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2014年7月

2014年7月23日 (水)

北海学園ローのニューズレター

北海学園大学法科大学院が「ロースクールニューズレター」というものを創刊しました。
http://ls.hgu.jp/news/archives/2014/07/23-092111.html

研究科長の創刊挨拶文によれば、法曹志願者、法科大学院志望者を増やすために、法律家の仕事がどのようなものかや、法科大学院で学ぶことの意義などを知ってもらうのが発刊の目的。
今後、年に4回発行するそうです。

しかし、schulze先生らがブログで指摘していらっしゃる通り、法曹志願者の減少、ロー進学が選択されなくなったことの真の原因に向き合わないままの情報発信が、若者の心を動かすとはとても思えません。

あと、この挨拶文で気になったのは「法科大学院の敗退は~」「まだ勝負はついていません。」というフレーズ。「敗退」とか「勝負」とか、一体、誰と(何と)闘っているのでしょうか?。ロー反対派?それとも予備校?「勝ち負け」の基準は何?

おそらく「敗退」とか「勝負」というのは、「失敗」とか「成否」という意味合いなんだと思います。それでもロー制度の成否を勝ち負けに例えるところの真意がよく分かりません。もしかしたら、ロー設立という経営的な勝負に敗れて募集停止に追い込まれることへの危機感のあらわれなのかもしれません。

※参考ブログ
法科大学院教育の意義を発信するための広報活動(Schulze BLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52078704.html
法科大学院「意義」発信の効果と現実(元「法律新聞」編集長の弁護士観察日記)
http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-824.html
法科大学院教育の意義を発信するための広報活動チラシ(案) (弁護士法人 向原・川上総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ)
http://ameblo.jp/mukoyan-harrier-law/entry-11898069128.html

2014年7月20日 (日)

法科大学院教育の意義を「政府として」発信するらしい

既に黒猫先生がブログで取り上げていますが、法科大学院教育の意義を発信するための広報活動 (案)という資料を見たとき、私も「こんなパンフの作成は税金の無駄遣いだろう」と思いました。

もしかしてロー推進派の「ガス抜き」のための企画かもしれませんが、それにしてはコストがかかりすぎます。

予備試験という別の公的な制度があるのに、民間学校法人を含む独立法人が運営するロー教育の重要性・意義をことさら周知させようとするのは「広報」ではなく「広告」に近いものがあると思います。そのような民間事業に関わる“宣伝”めいたものを政府として行うことには、たとえ法科大学院を中核とする法曹養成が政府方針だとしても、少々違和感があります。

もし、このような趣旨のパンフを公費を使って政府として作るとしも

・予備試験という狭き門ながら経済的リスクの低い別ルートがあること
・パンフが紹介する“実務に役立っている”というロー教育の効果には個人差があること。また、効果の有無や程度は予備試験受験のための自学自習や予備校教育と比較したものではないこと
・ローの学費が2~3年間で多額に上ること
・全体の3割強、未修者に限れば4割強は標準修業年限で修了できないこと
・ローを修了しても司法試験に合格できるのは毎年4人に1人程度であること
・司法試験に合格しても修習で1年間は無収入を余儀なくされること
・司法修習を修了しても法曹になれる保障がないこと

をパンフに併記しなければ“国家「的」詐欺”という揶揄を超えて“国家「による」詐欺”そのものになってしまうかもしれません。

2014年7月16日 (水)

12月に法曹人口アンケート調査の概要報告

法曹人口:適正化へ 法的ニーズをアンケート(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140705k0000e040227000c.html

 これに関連して、16日の文部科学省法科大学院特別委員会で法曹養成制度改革推進室の松本副室長は、12月の法曹養成制度改革顧問会議で調査結果の概要を報告できるとの見通しを示しました。調査結果を踏まえた“あるべき法曹人口”に関しては最終的な提言の中で、毎年の司法試験合格者数の目安となる“数字”を盛り込む方向で検討されているということです。

 今日(16日)の法科大学院特別委員会を傍聴してきました。

 客観的根拠が薄弱な「3000人」目標が撤回された後、年間の合格者数の目安が宙に浮いたままの現状ですが、遅くとも来年7月までには、なにがしかの客観的根拠に基づく具体的人数が示されそうです。その根拠の概要は12月に示されるようなので、12月には具体的人数の予測が立てられるかもしれません。
 一方、適正な合格者数に関する客観的な情報が12月までない以上、今年の司法試験合格者数は例年通り約2,000人となる可能性が高いといえそうです。

