学院修了者と予備試験合格者の司法試験合格者割合が同程度になるようにすべき、との閣議決定を誠実に遵守する」よう求めているのが注目されます。

この閣議決定と司法試験法5条を誠実に遵守しようとすれば、司法試験において予備組とロー組の合格率をできる限り近づけなければなりません。
去年の219人という予備試験合格者数を司法試験委員、考査委員がどのような根拠で決定したかは分かりませんが、もし今年の司法試験合格率に去年と同程度の差(予備組68.2%、ロー組24.6%)が出れば、去年の2倍程度の増加率では少なすぎて合格率の差を縮められなかったということでしょうから、2倍を相当程度超える増加率で合格者を出すのが合理的と思われます。少なくとも、予備組とロー組の合格率が拮抗するようになるまで、予備試験合格者を毎年、増やし続けなければならないはずです。

司法試験合格率以外に、閣議決定を遵守するための有力な基準となるデータに、短答式の共通問題における平均点があります。閣議決定及び司法試験法5条の趣旨からは、司法試験「全受験者」の平均点と、予備試験「最終合格者」の平均点を同じにするのが合理的です。
ところが共通問題に関しては、平成23年に新司法試験受験者と予備試験「受験者」の平均点という、ポイントのずれたデータが公表されただけで、予備試験合格者数決定の合理性を検証できないのが現状です。
なお、これを含む23年度の予備短答データから推論してみると、この年の共通問題は予備試験の「短答合格者」平均点が新司法試験受験者全体の平均点を上回っていたと考えられます。もしその通りだったとすると、予備試験の短答合格者全員を最終合格させてもおかしくなかったと思います。

※私が24年度以降のデータを見落としているかもしれませんが、少なくとも予備試験「最終合格者」に絞った、共通問題の短答平均点は公表されていないと思います。

« 野球場の広さ | トップページ | “効いてる”なあ、予備試験 »

司法制度」カテゴリの記事

司法試験」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/576385/58035025

この記事へのトラックバック一覧です: 合理的な予備試験合格者数は?:

« 野球場の広さ | トップページ | “効いてる”なあ、予備試験 »

フォト
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