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2014年12月

2014年12月27日 (土)

68期司法修習生の貸与申請率は67・1%

68期司法修習生の貸与申請状況について最高裁へ情報公開請求したところ、以下の情報提供を受けました。

○ 司法修習生採用者数 1,761
○ 貸与申請者数(申請後撤回した者を除く)1,181
(申請額別)
18万円・・・・・・・・・・・・・・・ 66人
23万円・・・・・・・・・・・・・・・833人
25万5000円(扶養加算)・ 27人
25万5000円(住居加算)・229人
28万円・・・・・・・・・・・・・・・ 26人
注:平成26年12月4日現在

貸与申請率(貸与申請者数/司法修習生採用者数×100)は67.1%です(小数点以下第2位四捨五入)。

67期と66期と新65期の貸与申請状況は以下のエントリーに記してあります。
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/h2411-f437.html
http://ittyouryoukai.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/h2511-34a0.html

貸与申請者数と申請率の推移は以下の通りです。
新65期(1742人,87.1%)

66期(
1654人,80.8%)

67期(
1449人,73.6%)

68期(
1181人,67.1%)

申請者数、率とも年々下がり、率はついに7割を切りました。
約67%という数字だけをみると、修習生への経済的支援は貸与制で十分であり給費制は必要ない、という意見に根拠を与えてしまいかねません。
しかし、3年前には9割近い修習生が貸与を申請していました。この3年間に世の中の経済状況がめざましく改善したわけでもなく、借金に抵抗を感じる人が急増したとも思われないのに、毎期6~7ポイントも申請率が下がっていく理由はなかなか説明しづらいものがあります。
考えられる理由として最も合理的なのは、やはり、弁護士就職難を含む広い意味での経済的事情から法曹を諦める人が増え続けていることの反射として、貸与を受けなくても生活費に困らない修習生が年々、相対的に増え続けているからではないかと、思います。法曹の卵の属性が偏りつつある、という疑念がますます強まりました。

※おことわり
最高裁から情報提供を受けた68期の採用者数1761人という数字は「再採用者」を含まないと思われ、実際の68期修習生の数はこれより少し多いと考えられます。
ただ、各期の再採用者はごく少数と思われること(67期は3人)や、過去の統計資料との統一性の観点から、本記事を含む当ブログでは原則として最高裁が公式に出す「採用者数」をデータとして用います。

2014年12月24日 (水)

新任判事補101人中、予備試験合格者は12人

東大17人、京大・慶大16人…新判事補101人を採用(産経ニュース)
http://www.sankei.com/affairs/news/141224/afr1412240023-n1.html

 最高裁は24日、司法修習を17日に終えた修習生1973人のうち、任官を希望した101人全員を判事補として採用すると発表した。閣議を経て来年1月16日付で発令される。
 101人の年齢は23~34歳で平均26・24歳。うち女性は29人で、全裁判官のうち女性裁判官は19・49%に当たる731人となる。
 出身法科大学院は18校で、最多の東大が17人、次いで京大と慶応大が各16人、中央大と早稲田大が各8人、一橋大6人などの順になった。法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる予備試験の合格者は12人だった。

67期司法修習、新任検事、新任判事補の各々の採用者数予備試験合格者占有率を比較してみました。
左から順に採用者数予備試験合格者数占有率
67期司法修習 
1969人―112人(5.7%)
検事
74人―4人(5.4%)
○判事補
101人―12人(11.9%)

また、67期の受験資格別の任官者の割合を見てみました。
(左から採用修習生数任官者数(検事+判事補)任官者割合
○法科大学院
1857人→159人=8.6
○予備試験合格
112人→16人=14.3

数字だけをみると、採用に際し検察庁は慎重にロー組と予備組のバランスをとっているようにみえます。一方、最高裁はバランスを気にせず積極的に予備組からも採用しているようにみえます。少なくとも最高裁は予備試験受験者=「心の貧困」説を採用していないようです。

2014年12月20日 (土)