2014年7月 2日 (水)

法科大学院特別委員会(第63回)傍聴記

時間が空いたので、本日7月2日開催の文部科学省法科大学院特別委員会を傍聴してきました。以下はあくまで個人の感想です。

法曹養成制度改革推進室がまとめた資料「予備試験制度に関する意見の整理等」を受けて、委員の方々はさぞかし意気消沈していらっしゃるだろうと思いきや、そんな様子は見受けられず、この資料の右欄の「再批判」「反論等」に異論をとなえる委員が相次ぎました。

ただ、私が見聞きした限り、委員側から有効な指摘は一つもありませんでした。
たとえば、ローから予備試験に受験生が流れたり予備試験がバイパス化しているとして“制度設計時の想定とは違う立法事実がある”という趣旨の指摘が委員からありました。しかし、そもそも「再批判」は「(予備試験は)バイパスとは言えない」と分析しているので、前提となる現状認識が違います。“新たな立法事実がある”と主張するならその前に「バイパスとは言えない」とする「再批判」の現状認識に有効な反論を加えなければなりません。
また、資料右欄の「反論等」が予備試験の制約について「職業選択の自由に対する過度な制約となるおそれ」と指摘していることについて、憲法学者の委員が「過度な制約とは必ずしもいえない」「直ちに憲法違反とする立場ではない」という趣旨の見解を示しました。でも、この見解も「過度な制約」に当たる可能性を全く否定しているわけではないので、資料右欄の指摘とどこが決定的に違うのかな、たいして変わらないんじゃないの、という印象でした。
あとは“とにかくプロセス教育の理念に反した事態になってるんだから何とかするのが当たり前”みたいな意見が目立ち、資料右欄に対する具体的な批判はなかったと思います。
とくに残念だったのは、予備試験制約の最大の弊害と思われる「法曹志願者減少に結びつくおそれ」という部分に誰も言及しなかったことです。この「おそれ」は法曹養成関係者全体が憂慮しなければならないのに、この場で発言した委員の立場は、とにかく法科大学院さえなんとかなればいい、というふうにしか見えませんでした。どんなに理念が大切でも人が来なくなったら元も子もないのに・・・。

本委員会は過去にも複数回、傍聴しましたが、とくに今日の委員会における予備試験制約に関する議論をみる限り、私としては(分かっていたこととはいえ)この委員会が公正・中立・専門的な「有識者会議」とは到底思えず、なにがしかの利権団体か圧力団体のようにしか見えませんでした。
はからずも孤立無援となった推進室の松本副室長が、委員側からプレッシャーを受ける状況となりましたが、松本副室長も委員側に逆質問するなどしてよく頑張っていたと思います。法曹養成制度に関して法務官僚を応援する時が来るなんて夢にも思いませんでした(^^;)

2014年7月 1日 (火)

法科大学院修了の1万人「連絡取れない」(読売新聞)

法科大学院修了の1万人「連絡取れない」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140701-OYT1T50049.html

 法科大学院修了者のうち、大学院側が進路を把握していない人が3割を超えていることが文部科学省の調査で分かった。司法試験合格率が低迷し修了後も法曹になれない人が多数いる中、就職先など進路確保が急務になっており、文科省は大学院に対し、修了者をフォローして支援を強化するよう求めている。調査は、学生募集を停止した大学院も含む73校に昨年10月末時点での状況を聞いた。その結果、2005~12年度の8年間での修了者3万3222人のうち、45・5%の1万5122人が司法試験に合格していたが、連絡が取れない「不明」が32・3%(1万721人)と2番目に多かった。11・9%(3958人)が「司法試験の勉強中」で、6・9%(2292人)が就職していた。

自分としては法科大学院をまともな教育機関とは思っていないので、さして驚きはありません。社会に人材を輩出するつもりなんてなく、金さえ払ってくれれば、その後の学生の人生なんて「知ったことか」ということなんでしょう。

それよりも読売が、こういう記事を書いてきたことに注目したいです。先の日経記事もそうですが、司法制度改革をめぐる評価の潮目が変わり、それをマスコミがかぎ取ったような気がしないでもありません。

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