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2014年7月 2日 (水)

法科大学院特別委員会(第63回)傍聴記

時間が空いたので、本日7月2日開催の文部科学省法科大学院特別委員会を傍聴してきました。以下はあくまで個人の感想です。

法曹養成制度改革推進室がまとめた資料「予備試験制度に関する意見の整理等」を受けて、委員の方々はさぞかし意気消沈していらっしゃるだろうと思いきや、そんな様子は見受けられず、この資料の右欄の「再批判」「反論等」に異論をとなえる委員が相次ぎました。

ただ、私が見聞きした限り、委員側から有効な指摘は一つもありませんでした。
たとえば、ローから予備試験に受験生が流れたり予備試験がバイパス化しているとして“制度設計時の想定とは違う立法事実がある”という趣旨の指摘が委員からありました。しかし、そもそも「再批判」は「(予備試験は)バイパスとは言えない」と分析しているので、前提となる現状認識が違います。“新たな立法事実がある”と主張するならその前に「バイパスとは言えない」とする「再批判」の現状認識に有効な反論を加えなければなりません。
また、資料右欄の「反論等」が予備試験の制約について「職業選択の自由に対する過度な制約となるおそれ」と指摘していることについて、憲法学者の委員が「過度な制約とは必ずしもいえない」「直ちに憲法違反とする立場ではない」という趣旨の見解を示しました。でも、この見解も「過度な制約」に当たる可能性を全く否定しているわけではないので、資料右欄の指摘とどこが決定的に違うのかな、たいして変わらないんじゃないの、という印象でした。
あとは“とにかくプロセス教育の理念に反した事態になってるんだから何とかするのが当たり前”みたいな意見が目立ち、資料右欄に対する具体的な批判はなかったと思います。
とくに残念だったのは、予備試験制約の最大の弊害と思われる「法曹志願者減少に結びつくおそれ」という部分に誰も言及しなかったことです。この「おそれ」は法曹養成関係者全体が憂慮しなければならないのに、この場で発言した委員の立場は、とにかく法科大学院さえなんとかなればいい、というふうにしか見えませんでした。どんなに理念が大切でも人が来なくなったら元も子もないのに・・・。

本委員会は過去にも複数回、傍聴しましたが、とくに今日の委員会における予備試験制約に関する議論をみる限り、私としては(分かっていたこととはいえ)この委員会が公正・中立・専門的な「有識者会議」とは到底思えず、なにがしかの利権団体か圧力団体のようにしか見えませんでした。
はからずも孤立無援となった推進室の松本副室長が、委員側からプレッシャーを受ける状況となりましたが、松本副室長も委員側に逆質問するなどしてよく頑張っていたと思います。法曹養成制度に関して法務官僚を応援する時が来るなんて夢にも思いませんでした(^^;)

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