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2015年6月 9日 (火)

北海道新聞社説も給費制に言及、「地域差」の指摘も

「法曹養成の目標 数合わせで済ませるな」(6/9北海道新聞社説)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0026780.html

最近、地方紙の社説に着目していますが、この社説も中央大手紙の社説とは異なる、地方ならではの視点があらわれていると思います。

ひとつは

 教育の質を保つには一定の統廃合もやむを得ない。ただ、低迷校は地方に多い。野放図に統廃合を進めると、都市部の有力大学院に入らなければ司法試験に通らないという地域差が生じかねない

と、地方ローの統廃合に伴う受験環境の地域間格差を指摘している点。

もうひとつは

法科大学院は学費がかかる。司法修習の給費制廃止により、司法試験合格後も多額の借金を抱える人は多い。有能な人材を確保するためには、奨学制度など必要に応じた支援策も検討すべきだ。

と、給費制廃止が法曹を目指す者の経済的負担の一因になっていることを認めている点です。

法曹養成に関する地方紙社説を読ませていただくにつけ、中央大手紙よりも問題点を的確に捉えていることを強く認識します。

その上であえて論評させていただくと、ひとつ目の点の「都市部の有力大学院に入らなければ司法試験に通らない」という問題は、ローの統廃合が進む以前から既に存在してたことを指摘しておきたいです。全国に74校あった時でも地域的にローに通える人は一部だけです。上記の問題は統廃合の進展とはあまり関係なく、そもそも法科大学院制度自体に内包しているのです。どんなに法科大学院制度を立て直そうとしても、この制度を中核とする限り解消することは困難です。現行制度をいじらずに、この問題を解消する唯一の方法は、都市部の有力大学院に通えない人のために予備試験の合格枠を拡大することです。

もうひとつの点については繰り返しになりますが、「奨学制度」と「給費制」では、その効果が法曹養成に結びつく程度が決定的に違うということです。社説の「奨学制度など」の「など」には給費制の復活が含まれているのかもしれませんが、奨学制度より給費制を復活させる方が有為な人材を確保するための経済的支援としては端的です。給付目的との関係でも公費の無駄も奨学金ほどには生じません。経済的支援策としては奨学制度より給費制が優先されるべきと思います。

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