« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

2013年9月

2013年9月24日 (火)

東大法学部の「底割れ」回避

巷間いわれている“法学部離れ”の指標の一つとして注目していた東大の「進振り」(2年生の夏までの成績をもとに3年からの学部・学科を決める制度)ですが、2014年度は法学部の底割れは回避されたもようです。
https://twitter.com/todai_info/statuses/382309879781654530

ただし、下記のページの「定員・進振り底点推移」という表と「進振り底点推移図」というグラフからみると、文一から進学する学生の底点(最低点)はここ7年で最低となりそうです。
http://todai.info/shinfuri/law.php

引き続き東大をはじめ、主要大学の法学部志願状況などを注視していきたいと思います。

※参考
「東大文一生の「法学部離れ」進む」(拙稿)
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-a917.html

続々々・合理的な予備試験合格者数は?

では合理的な予備試験合格者数とは具体的にどれくらいでしょうか。極めて雑駁ですが、考えてみました。

去年(H24)の予備試験合格者数は219人。前年(H23)比では103人増で、1.88倍です。今年(H25)もし、同じ様に増やすと合格者数は322人(219+103)ないし411人(219×1.88)ということになります。
しかし、今年の司法試験の実績をみると、予備組の合格率は去年より上がり、ロー修了組との格差は変わらなかったか、わずかに拡大しました。ということは、去年と同じ増やし方で今年の合格者数を322~411人とする程度では、合格率の均衡は到底、実現できないと思われます。

一方、今年の120人という予備組合格者数を基準に、予備組受験者数が何人ならロー修了組と同じ合格率(25.76%)になったかを仮に計算してみると466人。実績(167人)より受験者数を299人多くする必要があったことになります。

このことから今年は合格者数を最低でも去年より299人は増やさなければならないと思います。そう考えると、辛うじてギリギリ合理性を保てる合格者数の最低ラインは518人(219+299)人ということになるでしょうか。
もっとも、この計算は受験者数の仮想の増加分(299人分)からは誰も合格しない(合格率ゼロ%)という、実際には考えにくい想定です。また、受験者ベースでなく出願者ベースで同様の計算すれば、増やさなければならない合格者数はもっと多くなります(446人増やして合格者を665人にしなければいけないことになります)。そこで「518人」というのはあくまでギリギリの「最低ライン」だと考えています。

なお、旧司法試験における口述試験の実施実績から、仮に論文合格者数を700人程度にしても浦安で口述試験を2日間で2科目実施することは十分可能だと思います。

2013年9月23日 (月)

続々・合理的な予備試験合格者数は?

 繰り返しになりますが確認しておきたいのは、予備試験合格者数の決定に関して司法試験委員会の裁量の幅は極めて狭いはずではないか、ということです。
 すなわち、司法試験合格者数は裁判官・検察官という公務員を含む司法の担い手である法曹人口の増減に直結します。したがって、司法を担う人員の適正な数は何か、といった政策的な考慮が入り込まざるを得ません。そこで司法試験委員会が判定する「裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうか」(司法試験法1条)の解釈に政策的考慮による幅が生じるのもやむを得えないと思います。
 しかし、予備試験合格者数は司法試験実施以前の、単なる受験資格の問題であり法曹人口に直結しません。したがって政策的要素を加味する必要性はほとんどないはずで、予備合格組の司法試験合格率や法科大学院を修了した予備試験受験生の予備試験合格率、短答式共通問題の平均点などのデータに基づいて「(ロー修了)と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうか」(同法5条)を、例の閣議決定を解釈指針として客観的に判定すればいいだけです(ただ、動員できる考査委員の数とか、確保できる試験会場の数とかキャパとかの財政的物理的要素の考慮は当然あります)。
 そして司法試験法5条の公的な解釈指針が例の閣議決定しかない以上、合格者数の決定に際し現行法曹養成プロセスに与える影響などを考慮することは許されず、客観的に過少と思われる予備試験合格者数の決定は当不当の問題を超えて違法の疑いすら生じ得ると思います。
 以上から司法試験委員会は、各種の客観的データに基づき、ロー修了組と予備合格組の司法試験合格率の均衡に向けて、淡々と今年の予備試験合格者数を決定すべきと考えます。
(さらに後日のエントリーに続きます)

