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2014年3月 8日 (土)

“優秀層は法科大学院に行かない”by法科大学院(追記あり)

文科省法科大学院特別委員会資料の「司法試験予備試験に関する法科大学院に対するアンケート調査回答結果(概要)」の中で目を引いたのは

【優秀な学生の確保が困難】
・優秀な学部生が予備試験を目指し、法科大学院に進学しなくなる傾向にあり、法学既修者の確保が困難になっている。

という回答。

予備試験組がロー修了組より圧倒的少ない現状では確たることは言えないとしても、実態として、予備組が成績などの点で優位にある傾向を示す状況や情報はこれまでにもいくつか出ています。

1・司法試験において、予備組の方が相対的に上位合格できる

2・司法修習において、予備組の方が好成績

3・就職において、法律事務所が予備組を採用したがっている(注)

さらに今回の上記回答により

4・司法試験受験ルートの選択において、優秀層は予備試験の方を選択し、法科大学院には行かない←New!

まあ当然に予想されたことですし、今後そうなるという予測はこのアンケートの初めの方の回答にもあります。ただ、上記回答は予測ではなく現状ないし実態として、法曹志願者の質をよく知り得る法科大学院側が示しているところに意味があると思います。

さらに法曹になった後の予備試験組の優秀さを示す情報が出てくれば“予備試験無双”ですが、予備組の法曹は誕生したばかりですから、そのような情報が将来出るとしても、まだまだ先の話でしょう。

※注
伊藤塾の下記ページ「その3:予備試験ルートは、試験合格後も強い!」の項を参照
http://www.itojuku.co.jp/shihou/topics/yobishiken/

※参考ブログ
「予備試験の拡大によって、法科大学院教育は崩壊寸前の状況にあるといっても過言ではない。」司法試験予備試験に関する法科大学院に対するアンケート調査回答結果(概要)(タダスケの日記)
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20140228/1393605671

※3/29追記
新潟大ローの「平成27年度入学生の募集停止について」という告知文にも「予備試験の創設により、法曹を目指す学生のうち優秀な者は予備試験合格による司法試験受験の道を選択し、」というフレーズが登場します。推測や予想ではなく、法曹志願者の質をよく知り得る立場にある法科大学院による現状認識ないし実感という点に意味があると思います。

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コメント

 時間とお金がかかり過ぎるのが法科大学院である。社会経済が低迷し,将来的に自己の生存さえ危機に瀕するやもしれない凡夫たる法曹志望者に対して,余りにも高尚なるお題目ばかりを唱えているのでは,事態を日増しに悪化させていくだけである。理想ばかりを求めて,人間の本質的行動欲求から余りにも目を背け過ぎているのが,法科大学院推進派である。飯を食って,生活していかなければならない人間に対して,余りにも過大な要求を行っているのが法科大学院推進派である。法科大学院推進派の教授,お役人自身が,そのご子息に対して,これから法科大学院に進学し,是非,法曹になりたまえと自信をもって言えるのであろうか。
 法科大学院の高額な授業料は,目も眩むばかりである。それに加えて弁護士会費は高い(若手も数年後には正規の高額な弁護士会費の支払い義務を負い,弁護士になりたての会費の減免はなくなる。)。税金を支払い,かかる高額な弁護士会費までをも支払う。これではまるで二重課税ではないかとすら思える。しかも,弁護士の大多数は国民年金であり,高齢になってからの生活不安は他の職業の方々と同様である。弁護士会費分でも,老後の蓄えとしたいのが,弁護士の多くの偽らざる気持ちではないであろうか。こういうことも法曹志望者は,大いに危惧しているのである。
 過疎対策のため弁護士増員というが,未だに多くの地方弁護士会は,当会所属の弁護士の紹介者を当会加入の前提条件としている。弁護士の地方弁護士会への自由な加入移動を困難にしていたことが,最大の弁護士過疎要因であったことを指摘する者はいない。また,地方弁護士会の弁護士会費が年間80万円を超え,あるいは100万円を超えるところすらもあるというのに,かかる高額な弁護士会費の支払いが,地方の弁護士過疎の大きな要因であったことを指摘する者もいない。
 沈黙を守るのが弁護士でる。ある意味,訴訟で余計なことをいわないように神経を使っていることからくる陥りがちな職業病といったものである。弁護士に武士はいない。侍業などといったら,本当の武士に失礼である。弁護士業界に自浄作用はない。弁護士の資格を失う覚悟で,物を言える度胸のある弁護士は少ない。ましてや法曹界全体,教授,あるいはお役人ならなおさらのことである。こういう諸々の事情が,法曹志望者,特に弁護士志望者の激減に繋がっているのである。
 最悪の状態まで,落ちるところまで落ちなければ,事態は進展しないであろう。理想と現実の乖離に対して,真っ正面から向き合う,政策的度量を持ちえないお役人,教授の方々は,現在そして10年後の法曹界,特に弁護士業界の惨状に対しては責任をおとりになられないであろう。
 弁護士業は人のためだから,あらゆる艱難辛苦,公益負担に耐えろというのでは,弁護士になる者はいなくなる。弁護士以外のあらゆる適法な職業のすべてが,人のためであり,弁護士業を殊更に人に奉仕する職業と強調するのは,弁護士の傲慢さ以外の何ものでもない。弁護士は,訴訟活動等を通して人のためになっているのであり,金銭負担や公益負担を強調するのは聖職者意識の傲慢さ以外の何ものでもない。すべての適法な職業が,等しく人のためになっているとの意識の希薄さは,弁護士特有の醜さ,傲慢さのあらわれである。弁護士も人間であり,全くの普通人である。金銭面も含めて過当な欲求,過当な公益負担等を弁護士会が弁護士に対して強いるのは止めたほうが良い。かかる内輪の事情をも,法曹志望者,特に弁護士志望者は危惧しているのである。それは,確実に在野法曹の減少を招来することになるであろう。
 もはや落ちるところまで落ちて,そこから再生するしかないであろう。そのとき再生の責任を担うのは艱難辛苦を舐めさせられた若手が中堅どころ以上になってからのことであり,惨状を惹起した法曹関係者,教授,お役人の方々等はとうに引退されていらっしゃる頃であろう。若手,そして法曹志望者は,招来に向かって頑張るしかない。

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