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2014年2月13日 (木)

“難関国立大”法学部の出願状況

“難関国立大”として私が勝手に選んだ旧帝大・一橋、神戸両大の今年の法学部志願状況(前期)を調べてみました。
元のデータは河合塾ほかです。
http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/shutsugan/
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/02/__icsFiles/afieldfile/2012/02/17/1316502_1.pdf

志願者数は2014←2013←2012の順で表記。東大は文科一類。阪大は法学科。

      募集人員 志願者数      
東京    401  1226←1169←1592
一橋    155  464←518←537
北海道  140   340←267←318
東北    140   331←371←356
名古屋  105   248←281←300
大阪    145   261←335←358
京都     320   857←780←807
神戸   120   311←334←414
九州     159   293←390←400

赤字が昨年比減。黒字が昨年比増です。

このデータにはあらわれていませんが、去年、出願者数が第1段階選抜(足きり)予定倍率に達しなかった東大文一は今年、予定倍率に達したものの微増にとどまったため、足きりセンター最低点は375点。これは去年に続いて足きりが行われなかったも同然の低得点です(去年は203点)。
東大文一と受験者層が一部重なる一橋大も2年連続の減少で、しかも出願者が足きり予定倍率の3倍に満たず、足きりは行われなかったもようです(最低点は現時点で未発表)。
これらの状況と、都内の主要私大法学部の状況を考え合わせると、少なくとも首都圏の上位大学では法学部離れが定着したとの印象を受けます。優秀層が法学部を目指さなくなった懸念も拭えません。
東大、一橋は今年の反動で来年は増える可能性が高いとしても、どこまで回復できるか。

あと気になるのは東北大の落ち込み方。去年の増加の反動があったとはいえ、実数で一昨年を下回っています。東北大は東北地方で唯一法科大学院を持ち、東北の法曹志願者の受け皿的存在なので、大きな減り方は気掛かりです。

ただ、今年は全体的に「理高文低」の傾向が目立ち、文系学部のうち法学部だけが突出して減っているようには見えません。個人的には法曹の不人気が法学部離れの主な原因ではないかと思っていますが、それをデータから明確に読み取ることはできません。引き続き来年以降の動向を注視する必要があります。

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コメント

いまどき東北大が「東北の法曹志願者の受け皿的存在」なんて真顔で言う人がいるとは思いませんでした。東北大ローに入学する人のうち、東北大法学部の卒業生は例年半分もいないようですし、真剣に法曹を目指すなら、東北出身者でも普通は都内の有名大学を目指すのではないでしょうか。

 現在でも、東北大ローは、東北地方の法曹志願者の受け皿になっていると思います。
予備試験は狭き門ですし、このご時世で、いくら上位校でも上京してまでロー進学というのは、リスキーだと周りからは言われますから、上京する人も減っているんじゃないでしょうか。
 もっとも、東北大ローは、「栄えある旧帝大募集停止第一号」となるのではないかと内外からまことしやかにささやかれています。
 平成26年度の入学者は28人から32人程度と予想されますが、20人台に突入すると、いよいよ第一号は現実味を帯びてくるような気がします。
 

>東北出身者様
私は東北在勤中に最終合格できたので、東北の法曹志願者の受験環境については特に気に掛けています。東北の受験環境がこれ以上、悪くならないよう願いたいです。