2013年9月18日 (水)

予備試験受験制限の末路

春秋(日経、9/17付)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59792220X10C13A9MM8000/

法科大学院を経ずに司法試験に挑める「予備試験」組は合格率が70%を超えた。あくまで例外ルートなのに、本道がデコボコだから優秀な志願者が流れているわけだ。こんなはずじゃなかった、こんなはずじゃ……。

 この例え話はおもしろいと思いました。「デコボコ」というのは合格率の低調ぶりや法科大学院教育の質の低さを表す比喩表現でしょう。この比喩に乗っかれば、法科大学院側が「予備試験の受験資格を制限しよう」という主張はこういうことになるでしょう。

自分が管理所有する道が有料で、かつ、悪路だから、狭いながらも誰でも無料で通れる別ルートに利用者が流れてしまう。この流れを阻止するため、自分の道路を良質な路面に舗装するのではなく、別ルートをさらに狭く通りにくくしてしまおう!

もし、そんなことをしたらどうなるかは明らか。
どちらの道も誰も通らなくなるだけ。つまり、

本当に誰も法曹を目指さなくなるだけです。

※参考ブログ
こんなはずじゃなかった(Perfect & Complete)
http://itolaw.blog134.fc2.com/blog-entry-1734.html

2013年9月10日 (火)

続・合理的な予備試験合格者数は?

H25年度の司法試験結果が発表されました。
合格された皆さん、本当におめでとうございます。

 今年度の結果と年度別の結果等はSchulze先生が分かりやすくまとめてくださっています。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037772.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037773.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037802.html

 今年の結果が出たことであらためて今年の合理的な予備試験合格者数を考えてみます。

 その前に昨年24年度の「219人」という合格者数の当否、合理性について指摘しておきます。
 閣議決定と司法試験法5条により、司法試験において予備組とロー組の合格率をできる限り近づけなければなりません。
 ところが今年の予備組の合格率(受験者ベース)は71.85%で去年の68.23%よりアップ。ロー組だけの合格率(今年25.76%、去年24.62%)と比較すると、格差は変わらないか、やや広がっています。
 具体的にみると、24年度は合格率の差が43.61ポイントだったのが25年度は45.09ポイントにやや広がりました。また、合格率の対比でみると、24年度は予備組の合格率がロー組の2.77倍だったところ25年度は2.78倍とほぼ横ばいでした。
 このように24年度の合格者数の増やし方(前年の2倍弱)では、閣議決定の要請に近づけることがまったくできなかったわけです。つまり、昨年の合格者数は、閣議決定や司法試験法の規定に沿うにはあまりに過少で、司法試験委員会による合格者数決定の判断は完全に見込み違いの誤った判断だったことが明確になったことをまず指摘しておきたいと思います。

その上で今年25年度の合理的な合格者数を考えてみます。
(後日のエントリーに続きます)
※参考
合理的な予備試験合格者数は?(拙稿)
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-afab.html

司法試験合格者数予想

今日(10日)の発表予想がネット上で多く見受けられます。私も感化されて取り急ぎ予想を立ててみます。確たる根拠はありません。

【合格者数】
1950~1999人で2千人の大台を割り込むとみます。
やはり3千人目標は司法試験委員会に対する「縛り」もしくは「増員圧力」になっていたと思うのです。それがなくなった以上、“大台”にこだわらずに数を決められるようになったと考えました。

【予備試験組合格率】
去年より上がって70%台に達するとみます。ネット上や実際にお会いした方の印象から、予備合格組は優秀な方が多いと思います。

受験された皆さんが良い結果を得られますよう願っています。

2013年9月 9日 (月)

ショパン「バラード1番」の“再生力”

 司法試験の休憩時間に知人同士で大きな声で試験の感想を述べ合う人たちがいますね。私はそれが耳に入るのが嫌で、試験前後や休憩時間はずっとICプレーヤーで音楽を聴いていました。

