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2013年9月 9日 (月)

ショパン「バラード1番」の“再生力”

 司法試験の休憩時間に知人同士で大きな声で試験の感想を述べ合う人たちがいますね。私はそれが耳に入るのが嫌で、試験前後や休憩時間はずっとICプレーヤーで音楽を聴いていました。

 聴いていたの佐野元春と、ショパンの「舟歌」「ピアノソナタ第3番第4楽章」「バラード1番」。

 ショパンはその時々の自分のメンタル状況に合わせて聴き分けていました。
 「舟歌」は緊張でドキドキが止まらない時に心を落ち着かせようとするとき。
 「ピアノソナタ3-4」は「さあやるぞ!」と気分を高揚させるとき。
 「バラード1番」は明確なTPOはありませんでしたが、暗闇から希望の光が差し込むような中間部の展開が、合格を半ばあきらめたどん底の気分からはい上がるのを手助けしてくれました。

 その「バラード1番」をモチーフにしたドキュメンタリー番組が先日、放送されました。
「私を救ったショパンのバラード」(BS世界のドキュメンタリー、NHK・BS1)
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/130906.html

 脳腫瘍の後遺症が残ったイギリスの音大生と、仙台市で震災に見舞われた失意の中学生少女が、バラード1番を通じてそれぞれ前向きに生きる力を取り戻す様子を描いています。
 番組を見て、自分がこの曲に漠然と抱いていた不思議な“再生力”をあらためて認識しました。ショパンの音楽は国境や世代を超えて、ある種、共通のインパクトを聴く者に与えるようです。

 “バラ1”は映画「戦場のピアニスト」(原題「The Pianist」)でも、作品のクライマックスともいえる重要な場面で演奏シーンが登場しますね。もとになった実話では、この場面で主人公が弾いたのは別の曲だったらしいですが、代わりに“バラ1”を持ってきた監督の発想は見事だと思います。

The Pianist - Piano Scene(演奏シーンは4分25秒あたりから)

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