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2013年9月24日 (火)

続々々・合理的な予備試験合格者数は?

では合理的な予備試験合格者数とは具体的にどれくらいでしょうか。極めて雑駁ですが、考えてみました。

去年(H24)の予備試験合格者数は219人。前年(H23)比では103人増で、1.88倍です。今年(H25)もし、同じ様に増やすと合格者数は322人(219+103)ないし411人(219×1.88)ということになります。
しかし、今年の司法試験の実績をみると、予備組の合格率は去年より上がり、ロー修了組との格差は変わらなかったか、わずかに拡大しました。ということは、去年と同じ増やし方で今年の合格者数を322~411人とする程度では、合格率の均衡は到底、実現できないと思われます。

一方、今年の120人という予備組合格者数を基準に、予備組受験者数が何人ならロー修了組と同じ合格率(25.76%)になったかを仮に計算してみると466人。実績(167人)より受験者数を299人多くする必要があったことになります。

このことから今年は合格者数を最低でも去年より299人は増やさなければならないと思います。そう考えると、辛うじてギリギリ合理性を保てる合格者数の最低ラインは518人(219+299)人ということになるでしょうか。
もっとも、この計算は受験者数の仮想の増加分(299人分)からは誰も合格しない(合格率ゼロ%)という、実際には考えにくい想定です。また、受験者ベースでなく出願者ベースで同様の計算すれば、増やさなければならない合格者数はもっと多くなります(446人増やして合格者を665人にしなければいけないことになります)。そこで「518人」というのはあくまでギリギリの「最低ライン」だと考えています。

なお、旧司法試験における口述試験の実施実績から、仮に論文合格者数を700人程度にしても浦安で口述試験を2日間で2科目実施することは十分可能だと思います。

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コメント

今年の予備試験組みの司法試験合格率、司法試験合格人数は、法科大学院を衰退させるには丁度いいと思います。
120人いれば、4大、5大事務所の新人採用数を十分充たす人数なので、大手事務所は、予備試験合格者が第1次候補で、法科大学院卒は良い人がいれば採用するという2次候補と考えるようになるかもしれないでしょう。
そうすると、4大、5大事務所に就職したい人は、全員予備試験に流れることになります。
しかし、予備試験合格の司法試験合格者が200人を超えてしまうと、これが成り立たなくなります。予備試験ブランドの価値がさがります。
逆に100人を切ってしまうと少なすぎるので、大手は法科大学院卒業者も1次候補者と考えざるを得なくなりますね。

おっしゃる通り、予備試験合格者が増えれば予備試験合格の希少価値としてのブランド価値が下がるのは確かだと思います。さらにどんどん増え続けたらどうなるのか。いろいろと脈絡なく考えてはみますが、司法試験合格者数が今後どう推移するのか、5年5回受験でロー組、予備合格組の受験状況がどうなるのか等の要因も絡んでなかなか予想がつきにくいです。

でもやっぱり最終的にはこうなってしまうんでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20130922/1379867382

一聴了解さんの見方に同感だったのですが、最近、全く違う視点からのかなり説得力ある懸賞記事に出会いました。一聴了解さんは、この見方、どうお考えになりますか?

==========
司法試験と予備試験は、論文の採点区分と得点割合の対応が同じである。
すなわち、
優秀は得点割合100%から75%。
良好は、74%から58%。
一応の水準は、57%から42%。
不良は、41%以下である。

来年の合格ラインが210点からさらに下がるという見方もあるが、それはあり得ない。なぜなら、500点満点の210点の得点率は42%。つまり、「一応の水準」の下限である。これ以上合格ラインを下げると、「不良」でも合格という事態になってしまうからだ。これは、司法試験委員会としては認め難いことだろう。

事実、旧試験時代にも、一応の水準の下限である120点を下回ったことはない。
したがって、来年以降の合格ラインは、今年同様210点で固定化する可能性が高い。
そうなると、予備試験受験者全体のレベルが下がってきているだけに、来年以降、合格者数は減少に転じる。
==========

平成25年予備試験論文式試験の結果について(3)より
http://study.web5.jp/131013a.php

先ほどのコメントの文字訂正

×懸賞記事
○検証記事

お恥ずかしい。大変失礼しました。

脇から失礼します。得点分布で示されているのは各試験委員が採点する素点のことです。一方、総合得点は採点者ごとのバラツキを調整するため標準偏差を使って指数化した数値を使っています。そのため総合得点の210点が500点満点の42%の得点率とする理解は誤りだと思います。
そもそも「優秀」「良好」「一応の水準」「不良」の区別は、答案数の割合があらかじめ目安として定められており、いくら全体の出来が悪くても、試験委員は不良という点数ばかりを付けられるわけではありません。総合得点の分布や合格最低点の推移をもって、全体のレベルが上がった/下がったを論じることはできないように思います。このあたりは黒猫先生もリンク先と同じような分析をされていて、「新試の○点が旧試で○点相当」といった分析を公表されていますが、私はそんなことは言えないんじゃないか?と疑問に感じています。根本的なところで数値の意味を誤解している可能性があると思います。

うーん。
さすがはschulzeさん。
これまた説得力ある反論ですね。
となると、今年の合格ライン(210点)が、たまたま「一応の水準」の最低ラインである得点率42%とぴったり一致したということになりますね。
正直言って、単なる偶然としては出来すぎのような気もします。つまり、司法試験委員会の何らかの意図が隠されているのではないかと勘繰りたくなるような数値だということですが。
私は門外漢なので俄かには判定できませんが、先に引用した検証論文は、総合得点が標準偏差による修正値だということを織り込んだ上で、敢えてこうした分析をしているのでしょうか。さもなくば、専門家の論文としては致命的な欠陥品ということになってしまいますね。
少なくとも(実は、昨日出っくわしたばかりのサイトなのですが)、http://studyweb5.seesaa.net/
の記事については、概ね信頼性が高いような印象を持ったものですから。