 聴いていたの佐野元春と、ショパンの「舟歌」「ピアノソナタ第3番第4楽章」「バラード1番」。

 ショパンはその時々の自分のメンタル状況に合わせて聴き分けていました。
 「舟歌」は緊張でドキドキが止まらない時に心を落ち着かせようとするとき。
 「ピアノソナタ3-4」は「さあやるぞ!」と気分を高揚させるとき。
 「バラード1番」は明確なTPOはありませんでしたが、暗闇から希望の光が差し込むような中間部の展開が、合格を半ばあきらめたどん底の気分からはい上がるのを手助けしてくれました。

 その「バラード1番」をモチーフにしたドキュメンタリー番組が先日、放送されました。
「私を救ったショパンのバラード」(BS世界のドキュメンタリー、NHK・BS1)
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/130906.html

 脳腫瘍の後遺症が残ったイギリスの音大生と、仙台市で震災に見舞われた失意の中学生少女が、バラード1番を通じてそれぞれ前向きに生きる力を取り戻す様子を描いています。
 番組を見て、自分がこの曲に漠然と抱いていた不思議な“再生力”をあらためて認識しました。ショパンの音楽は国境や世代を超えて、ある種、共通のインパクトを聴く者に与えるようです。

 “バラ1”は映画「戦場のピアニスト」(原題「The Pianist」)でも、作品のクライマックスともいえる重要な場面で演奏シーンが登場しますね。もとになった実話では、この場面で主人公が弾いたのは別の曲だったらしいですが、代わりに“バラ1”を持ってきた監督の発想は見事だと思います。

The Pianist - Piano Scene(演奏シーンは4分25秒あたりから)

2013年9月 8日 (日)

法科大学院がこの先生きのこるには

 法科大学院関係者は何かと予備試験を敵視しますが、法曹養成制度検討会議元委員の和田吉弘先生は著書の中で「予備試験がむしろ法科大学院制度を支える機能を果たす」とおっしゃっています(「法曹養成制度の問題点と解決策」花伝社刊)。
 このことを裏付けるような実態が以前の記事で取り上げた東京弁護士会の資料「第2回司法試験予備試験に関する意見交換会(反訳)」から垣間見えます。

 資料によると、東大と思われるローの既修1年目の院生二百数十人のうち、2012年度予備試験を受けたのは約3分の1に上り、そのうち16人が合格。
 一橋ローでも、かなりの院生が予備試験を受験して合格。
 これに対し、その他の複数のロー(資料から具体名は推測できない)では、2012年度予備試験を受験したロー生はほとんどいないようです。

 こうした事実から、この資料に登場する関係者は、上位ローほど予備試験枠拡大の悪影響を受けやすい、と認識しているようです。
 しかし同じ事実からはむしろ、予備試験を受ける院生が多いからこそ東大、一橋が上位ローたりうると考えることもできると思います。
 先に挙げた、東大と思われるロー既修1年目の例でいうと、1学年の人数が約240人だとすると、その3分の1の約80人が予備試験受験を経験したことになります。このうち合格した16人を除く六十数人は仮に在学中に予備試験に受からなくても、ローでは教わらない受験対策を実践した経験があることから修了後の司法試験もパスする可能性がかなり高くなります。こうして予備試験経験者が多いローほど、相対的に司法試験合格率が高くなり、いわゆる上位ローたりうるのではないか。
 逆に予備試験を無視ないし敵視し、院生の予備試験受験に消極的なローほど修了生が司法試験で苦戦し、合格率が相対的にますます低くなって、下位ローのまま、いち早く淘汰されていく、とも考えられると思います。

 著書で和田先生は主に既修者コース「入学者」の人材供給源として学部時代からの予備試験受験生の重要性を指摘されていますが、このことは既修者コース「入学後」における「司法試験合格者の供給源」としての重要性に置き換えることもできるのではないかと思います。
 
 ただし、上記のことは司法試験合格率だけを基準とした法科大学院界内部の序列形成の話にすぎません。しかも短期的ないし中期的な話です。

 長期的にみれば上位も下位もなく、以前の記事で取り上げた、一橋ローの先生が懸念とともに描く「ロー崩壊のシナリオ」通りの展開に突き進むのは避けられないと思います。

 それでも、ローがこの先、生き残るためには、司法試験合格率に拘泥せず、教育内容の専門性と質で正面から勝負するしかないと考えます。
 例えば知的財産権等の特定分野で活躍する専門的な法曹養成を目指す特別な教育プログラムと指導体制を組み、そのローの修了生は特定分野の法曹として優秀かつ即戦力になる人材に間違いない、という太鼓判を押されるようになれば、そういうローは専門的法曹の養成機関として生き残りが可能と思います。司法試験受験前の学生のみならず、既に実務に出た法曹が専門性とスキル向上のために入学するケースが出てくるかもしれません。

