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2015年5月18日 (月)

高知新聞社説―「受験減少は法曹の危機」の感想

「【法科大学院】受験減少は法曹の危機 」(18日付高知新聞社説)
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=337997&nwIW=1&nwVt=knd

法曹志願者が減少している現状とその原因、現状を放置した場合にもたらされる弊害が正しく認識されているいい社説だと思いました。とくに

他方で、法曹需要は伸び悩み、弁護士は供給過剰ともいわれる。若手弁護士の就職難や生活苦も問題となっている。苦労を重ねて司法試験に合格しても報われないとなれば、入り口の法科大学院の志願が減るのも無理はない。

という部分は、とかく大手紙がロー不人気の原因を、合格率の低迷や予備試験人気のせいにして済ませているのとは大違いです。中央の誤った施策を正しく批判できるのはやはり地方紙だな、とあらためて実感しました。

社説は「現状を放置することは許されない。」というフレーズで結んでいます。ただ、欲を言えば、改善策の検討を中央に丸投げするだけにとどまらず、できればもう一歩、踏み込んでほしかったです。

香川・愛媛大法科大学院が廃止になれば、四国に法科大学院はなくなります。四国在住の法曹志願者が法曹を目指すには原則として、他の地方の法科大学院に進まなければなりません。受験環境としては都市圏に比べ圧倒的に不利で、著しい地域間格差と言えます。

この現状を打破する最善策は、司法試験の受験資格制度を廃止することですが、これは現制度の根幹に関わるのでそう簡単に実現できません。
そこで現行制度の下で地域間格差をなくすための次善の方法を考えてみると、それは、住む地域や資力に関係なく誰もが受験できる予備試験の合格枠を拡大することです。
ところが、現状では予備試験合格者数が過少に制限されています。これでは受験環境の地域間格差はいつまでたっても縮まりません。

他の地方に出なければ法科大学院に通えない、という事情は十分に「経済的事情」と言えます。お金があれば引っ越して(仕事もやめて)他の地方の法科大学院に通うことができますから。そうであれば、地方ローの相次ぐ廃止に伴い、地方の法曹志願者のために予備試験枠を拡大せよ、と主張することは予備試験の制度趣旨にバッチリ適います。

中央行政や中央政治への遠慮やしがらみがない地方紙だからこそ、予備試験合格者数の抑制を問題視する主張を展開できると期待しています。

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