東北各県に新幹線が作られている今のご時世では,東北大学が「地元の大学」として意味があるのは,せいぜい仙台周辺か宮城県在住の人くらいであり,東北でも宮城県以外に住んでいる人にとっては,さほど意味があるとは思えません。例えば,青森在住の人が仙台にある東北大に進学するのと,東京にある東京大学に進学するのとでは,もはや距離感としては大した違いはないでしょう。
ましてや,上位7校(ほとんどは東京にある)で好成績を収めないと法曹としての就職は事実上無理とさえ言われている中で,上位7校どころか司法試験合格率が全国平均にも満たない東北大ローに入学するなど狂気の沙汰です。実際には仙台出身者でも,本気で法曹になろうとする人は東京の有名大学に行くか,もしくは予備試験を受けるのではないでしょうか。
今の東大法学部では「予備試験を受けない人はチキンだ」とさえ言われるのが実情であり,「予備試験は狭き門だから~」などといって敬遠する人は,その時点で既に法曹には向いていません。
私の学生時代にも,東大には北海道や東北出身者を含め,それこそ全国各地から優秀な学生が集まっていましたし,京大のある関西地方出身者が東大に行く,逆に関東出身者が東大から一つ志望を下げて京大に行く,なんてことも珍しくありませんでした。
もはや,各地域にある旧帝大が,その地域で法曹を目指す人の受け皿になっているなどという考え方は,それ自体新幹線がなかった昭和時代の遺物であり,要するに時代遅れの発想なのです。

黒猫先生

 黒猫先生がおっしゃるとおり、東北地方は、仙台だけではありません。青森、岩手の人などからすれば、東北大ローに進学するのも東京のローに進学するのもかわりはないと思います。その点は、本当にご指摘のとおりだと思います。
 
 黒猫先生がご卒業された東大法学部に合格できれば、親はどんな苦労をしてでもどこの地方からでも進学させると思います。将来がほぼ約束されたようなものですから。
 ロー進学については、親は同様に考えないようです。黒猫先生がおっしゃる新人をとりまく実情が地方にはそこまでひどいとは、浸透していないのです。
 受験生本人も在京の人と比較すると、若干の温度差があるように感じます。

 しかし、まあ、東北大ローは、その大部分が予備にも上位ローにも合格できなかった人が行くところで、そういう意味での受け皿ということになるのかもしれません。

 黒猫先生は、本当にすごい方で尊敬しています。
 今の地方にいる受験生は、黒猫先生のように洞察力、分析力が優れているわけではなく(学力は当然)、能天気で、だからこそ、地方のローは未だ存続できているのだと思います。
 できれば、講演などをしていただいて、「東北大ローに進学するなど狂気の沙汰」だと説いていただきたいです。

黒猫先生

昭和時代の遺物とか、狂気の沙汰とか、そんなこと言っちゃって大丈夫ですか?
ウォッチャーにとってはとても面白くてありがたいんですけど。

>逆に関東出身者が東大から一つ志望を下げて京大に行く,なんてことも珍しくありませんでした。

これって京大生に対する宣戦布告と受け止めてもよろしいでしょうか?

別に京大生の方に宣戦布告するつもりはありません。新幹線ができる以前は,関東出身で頭の良い人は東大に,関西出身で頭の良い人は京大に行くのが普通だったのでしょうが,新幹線をはじめとする交通網が発達してくると,東大も京大も全国的な学力カーストの中に組み込まれるようになった,という社会的事実を指摘したまでです。
私が「昭和時代の遺物」などと強い表現で非難したのは,要するに法科大学院の「地域適正配置」という理念が,静岡ローや島根ローなど,税金の無駄遣いをしている下位ローに延命の口実を与えてしまっているからであり,東北ローも地域の法曹養成拠点などといって持ち上げすぎると,もはや無意味な存在になってもしぶとく生き残ろうとし,税金の無駄遣いを続けてしまうのではないか,と危惧しています。

黒猫先生
ありがとうございます。
地域適正配置という考えはよくわかりました。
ただ、それだったら東大ローが島根や静岡に分校を作って競争させたら自然淘汰されるのではないでしょうか?

東大だからと言って東京で勉強しなければならないわけではありません。
農学部の演習林は北海道にあります。敷地面積から言えば東大は北海道にあると言っても過言ではありません。
各地に分校を作れば地域適正配置の理念が実現できるのはもちろんですが、地方在住者にも助かります。
黒猫先生に狂気の沙汰だとか非難されずにも済みます。

島根と静岡が手を組むことができるなら、分校を作ることは容易でしょう。
地方にいながらにして東大ローの手厚い試験サポートを受けられるのは最高だと思います。

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