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2015年6月18日 (木)

「法曹養成制度改革推進会議決定(案)」の予備試験関連以外について

法曹養成制度改革推進会議決定(案)のうち予備試験関連については「Schulze BLOG」さんによる鋭く的確な指摘がありますでの、そちらに譲ります。

「『(予備試験ルートについて)法科大学院教育を経ていないことによる弊害が生じるおそれ』とは何なのか」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52121882.html
「予備試験の弊害より、法科大学院制度による弊害を直視すべきである」
http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/52122053.html

予備試験関連以外で気づいた点を取り上げます。

「法科大学院の組織見直し」という項目では、法科大学院の是正要求から閉校命令に至る措置をとる客観的指標として「司法試験合格率(目安として平均の50%未満)、定員充足率(目安として50%未満)、入試競争倍率(目安として2倍未満)」などを挙げています。
そして項目の最後にようやく「前記の各措置の実施に当たっては、法曹を志す者の誰もが法科大学院で学ぶことができるよう、法科大学院の所在する地域の状況や夜間開講状況、ICT(情報通信技術)を活用した授業の実施状況などの事情を適切に考慮する」という文言が出てきます。これらの書きぶりから、統廃合の原則的基準はあくまで合格率などの客観的指標であり、地域の事情や社会人の受け入れ状況などは例外的に考慮されるにすぎないようにみえます。
ところで「法曹を志す者の誰もが法科大学院で学ぶことができるよう」というフレーズは文科省資料にも出てきますが、過去も将来も実現不可能なまやかし、誇大広告といってもよいでしょう。
74校あった制度開始当初から地理的に法科大学院で学べるのは一部の地域に住んでいる者だけです。ICTの活用といっても利用できる拠点に通える人しか利用できません。「誰もが」と、うたうのであれば、自宅でのネット受講やストリーミング受講ができなければなりません。しかし、それはもはや予備校の講義と変わらず、プロセス教育の放棄でしょう。

「司法修習」の項目における修習生の経済的支援関連については

最高裁判所等との連携・協力の下、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえ、必要と認められる範囲で司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討する

としています。
これは「法曹養成制度検討会議取りまとめ」が「貸与制を前提」と明示したのとは少しトーンが違います。今後の若手法曹の経済状況とかローへの補助金削減状況次第で、給費制復活への道筋を残したように読み取れなくもない。ただ、現状では復活への道のりはまだまだ遠いと思います。

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