2013年9月 4日 (水)

現行法科大学院制度に反対が80%―パブコメ集計

情報公開請求で開示された法務省のパブリックコメント集計結果(速報値)について【経済的支援】以外の3項目の文書も載せておきます。

【プロセスとしての法曹養成】

「housouyousei.pdf」をダウンロード

・法科大学院廃止(233通)
・法科大学院修了の受験資格要件を廃止(250通)
・上記2意見の双方またはいずれか(20通)
・「中間的取りまとめ」に反対(3通)
以上の4つの意見をまとめて「(ロー修了を半強制する)現行法科大学院制度に反対の意見」と捉えて差し支えないと思いますが、その割合は80.45%
一方「中間的取りまとめ」に賛成する意見は10.81%しかありません。

それでも最終取りまとめの結論は、中間的とりまとめと変わらず「法科大学院を中核とする『プロセス』としての法曹養成の理念を堅持」でした。

【法曹人口の在り方】

「housoujinkou.pdf」をダウンロード

3000人目標を撤回した上で「1500人~50人~合格者の減少を求める」とした意見が計602通で62.45%(文書の表では「62.45%」の範囲を示す縦太線が「合格者減少を求める」の意見の部分まで及んでいませんが、この意見を含めた割合が「62.45%」のようです)。最も多かったのは「500人」の213通で、22.10%
一方、3000人目標を撤回した上で数値目標なし、とする中間的とりまとめに賛成するのは17通の1.76%にすぎません。

それでも最終取りまとめの結論は、中間的とりまとめどおりの“3000人目標を撤回した上で数値目標なし”でした。

【受験回数制限】

「jukenkaisuu.pdf」をダウンロード

最多の意見は受験回数制限の(全面)撤廃で69.53%

最終取りまとめの結論は「5年以内に5回」に緩和です。集計結果の意見分類では「何らかの緩和」を含めた計4意見に対応すると思われますが、この4意見は計57通で、全体の16.86%となります。

結局、開示された4項目いずれも、最終取りまとめで多数意見が無視された結果となりました。

2013年9月 3日 (火)

パブコメの集計結果判明、給費制復活意見は9割超

 「法曹養成制度検討会議・中間的とりまとめ」に寄せられたパブリックコメントの主要項目について、主な意見内容の分類(意見分布)と意見数の集計結果(速報値)が、法務省への情報公開請求に基づく開示文書で明らかになりました。
 開示された集計データは「経済的支援」「プロセスとしての法曹養成」「法曹人口の在り方」「受験回数制限」の各項目。

 ここにデータを転記した方が親切なんでしょうが、横一列で上手に見やすく収められる自信がないので、開示文書をそのままアップロードします(手抜きですいません)。とりあえず今回は「経済的支援」関連文書だけでお許しください。

「keizaitekishien.pdf」をダウンロード

 「割合」として記されている%の値は経済的支援関連の全意見数2,421を分母にしているようです。

 ご覧の通り、純粋な給費制復活意見だけで2,216通あり全体の91.53%。さらに一部給費や貸与制批判などを含めた、給費制復活を支持する方向の意見は95.70%に上ります。
 これに対し、貸与制を支持する方向の意見は1%にも満たない0.87%です。
 一方、修習専念義務だけをみると、緩和反対派と賛成・撤廃派が拮抗しています。ただ、この経済的支援項目のメイン論点が「給費か貸与か」で、修習専念義務に言及した意見は全部で67通と全体の2.8%にすぎないため、あまり参考にならないと思います。

