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2014年8月 3日 (日)

法曹の卵のバックグラウンドは偏りつつあるか

いずれは司法修習に行きたいなあ、と思っている自分には興味深いエントリーを発見!
「司法修習生に対する印象」(中国備忘録→司法備忘録)
http://blog.goo.ne.jp/hihi64/e/0a33fe3b4660cec1bacb8995089147ed

あくまでブログ主個人の印象に基づく抽象的な修習生像を記したもので、エントリーには「業界の方は見て見ぬ振りしていただければ」とあります。でも私は法曹でも受験生でもなく、近々の修習予定もない一介のサラリーマンにすぎず、「業界」の者ではないので、取り上げさせていただきます(^^;)

年齢層については漏れ聞いてはいましたが、やはり若い人が多いみたいですね。私のような50歳を過ぎた人は絶滅危惧種のようで、うまくやっていけるかどうか今から戦々恐々です。

それはともかく、目を引いたのは以下の2点

○金持ち・コネありが多い。
 いいところのおぼっちゃん・お嬢ちゃんが本当に多いです。やはり、就職は激化していますしローの関係でお金がかかるようになって来ていますので、、、
 人生の保証がある人でないとこの業界に入りづらくなっているのでしょう。
○金遣いが荒い。
 今まで属した組織の中で、最も金遣いが荒いです。稼いでもないのに(稼いだこともないのに)、しかも今現在借金をしているのに、なんで1晩で2次会・3次会まで行って計1万円~1万5千円を平気で使えるのか、なんで値段のよくわからない店に行けるのか、なんで頻繁に飲みに行けるのか、私は理解に苦しみます。外部の方がこの状況を見ていれば、給与制に戻そうという運動は盛り上がらないでしょうね(笑)。

こういう傾向も実は漏れ聞いていました。
以前、貸与申請率の推移を記した記事で「就職難を含む広い意味での経済的事情から法曹を諦める人(修習辞退者を含む)が増え続けていることの反射として、貸与を受けなくても生活費に困らない修習生が年々、相対的に増えているのではないか」という推測を立てましたが、今回のエントリーを見て、法曹の卵のバックグラウンドが偏りつつあるのは確かなように思いました。

ロー推進派は予備試験の現状に対し“経済的事情のある者が利用するという趣旨に反している”などと批判しますが、“本道”の方が“多様なバックグラウンドを有する人材の輩出という趣旨に反している”疑いがあることには何も言わないのでしょうか。

まあ、よくよく考えてみると「お金に困っている人は予備ルートで行け」という趣旨の裏を返せば「お金に困らない人はロールートで行くのが原則」ということなり、予備ルートが狭き門に抑えられているのだから、こうなるのは当たり前なんですね。
こんな制度で、多様な人材を輩出できる、と考えた人の思考経路がさっぱり分かりません。

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コメント

富裕層の子息しか目指さなくなっているということは、ロー教授も受験生も周知の事実です。
教授の中には、それこそ法科大学院制度の主要目的だとまで言い放つ方もいるくらいです。つまり、自分たちと同じブルジョア層で法曹界も形成したいという意味不明な念仏を唱える、受験界とは縁遠かったはずの無名の学者さんには、このような方がいます。
 おそろしいのは、弁護士教員にもそのような考えの人はいるということです。
法科大学院に対する猛批判がさほど起こらないのは、この富裕層が多いということに起因すると考えられます。
すなわち、彼らにとって400万円程度で受験資格が買えるなら安いもので、講義がひどかろうがさらに予備校通いが必要となり経費がかかろうが、はたまた修習が無給であろうが、いたくもかゆくもないわけです。
 凡人でも資力でカバーして合格できる、能力よりもコネ、今の制度はそういう制度なのです。

>法科大学院に対する猛批判がさほど起こらないのは、この富裕層が多い,
むしろ、こういう人たちにとっては金はないが多様な英才が入ってくるのを拒む今の制度はとても望ましいのでは??
もともと2世を何とかして司法試験に合格させたいが、昔の制度ではどうにも、、という残念な子息を持った馬鹿親がロー推進の一端を担ってますからね。
まあ、就職もない金持ちのぼんぼんの行く墓場ですよ。そして高いお布施を払って成仏できるんでしょう。

政治家と一緒で世襲制になったら弁護士も、もう腐ったものしか出てこなくなりますね。
明日のおコメが買えないんですけど、という相談に、コメが買えないならパンを買えばいい、とか言い出すんでしょうね。

20世紀に合格したはずの人間でも、信じられないほど杜撰な論理展開(判例も条文も全然調べてないのは確実)を振り回すようなブラック企業用心棒が存在するのですから、腐ってるのは法科大学院特有の問題ではないのでは?

