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2013年9月10日 (火)

続・合理的な予備試験合格者数は?

H25年度の司法試験結果が発表されました。
合格された皆さん、本当におめでとうございます。

 今年度の結果と年度別の結果等はSchulze先生が分かりやすくまとめてくださっています。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037772.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037773.html
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037802.html

 今年の結果が出たことであらためて今年の合理的な予備試験合格者数を考えてみます。

 その前に昨年24年度の「219人」という合格者数の当否、合理性について指摘しておきます。
 閣議決定と司法試験法5条により、司法試験において予備組とロー組の合格率をできる限り近づけなければなりません。
 ところが今年の予備組の合格率(受験者ベース)は71.85%で去年の68.23%よりアップ。ロー組だけの合格率(今年25.76%、去年24.62%)と比較すると、格差は変わらないか、やや広がっています。
 具体的にみると、24年度は合格率の差が43.61ポイントだったのが25年度は45.09ポイントにやや広がりました。また、合格率の対比でみると、24年度は予備組の合格率がロー組の2.77倍だったところ25年度は2.78倍とほぼ横ばいでした。
 このように24年度の合格者数の増やし方(前年の2倍弱)では、閣議決定の要請に近づけることがまったくできなかったわけです。つまり、昨年の合格者数は、閣議決定や司法試験法の規定に沿うにはあまりに過少で、司法試験委員会による合格者数決定の判断は完全に見込み違いの誤った判断だったことが明確になったことをまず指摘しておきたいと思います。

その上で今年25年度の合理的な合格者数を考えてみます。
(後日のエントリーに続きます)
※参考
合理的な予備試験合格者数は?(拙稿)
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-afab.html

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コメント

 おっしゃりたいことは理屈としては分かりますが,現行制度を維持しつつ,予備試験合格者と法科大学院修了者の合格率を均衡させるというのは,いまや現実的ではないように思います。
 予備試験の受験者は,通常本試験合格まで見据えた勉強もしており,国家試験という修羅場を経験しているという意味でも,法科大学院修了者より分があります。
 それに,両者の司法試験合格率を拮抗させるために,予備試験の合格者数を例えば一気に2,000人くらいまで増やしたとしましょう。そうなれば,法科大学院は今以上に行く意味がなくなりますし,法科大学院生も真面目に司法試験を受けようとする人は2年次までに予備試験に合格し,合格すれば休学して司法試験の受験勉強に専念してしまうので,法科大学院修了の資格に基づいて受験する人は,今以上にカスしか残らなくなります。
 そうなったら,両者を均衡させるため,予備試験の合格者もさらに増やす必要があり,そうなればさらに法科大学院修了者の質が下がるので,結局合理的な予備試験合格者数とは受験者全員合格(=法科大学院制度廃止)だ,ということにしかなりません。
 実際の予備試験合格者数は,法科大学院修了者との均衡とは全く異なる観点で決められているのではないかと思います。詳しくは明日あたり私のブログに書くつもりですが,おそらくは法科大学院制度を守るためではなく,旧司法試験に代わるエリート法曹養成・選抜の場として,予備試験を守り育てようとしているのでしょう。

>黒猫先生
おっしゃる通り予備試験合格者を増やし続けるところの行き着く先は、受験資格取得を目的として誰も法科大学院に行かなくなること=実質的なロー制度廃止だと私も思っています。ただし、中・短期的には予備試験に便乗する大学院(予備試験受験経験のある学部生を入れるとか、院生に予備試験受験を推奨する大学院)が長く生き残るだろうと思います。
でも、このまま予備試験合格者を抑制させる特段の法的根拠がないまま推移すれば、ロー制度の実質的な廃止は避けられないだろうと私は思います。
つまり、予備試験合格者数を抑えたい動機が法科大学院を守るためであろうと、エリート選抜機能の保持であろうと、司法試験法5条の明確な解釈基準が「予備試験合格者と法科大学院修了者の司法試験合格率を均衡させるべし」とする閣議決定しか見当たらない以上、この閣議決定を無視して合格者を抑制するのは現状では難しいのではないか、もし恣意的に合格者を抑制すれば合格者決定は当不当にとどまらず違法性を帯びる疑いすら生じ、そのことが国会等で問題にされる可能性もあるのではないかと思っています。実際、第1回予備試験受験者のうち法科大学院修了者の合格率がきわめて低かったことに関し、国会議員から政府に対し「予備試験が司法試験法第五条第一項に違反して実施されたか疑わざるを得ない」と指摘する質問主意書が出たようです。
もっとも司法試験委員会の決定過程は独立中立性を盾にブラックボックスのままにできるので、動機はともあれ恣意的に予備試験合格者を抑制することは十分可能だと思います。ただ、司法試験の合格決定が「勉強の出来不出来」という事後的に検証困難な抽象的なものなのに対し、予備試験合格者決定の物差しは「合格率の均衡」というとても客観的なものなので、「恣意的ではないか」との批判にどこまで耐えうるかはなんとも言えません。
しかし、今後もし「予備試験合格者の決定に際しては、法科大学院を中核とした法曹養成制度を原則ととしつつ、法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための適切な途を確保するという予備試験の例外的性質を十分に踏まえ、新しい法曹養成制度の趣旨を損ねることのないよう十分に配慮すべきである」などという閣議決定とか閣議了解とか関係閣僚会議決定などがなされれば話は変わってくると思います。

 昨年までであれば,国会がそうした方向に動くことも十分期待できたのですが,自民党で法科大学院批判の急先鋒に立っていた河井克行議員は衆議院外務委員長に飛ばされ,自民党は結局法科大学院問題については放置の構え。
 与党時代,何とか法科大学院を無くそうと(不十分ながら)努力していた民主党は選挙に大敗して無力化し,いまや恣意的だと批判してくれそうな国会議員もほとんど見当たりません。必要と認められれば,おっしゃるような新しい閣議決定等がなされる可能性すら否定はできません。このような状況では,現行法の範囲内で当面やれることをやるしかないのだろうと思います。
 それに,司法試験や予備試験の運用方針について,閣議決定が絶対的な効力を持つというのであれば,昨年まで司法試験の合格者数を3,000人にしなかったのは違法ということになりますが,実際にはそんなことを言う人はほとんどいません。法的にはむしろ,高度の独立性が認められている司法試験委員会の司法試験運営方針を,閣議決定で縛ろうとする方が問題なのです。

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