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2014年5月28日 (水)

いまだに法科大学院は成果を説明できない

やや旧聞に属しますが、5月9日(金曜日)の衆議院法務委員会の議事録に言及します。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000418620140509015.htm

既に黒猫先生が詳細に取り上げていますので、議事録中、宮下参考人(静岡大学大学院法務研究科教授)の意見について少しだけ触れることにします。

思ったのは、法科大学院は今だにその成果やメリットを具体的に提示できないんだなあ、ということです。

この中で宮下参考人は「地方国立法科大学院というのは、一定の成果は残しておるところ」と述べています。
しかし、その成果の根拠が薄弱で感覚とか印象論の域を出ていないと思います。

宮下参考人は資料(未公開)を示しながら、
・地方ロー修了者が地方に定着する割合が非常に高くなっている。
・司法過疎地に就職する学生が多くなっている。
と、おっしゃっていますが、旧制度下との比較がなければローの成果とは断言できません。仮に旧制度との比較で地方や過疎地で働く人が増えたとしても、単に合格者数が増えたことが要因かもしれませんし、弁護士会の「ゼロワン」解消の努力も大きいでしょう。

また、夫婦共働き世帯など、大都市圏に出て行けない人を引き合いに「地方の法科大学院でなければ学べなかったという合格者もたくさんおります」と言っています。しかし、「たくさん」という根拠が分かりません。「たくさん」という評価は旧制度下と比較して初めて言えることでしょう。実際、仕事・家族持ちの地方受験生だった私は、通学可能圏内にローがありましたが、ロー修学は経済的時間的理由から選択不可能でした。そうした自分の立場から考えると「たくさん」という評価は甚だ疑問です。

それ以外に宮下参考人からは特段、成果の報告はなく、地元弁護士会から地方ロー支援の声明が出ていることや、広域連合構想のアピールで意見表明は終わりました。

ローの具体的成果をロー側が説明できず、「プロセス教育」の優位性が認められない現状で予備試験の受験を制限することに、何ら合理性は認められないでしょう。

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