http://www.law.hit-u.ac.jp/content/files/lawschool/pdf/2014_ls_web.pdf

一橋ローの結果を見て驚いたのですが,
①既修全員が20代,社会人1人,他学部ゼロ
②未修にぽつんと30代,40代がいるだけ。

他のローも似たようなモンでしょう。
そして予備試験合格者の大多数はこういう感じのローの関係者。

人材の多様化はどこへいってしまったのやら。

なお,慶應ローの最多数派は中央なのですが,一橋の最多数派も中央です。
慶應の場合,数だけでなく率も中央>慶應です。

司法修習生やエクスターンの学生に裕福層が多くなってきたのは確かなことだと思います。
裕福さ・恵まれた環境ゆえに悪気のない一言がでてくることもありますのでイラっとくることもありますが、今考えるとそれは単に経験不足や若さに起因するものでした。
まだスタートラインに立ってすらいない若者に、法曹としての完璧さを求めるのも酷ではないでしょうか。
奨学金返済の心配がなく、人脈やコネに恵まれたある程度能力的に均一な裕福層出身弁護士が輩出されることは一概に悪いこととはいえないのではないでしょうか。
人材の多様化といいつつ、依頼者の本音としては、横領の心配がなく、心に余裕があり、依頼者の事件を解決してくれればそれでいいのでは。
人材の多様化など、必要なかったんや…。

>>まだスタートラインに立ってすらいない若者に、法曹としての完璧さを求めるのも酷ではないでしょうか。

甘えるな!

甘えるなとか言ってる奴って、新人の時から完璧だったんかねえw

酷ではないでしょうか。などと甘えたこと言ってる奴って、いつになったら完璧になるんかねえw

若者に法曹としての完璧さをどこまで求めるか、という問題は本記事の趣旨から外れていますので、この問題でのやりとりはこれで打ち切ってくださるようお願いしますm(_ _)m

一番上のコメント者ですが。現行の制度でいいはずがないでしょう。
 具体例をあげますが、東大現役合格、父親が都市銀行地方支店長、この頭脳、家庭水準で、大学に入ってから法曹界および法曹養成制度の実態を深く認識、理解して、司法試験の受験をやめたケースがあるのですよ。彼は、頭脳明晰で合理的な人間だからこそ、自分の将来をきちんと見据えた判断をしたのだと思いますが、法曹界、一般社会からすれば惜しい人材であったことは確かです。

 他方で、募集停止寸前のローの入学者層を知ったら、卒倒すると思いますよ。おそらく、ロー側は、「多様性」の確保という言葉で逃げるのでしょう。実際には、多様性もへったくれもありません。優秀ではない層を拾ってでも頭数をそろえることによって、一年でも長く存命させようという魂胆です。
 また、状況の変化に応じて理念アイテムを使い分けるのは、不誠実極まりない行動です。
 教育者としてのプライドは、いずこに。。 
 最初から法科大学院の創設理念というものを本当に持っていたとするならば、これほどまでの矛盾やブレが生じるはずがない。
 ただ法科大学院制度を導入することに伴う旨味に飛びついた、それだけのことです。
 そして、リスクをすべて受験生に負担させ、悲劇を多数発生させても、それでもまだ、予備試験や合格者を増やさない業界のせいで「自分の不運がある」と嘆く、どこまでもナルシストで自己中な人たちが存在するということです。
 

>奨学金返済の心配がなく~(中略)~それでいいのでは。

「能力的に均一」でも、低いレベルで均一なら、適切に「依頼者の事件を解決」できるかどうかが怪しくなります。門戸が広いほど有為な人材が集まりやすくなるにもかかわらず、本人の資質とは直接関係のない親の資力で門戸が絞られればレベルの低下を招くリスクが高まると思います。
もっとも「入口」で有為な人材が集まりにくくなっても、法科大学院修了、司法試験、二回試験というフィルターを通じてレベルを維持すればよいとも思われます。でも現在は法曹人口を増やすという政策の下、前二者の「出口」が広く設定されています。二回試験は以前より不合格率が高くなっていると聞きますが、それでも絞られるのはごく一部にすぎず、フィルタリングの機能はそれほど高いとはいえないと思います。
そうだとしてもレベルの低い法曹の排除は市場原理に基づく淘汰に任せればよい、とも思われます。しかし、淘汰の過程で、事件を適切に解決してもらえない依頼者が発生するのは不可避でしょう。

これでも「依頼者の本音として」「それでいい」という話になるのでしょうか。私には疑問です。

合格者数を抑制した上で、ロー強制による有為な人材排除と借金地獄をなくして給費制にすれば「横領の心配がなく、心に余裕があり、依頼者の事件を解決してくれ」る法曹の養成につながります。こっちの方が現行制度より依頼者のメリットになると思います。

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