 これらのデータはあくまで「速報値」なので、今後、より精査された集計結果が国会(議員)などを通じて出てくるかもしれません。
 しかし重要なのは、検討会議が「最終取りまとめ」に際し参考にした(はずの)パブコメの意見内容やその数の多少は、この「速報値」の集計結果に基づいている、ということです。
 検討会議は、この集計結果(を基にした事務方の報告)をどう汲み取ったのか分かりませんが、最終取りまとめの結論は全体意見の1%にも満たなかった「貸与制の維持」。上記のようなパブコメ結果が出ていながら、どうしてそういう結論になったのか。ぜひ佐々木座長に聞いてみたいところです。
 今度の臨時国会で心ある議員はぜひとも、法務委員会で佐々木座長の参考人招致を要求して、その点を問いただしてほしいと思います。

※参考ブログ
検討会議パブコメの法的問題(黒猫のつぶやき)
http://kuronekonotsubuyaki.blog.fc2.com/blog-entry-842.html

パブコメの一部だけ集計してみた(拙稿)
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-70c6.html

2013年9月 2日 (月)

司法試験予備試験に関する意見交換会

司法試験委員会の第94回会議(平成25年8月1日)に提出された資料の中に以下の資料がありました。

東京弁護士会から送付された「第2回司法試験予備試験に関する意見交換会(反訳)」
http://www.moj.go.jp/content/000113454.pdf

東京弁護士会が今年2月に実施した、表題の会議の議事録のようです。予備試験受験生の実情、予備試験の法科大学院への影響などについて、興味深い情報が含まれています。

取り上げたいことは、いくつかあるのですが、「R大学法科大学院のH先生」が予備試験の法科大学院への影響を率直に語っている部分が目をひきます。なお、話の内容から「R大学」とは一橋大学のようです。

H先生は、ロー修了組と予備合格組の司法試験合格率を均衡させるという閣議決定に基づいて、このまま倍々で予備試験合格者が増えていくと、法科大学院の既修者コースに行く人はいなくなり、法科大学院は未修者のための法学部のような役割になってくるだろう、といいます。
その上で次のような懸念を示しています。

「予備試験に受かって、そして司法試験に受かるのが、本来の法学部出身者の行く道になって、予備試験に受からない人が法科大学院に行って、予備試験受験免除の特典をもらって新司法試験を受けるという、いわば法科大学院がむしろバイパスコースになるという、主客転倒の状態にひょっとしたらなるかもしれないという感じがしておりまして、大変困ったことだと思います。」

私も同じような将来像を思い描いています。
ただし、私にとっては「大変困ったこと」ではなく「大変期待していること」です。

あと、H先生と違うのは、私個人は現状でも、難関試験に二度合格しなければならない予備試験ルートよりも一度だけでよい法科大学院ルートの方がバイパス的だと考えている点です。でも将来、H先生が懸念する通りに予備試験が主流化すれば、私だけでなく誰がみても“法科大学院ルートがバイパス”と位置付けられるでしょう。
ただ、そうなった場合、法科大学院ルートの法曹は市場でかなり低い評価しかもらえなくなるでしょうから、そんなルートをどれだけの人が選択するのか、もはやパイパスとしてすら存続しえなくなるのではないか、という疑問もわいてきます。

2013年9月 1日 (日)

悪魔の現代用語基礎知識(週刊新潮)

週刊東洋経済8月31日号の記事「『士業』崩壊―食えなくなった弁護士 会計士 税理士」が各所で話題になっていますが、同じ週に発行された週刊新潮(8月29日号)にこういうタイトルの企画がありました。

「悪魔の現代用語基礎知識」

現代を象徴する様々なキーワードを皮肉たっぷりにおもしろおかしく紹介した企画です。アンサイクロペディアに近いコンセプトです。その「悪魔の現代用語基礎知識」の中に「法科大学院」の項があります。どう書かれているかというと

 アメリカのロースクールをモデルにした半端者養成所。司法試験崩れを防ぐはずだったが、ハイスクールから遊び放題の大学を経てロースクールへと、教育内容が次第に劣化するため、路頭に迷う者が増殖することになった。

記述内容は皮肉を込めた「小ネタ」で特に論評することありませんが、私が注目したいのは、経済誌など専門誌にとどまらず、総合週刊誌も法科大学院を批判や揶揄の対象として扱い出した、ということです。新聞を中心とする大マスコミだけが法科大学院を根本から批判することができない。どんな利害があるのか知りませんが―。

これからは「新潮」や「文春」の司法制度改革関連のスクープに期待します。

« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

フォト
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