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2015年7月21日 (火)

法曹養成に関する岩手日報論説の感想

法曹養成の転換 目標半減の理由を示せ(7/21岩手日報論説)
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2015/m07/r0721.htm

国に対するかなり辛辣な主張だと思います。共感する部分が多く、これぞ地方紙の真骨頂と感心しました。

特徴的なのは司法制度改革のそもそものスタートラインに厳しい疑いの目を向けていることです。たとえば

しかし、法曹の数は司法制度改革の土台部分。部分的な手直しの意味合いにとどめることなく、「国民に身近な司法」を掲げた一連の改革の全体像を見直す契機とする必要があるのではないか。

という部分は、これを機に改革の理念の根本を見直すべきという主張に読めます。

また、

司法制度改革推進計画では「現在の法曹人口が、わが国社会の法的需要に十分に対応できていない」とする認識も示されたものだ。結果的に認識を誤り、目標が過大だったと言われても仕方ない。

という部分も、そもそも改革のスタート時の法曹需要予測が間違っていた、と結論付けているように読めます。もう「開拓すれば需要はわんさかある」なんて虚言にはだまされないぞ、といった態度が伺えます。

ほかにも、定員を減らして合格率の帳尻を合わせようとするインチキぶりや、「高い合格率目標を喧伝(けんでん)して志願者の期待をあおった」国の責任を指摘したりと、厳しい批判を展開しています。

結局、この論説が最後に問いかける「なぜ『3千人程度』を『1500人以上』にするのか。」という疑問に国がきちんと答えるべく、2000年前後の予測が正しかったのかどうかを誤魔化しや偽りなく総括しなければ、法科大学院を中核とする法曹養成制度の推進をいくら叫んでも、関係者以外、誰も耳を貸さないだろうと思います。

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