« 勝利のイメージ | トップページ | いまだに法科大学院は成果を説明できない »

2014年5月24日 (土)

司法試験の予備試験、年齢など資格制限を検討(日経)

公私多忙(継続中)で更新がなかなかできませんが、予備試験受験制限の動きが着々と進んでいるようなので少し言及したいと思います。

司法試験の予備試験、年齢など資格制限を検討 有識者会議(日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG23054_T20C14A5CC1000/?n_cid=TPRN0006

この日の会合では、制度本来の趣旨に沿わない状況になっているとして、予備試験の受験を制限する案として(1)経済的に困っている人と社会人に限定(2)年齢制限(3)法科大学院生の受験を禁止――の3案が示された。

私が思うに
(1)案は、受験生の資力調査や「社会人」の定義づけが技術的に困難なので非現実的
(2)案は、これをやったら若くて優秀な人が法曹を目指さなくなるだけ
(3)案は、法科大学院の自滅を招くだけ(両ルートにらみの受験生はローに行かない。ロー生が予備試験向けの受験勉強をしないので本試験合格率がますます低下する)

そもそも記事中の

時間と費用のかかる法科大学院を敬遠し、抜け道として使う人が増えているとみられる。

として、“抜け道“利用を暗に問題視した見方が一面的です。
「法科大学院が敬遠」される理由は、コストがリターンに見合わないという経済的合理性の観点が大きいと思います。
しかし、この記事のフレーズは「時間と費用」というコスト面しか挙げていません。リターン面、つまりロー教育の価値、法務博士の社会的評価、合格後の就職状況の要因を無視しています。もし、これらリターン面の要因を入れてこのフレーズの前段を

時間と費用がかかる上、教育内容が法曹養成としての価値に乏しく、修了後に得られる法務博士の学位の社会的評価が皆無で、司法試験に合格しても就職がままならず、しかも予備試験合格者より就職で不利といわれる法科大学院を敬遠し、~

と書きあらためたら、後段のフレーズから“抜け道“利用を問題視するニュアンスを読み取ることはできなくなるでしょう。

地方ローがどんどんつぶれ、地方受験生の法曹ルートの選択肢がどんどん狭まる中、予備試験の入口規制までされたら、地方の法曹志願者の多くは、夢をあきらめざるを得なくなるのではないかと危惧します。

« 勝利のイメージ | トップページ | いまだに法科大学院は成果を説明できない »

司法制度」カテゴリの記事

司法試験」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/576385/59695480

この記事へのトラックバック一覧です: 司法試験の予備試験、年齢など資格制限を検討(日経):

« 勝利のイメージ | トップページ | いまだに法科大学院は成果を説明できない »

フォト
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