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2014年10月15日 (水)

ローに通えない地方法曹志願者の夢をつなぐには

「苦境の母校、存続訴え 静岡大法科大学院卒の弁護士」(静岡新聞)
http://www.at-s.com/news/detail/1017059078.html

「もし、県内に法科大学院がなければ、自分は弁護士になれなかったかもしれない」と鈴木さん。文科省の方針に首をかしげ、「首都圏の学校に通えない地方の法曹希望者の夢が絶たれかねない。長い目で人材育成を考えてほしい」と訴える。

「法科大学院がなければ~」というロー卒法曹の発言については、すでに
「法科大学院がなければ弁護士になれなかった」という意見(SchulzeBLOG)
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52030058.html
「新潟大学法科大学院の募集停止に関する会長談話と法科大学院について考える若手弁護士」(タダスケの日記)
http://d.hatena.ne.jp/tadasukeneko/20140404/1396633420
で取り上げられています。私も同じ意見で付け加えることはありません。

今回、私が言いたいのは「首都圏の学校に通えない地方の法曹希望者の夢が絶たれかねない」という部分。
そもそも法科大学院制度のスタート時点から、首都圏の学校に限らず、ローに通えない地方法曹志願者の夢が絶たれかねない状況でした。
私が受験生時代に住んでいた東北地方では当初から仙台市内にしかローがありません。他の東北5県の法曹志願者はとてもローに通えないし、宮城県内でも全ての地域から仙台まで通学できるわけではありません。地方ローの募集停止が相次いだ今になってはじめて地方での法曹養成に問題が生じたような議論が最近、見受けられますが、それは違います。ロー制度はもともと地方の法曹志願者を切り捨てるような制度なのです。地方メディアはまず、そのことを自覚すべきと思います。
それを自覚した上で、地方の法曹志願者の夢が絶たれないための一番手っ取り早い手段は、司法試験の受験資格要件の撤廃です。ただ、これは現行制度の抜本的変更を伴い改善には時間がかかります。
でも、制度を変えなくても改善はできます。それは予備試験の合格者数を大幅に増やして、地方法曹志願者の本試験受験チャンスを広げることです。学部での予備試験受験指導を禁止する通達があるとは聞いたことがありません。文科省の顔色を気にせずに法曹養成を目指す気概さえあれば、地方大学法学部で予備試験に対応することは十分可能でしょう。

地方メディア、地方教育機関が、地方での法曹養成を心底から憂いているのであれば、ローの存続に拘泥するのではなく、予備試験合格者数が不当に抑制されている現実に目を向けるべきです。

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コメント

司法審意見書では,ロー修了者の7~8割が司法試験に合格できるようにすると言っているのですから,それと同程度である予備試験のあるべき水準も,予備試験合格者の7~8割が司法試験に合格できる水準です。
現在の予備試験は概ね「あるべき水準」で運用されているのですから,何ら違法ではありません。違法なのは「あるべき水準」に達していない法科大学院の方です。両者の均衡は,法科大学院の修了認定を厳格化することで是正すべきものであり,正しいものを間違っているものに合わせろというのは筋違いです。
あなたはこの論理を打ち破れるのですか?

現在の予備試験が概ね「あるべき水準」で運用されているかどうかは知りませんが、仮にそうだとして、それが違法かどうかは、司法試験法第5条第1項の解釈いかんと思います。現に各校から毎年輩出され、実際に司法試験を受験するロー修了者と同等の能力があるかどうかを判定すること、と解せば、同条項にしたがった運用がなされていない、ということになると思います。
黒猫先生は、7~8割が司法試験に合格できる水準の有無を判定すること、と解しておられるようですが、私はそうは考えておりません。結局、違法云々の話は、前提となる法解釈の見解が異なり、すれ違いになるだけだと思いますので、これで打ち切っていただくようお願い申し上げます。また、同条項をどう解釈すべきかの議論をするつもりもありませんので、よろしくご理解をお願いします。

根拠となる司法試験法の解釈論をすっ飛ばして,ダイレクトに予備試験法の当不当を論じるとは,何とも素晴らしい法的思考能力ですね。
そんな人を相手に議論しても仕方ありませんので,これで失礼します。

>黒猫先生
すいません(>_<) 
前回の私の返信コメに脱語がありました。
最後の一文の「また、同条項をどう解釈すべきかの議論を」の後に「黒猫先生とは」の一語を挿入するのを忘れました。

私は公職にあったりその候補者でもなく、一私人として自分の意見を本ブログで発表しているにすぎません。ですから議論の相手を選ぶのも私の自由です。
ちなみに先生もブログでのコメ欄の問いかけに逐一、返答をしていませんね。

私は私なりに同条項を解釈し、その内容を記しています。それなのに「解釈論をすっとばしている」と評価されることに強烈な違和感を禁じ得ません。

先生との議論の躊躇を決定付けたのは、先生の10月17日付の下記エントリーです。
http://kuronekonotsubuyaki.blog.fc2.com/blog-entry-1045.html

法曹三者になろうとする法科大学院組をあのようにひどく蔑む言説は、ネット上とはいえ、他者に対する常識的な礼儀や品行をわきまえているとは到底思えません。もし実社会で誰かに面と向かって同じ言い方で話をしたら、ドン引きされるのではないかと私は思います。
申し訳ありませんが、先生の法科大学院組に対するひどい言説などを総合的に判断した結果、先生との議論は遠慮したいと判断させていただきました。なにとぞご理解をよろしくお願いしますm(_ _)m

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