冷静に考えてみてもおかしいのは、予備論文の合格点が「一応の水準の下限」だとすると、不合格者はほとんど不良答案ということになりますね。これは「良好」「一応の水準」「不良」の選別が絶対評価なら、そういうこともありうると思います。全体の出来が悪ければ、たとえば全答案の8割が不良という事態もあるかもしれません。でもそうではなく、割合による分布目安が示されているのですから、相対評価でしかありません。なので不合格者がほとんど不良だ、という事態はあり得ないと私は思います。もちろん、目安はあくまでも目安であって、採点者を拘束するものではないとされていますので、多少のブレはあろうかと思いますが。おおまかに言って、(「優秀」を良好の上位と捉えますと)「良好以上」「一応の水準」「不良」はそれぞれ三分の一ずつになるイメージだと思います。
司法試験の採点は、こういった「母集団内での相対評価」でしかなく、かつ標準偏差で統計処理もしていますので、その数値を比較して、レベルが上がったの下がったの、予備と司法試験を比較してどちらがレベルが高いだの、そういうことは導けないと私は思います。

>流石山人さん
問題提起をありがとうございます。
長文になりそうなので、後日、別エントリーで私の考えをまとめてみたいと思います。
今、ちょっと多忙でブログを更新する余裕がないのです。
どうぞお許しください。m(_ _)m

答案の評価と点数の関連に関しては私も schulzeさんと同じ意見です。

流石山人さんがご紹介いただいたリンク先ですが、私はどういう方が運営されているのか、詳細を承知しておりません。ただ、内容を拝見する限り、大変に丁寧な分析をされている方だなと思います。鋭い分析も多く見られますね。この方が指摘されているように、「予備試験合格者数は今後も増えると一般的には予想されているが、質の低下を懸念して、合格者数の抑制に転じる可能性がある」という点は、私はありうる話だと思います。もちろん司法試験委員会の判断ですから、そういう可能性は否定できないと思います。ただ、その根拠として「合格点が『一応の水準』の最低点に達したから」というのは、私は理由として適切でないように思いました。

予備試験の合格者数がどうなっていくか、0302さんのご意見はぜひお聞きしたいところです。(更新をせかしているつもりはありませんよ!念のため:笑)大変僭越ながら、私の意見を申し上げますと、当面は緩やかに合格者数が増加していくであろうと。その傾向はしばらくは変わらないと思います。
その理由ですが、そもそも予備試験は「ロー修了相当」かどうかを図る試験でしかない、ということです。予備論文の合格者の質がいくら低下しようが、ロー修了者と実力的に均衡が取れているなら問題ないのです。質の担保は司法試験があるのですから、本来はそちらで行うべきことかと。なので、たとえ予備論文でどんなに不良答案が量産されようと、結果的に予備試験合格者の司法試験合格率が高いのなら、予備合格者は増やしていかなければならない。
もうひとつの理由として、「予備合格資格に基づく者とロー修了資格に基づく者との、司法試験合格率の均衡」の要請は閣議決定だということです。もちろん、それを言ったら司法試験3000人合格も閣議決定で反古にされたではないか、ということはあります。しかし、3000人合格は法曹の質に直結する問題で、しかも3000人は目標でしかなかったのです。それに対して、合格率均衡は(予備試験のあり方に留意しつつ、との留保付きではありますが)質の要請とは直接つながらない。なぜなら司法試験は別に実施されるからです。機械的に均衡させることに何ら支障がない。支障があるとすれば、ローに学生が集まらないとか、そういう政策的な判断が加わるということですが、今年の予備合格者数を見ると、閣議決定の存在は強く意識されているとの印象は否めません。
私もこのまま右肩上がりで予備合格者数が永久に増え続けるとは考えていません。また増えるとしても、増え幅が微増にとどまるということは十分にありえます。なかなか予想は難しいですが、少なくとも「予備論文合格者の点数が不良になるから」という理由での合格者数抑制は、私には考えにくいところです。

schulzeさんとほとんど同旨なのでもはや別エントリーを立てる必要がないような(^^;)
でもせっかく下書きした駄文があるので、明日か明後日にはアップさせてください。
後出しジャンケンみたいになってしまいますが、今年は大幅に増えるだろうと密かに予想していました。初年の116人から次年は218人と大幅に増やしたのは司法試験委員会が例の閣議決定を強く意識したからにほかなりません。でも、去年あんなに増やしたのに今年、合格率格差は変わらないかやや拡大してしまいました。今年も同じように閣議決定を意識するなら大幅に増やすほかなかろうとと思っていました。個人的にはもっと増えると思っていましたので、その意味では予想を外しました(>_<)
ただ、おっしゃる通り今後の増え方は予想がつきにくいです。すべては司法試験(考査)委員のさじ加減だと思います。ただ、さじ加減、すなわち裁量の幅は予備試験についてはそんなに広く認められないだろう、というのは私がエントリーで縷々述べてきたところです。

来年の予備試験合格者の人数は全く読めないですね。この勢いだと500人が一つの目安にはなるとは思います。ただ、私はどうしても性格的に慎重ベースなので(^_^;)、あまり期待は持たないようにしています。微増程度と考えて、論文合格420人、最終合格で400人あたりということも、十分に覚悟すべきだと考えています。微増にとどまるとする根拠としては、予備試験の会場公募があります。平成26年の論文会場規模は平成25年から微増と想定されています。それがどう出るか、というところです。
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52037699.html

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