平成26年度も法科大学院ルートより予備試験ルートの方が上位合格する傾向

司法試験合格率は予備組がロー組を圧倒しているとしても、就職などの際に意味をなすともいわれる合格順位もロー組より有利なのか、という問題意識の下に、下記資料を使って平成26年度の得点別人員分布を比較してみました。

「司法試験・総合得点別人員調(平成24年~26年)」
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hoso_kaikaku/dai12/siryou3_3.pdf

過去に行った25年度の検証24年度の検証では数字をこねくり回して分かりにくかったので、今回はビジュアルで分かる比較だけにしました。
まず、以下のグラフを示します。
これは上記資料1ページのグラフで、総合評価対象者4,396人(短答通過者で、論文で足切りされなかった受験者)の総合得点別の人員を示しています。

Img1
折れ線は青線が「総計」緑色が全体合格率以上の合格率の法科大学院15校(「上位校」)の受験者オレンジ色が「予備試験合格者」です。しかし、それぞれ母集団の大きさが違うので折れ線の山の高さも当然に違い、得点分布の比較には役に立ちません。

そこで「予備合格者」「総計」母集団が同じだと仮定して(具体的には「予備試験合格者」の人数を18.786倍にして調整して)赤っぽいオレンジ色の折れ線を書き加えた(言い換えればもとのオレンジ線を拡大した)のが以下のグラフです(ここでは緑色の「上位校」の折れ線は無視してください。また、「総計」には「予備合格者」の人数も含まれていますが、予備組は数が圧倒的に少ないので、傾向の比較であれば「総計」との比較で大きな問題はないと考えます)。

Img2_2

そもそも合格率が予備組の方が高いため、書き加えた赤っぽいオレンジの折れ線の山が青色の折れ線の山より全体的に右側(高得点・高順位側)に寄るのは当然としても、二桁順位の1010点以上、約500番以内の890点以上で赤っぽいオレンジの線青色の線をはるかに上回っているのが分かります。

次に同様の調整をして赤っぽいオレンジ色の折れ線を書き加え、緑色の「上位校」の折れ線と比較してみました(ここでは青色の「総計」の折れ線は無視してください)。

Img3
やはり右端の高得点・高順位のところで、赤っぽいオレンジ色緑色を上回っています。

平成26年度も法科大学院ルートより予備試験ルートの方が上位合格する傾向は変わらなかった、と言っていいと思います。

2014年12月 5日 (金)

「一発試験」で時間の節約はできなかった

運転免許試験場に免許の更新に行ってきました。

ずっと警察署や転勤先の運転免許試験場で更新し続けてきたので、初めに免許証を取得した試験場にやってきたのは数十年ぶりです。

20141205

私は、この試験場で小型二輪(当時)、中型二輪(当時)、普通仮免許、普通本免許の技能試験を受けてきました。自動車教習所に行かずに免許を取る、いわゆる「一発試験」です。
試験場のターミナルは昔と変わっていないように見えました。ここで何度も技能試験を受け、落ち続けたことを思い出し、かなりドキドキしてしまいました。

大学生時代、学費以外は親に頼らず自分で賄うと決めていたこともあり、四輪免許取得のために自動車教習所に行くことは選択外でした。結局、友達に指導を仰いだり、非公認教習所で数時間、運転を習ったりしながら計6回程度の受験で本免許を取得しました。費用は総額3万円程度で済んだと思います。

ただし取得までの期間は初回受験から1年近く費やしたと記憶しています。費用はともかく、時間を節約できたという認識はありません。

同じく「一発試験」とも評される司法試験予備試験も、法科大学院ルートより短期で本試験受験資格を得られる人は、挑戦者全体の一部にすぎません。かなり多くの方は法科大学院ルートより時間がかかると思います。予備試験が時間を節約できる、というのはあくまで節約の「可能性」にすぎないでしょう。それなのに法科大学院側やマスコミが予備試験の時間節約機能を、時に「抜け道」などと揶揄しながら一般論のように言うのは間違いだと思います。

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