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2015年6月10日 (水)

どうなる憲法学(者)の権威

与党推薦教授「危険なやり方」  学者199人「違憲」 (6/8TBSニュース)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2513163.html
この報道によると、安保関連法案に反対する声明に賛同する憲法学者の署名は8日午後10時時点で199人分に上っています。
 
またhttps://twitter.com/akahataseiji/status/608281253058445312によると
「テレ朝報ステが憲法学者アンケート。198人中50人から返ってきた中間集計を紹介。安保法制は憲法違反にあたるが45人。違反の疑いがある4人で、違反の疑いはないが1人いた。」
とのことです。

こうした憲法学者の「違憲」の主張に対し政府は反論しています。
集団的自衛権:政府「行使は限定的」…違憲指摘に反論(6/9毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150610k0000m010026000c.html
安保法案:「違憲」に法制局長官が反論(6/10毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150610k0000e010201000c.html

原発の安全性に関する専門的知見を持つ科学者の大多数がもし原発の再稼働に反対したら、政府はとても再稼働の方針を打ち出せないだろうと思います。そういう状況で政治家が「再稼働しても安全だ」と言い張ったり、科学者の意見に反論したりしたところで誰にも信用しもらえないと思います。政治家の知見が及ばない専門的分野はやはり、専門家の科学的学術的判断に委ねざるを得ない場合があるでしょう。現に再稼働の判断は、専門家をメンバーとする原子力規制委員会の判断に実質的に委ねられています。

しかし、安保法制をめぐり政府は大多数の憲法学者による「違憲」の主張に耳をかさず反論しています。

原発再稼働に関し科学的知見をある程度尊重しようとする姿勢と、どうして違うんでしょうか。
社会科学は理学や工学よりも政治になじむということなんでしょうか。だとしても政治家の憲法解釈に関する知見が、憲法学者よりかなり劣るのは間違いないと思いますが・・・。

いずれにせよ、このまま政治に押し切られたら憲法学(者)の権威は失墜するだろうと思います。

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コメント

お世話になっております。

原発の話は行政裁量とくに要件裁量の局面での専門家の関与ですね。
行政裁量が認められる場面は大まかに、
・全国一律の基準を定めることが適当でない場合
・予測困難な状況の変化に迅速かつ臨機応変に対応することが必要な場合
・科学技術に関する専門組織による判断の尊重の必要性
・政治的判断の尊重の必要性
・教育に関する専門的判断の尊重の必要性
が挙げられるそうです。

本記事の憲法学者の判断を尊重せよとは、いったい何のことでしょう。
ルールに関する私的解釈の数を寄せ集めたところで、法ならば裁判所、校則ならば校長など、
制度として判断者が決まっているのではないのですか?
当方は素人ゆえわかりませんが、憲法学は学者の多数の考えが重要で、少数者の意見は無視するのでしょうか。

話がすっ飛びますが、ノーベル賞の対象分野などは、たしかに裁判所にはわからない性質のものでしょう。学界異端の少数者が受賞することも珍しくありません。この分野は学者、専門家こそ尊重されるべきかと納得できます。
けれど法は裁判所のみが有権的に解釈しうるものと心得ます。
私事にわたりますが、以前知己の法学者の意見に従った税務相談をしたら判例違反との理由で税務署に叱られ、そのことを学者氏に報告したら「判例あったんだね、憲法的にはいいと思ったんだけどな」と放言、以来法学者は信用しないようにしております。

>田舎のおじさん様
コメントありがとうございます。

釈明させていただくと、私は本記事で行政裁量の範囲かどうか、といった法的な話はしていません。
理工学の分野であろうが社会科学の分野であろうが、専門性のある分野に関わる施策は、専門家の見解を尊重しなければ信用されないだろう、説得力を持たないだろう、という政治的道義的な話を書いたつもりです。学者の判断が政治を法的に拘束するようなことを書いたつもりはありません。
学者の大多数の見解か少数の見解か、という区別を読み取られたとすれば同様の文脈です。多数の専門家の見解に基づく施策は、少数の見解に基づく施策より一般的に信用性、説得力を持つだろうと考えています。別に少数の見解に乗っかって政治を遂行しても構いませんが、そのような施策が果たして政治的道義的に支持を得られるのか、と考えています。

また、本記事で政治的判断や法律の有権解釈を行う者は多数派の学者である旨を書いたつもりもありません。

もし私の書き方が悪く誤解を与えたのではれば、以上のように釈明させていただきます。

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